SSブログ
演奏会 アーカイブス ブログトップ
前の10件 | 次の10件

「熱狂の日」音楽祭2008 543/2008年5月6日(火)13:00~13:45 ホールCマイアーホーファー [演奏会]2008-05-08 [演奏会 アーカイブス]

カタリーナ・ライエ(ソプラノ)
ヴィープケ・レームクール(メゾ・ソプラノ)
シュテファン・ツェルク(テノール)
有馬牧太郎(バス)
ウルリーケ・パイヤー(ピアノ)
シュレスヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭合唱団
オーケストラ・アンサンブル金沢
ロルフ・ベック(指揮)

シューベルト:ミサ曲第4番 ハ長調 作品48 D452
ベートヴェン:合唱幻想曲
10代の終わりに生まれた若々しい祈りの音楽。そしてピアノも加わる、力強い“ミニ〈第九〉”

 同じホールで三回目の演奏会。前の公演の合唱があまりに素晴らしかったので比較するのは気の毒だけれど、世界中から集まった若者の合唱団ということで、その実力の差は歴然…。どんなにローザンヌ声楽アンサンブルが凄いか思い知らされた感じになってしまった。という訳でミサ曲の印象は薄い。

 「合唱幻想曲」は、天使も合唱団の一員として歌ったことがある懐かしい曲。ピアノのソロで始まり、途中からオーケストラが絡んで協奏曲風になり、さらにソリストと合唱団が加わり、本当にミニ第九風になる曲である。ピアノのソリストさえ用意すれば第九の前座にもなるかもしれいないが、あまりに似すぎているだろうか?クレジットされていたソリストの他に、合唱団から男女一人づつが加わる。このソロは素人でもできるようなレベルのもので、天使もソリストのオーディションを受けたような記憶がある。知っている曲ということで、当時の記憶が次々に蘇り楽しく聴けた。

2008-05-08 00:11
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

「熱狂の日」音楽祭2008 542/2008年5月6日(火)11:00~12:00 ホールCマイアーホーファー [演奏会]2008-05-07 [演奏会 アーカイブス]

谷村由美子(ソプラノ)
ジャッキー・カアン(アルト)
クリストフ・アインホルン(テノール)
マティアス・ロイサー(テノール)
クリスティアン・イムラー(バス)
ローザンヌ声楽アンサンブル
シンフォニア・ヴァルソヴィア
ミシェル・コルボ(指揮)

ジューベルト:ミサ曲第6番 変ホ長調D950
最晩年に書かれた宗教音楽の集大成的銘品を、おなじみの大家でたっぷり味わう至福の時間

 期待のミシェル・コルボ指揮によるシューベルトのミサ曲。でも演奏の妨害行為?が2件発生。ひとつは小さなお子様の泣き声が最初から最後まで続いたこと。それが「熱狂の日」といわれれば仕方がないが、近くの聴衆はさぞ迷惑だったと思う。

 もうひとつは、最終曲である「アニュス・デイ」が佳境にさしかかったときに、なんと1階席の舞台脇のドアから演奏途中にもかかわらず男性が二人ノコノコと入ってきて立ち聞きしていたこと…。それも日本の古楽の第一人者である指揮者のS氏である。しかも最後まで聴かずに途中で出ていった。何しに来たのか?マナー以前の常識のなさに呆れる。彼の音楽への愛情の無さを証明しているようで大変不愉快だった。

 どちらも普通のコンサートならば言語道断の行為だが、前者は許せても後者は絶対に許せない。バッハ・コレギウム・ジャパンの音楽は偽物と断言したい。たぶん来年出演予定なのだろうけれど、彼の演奏会は絶対に聴きに行かないつもり。

 そうしたアクシデントをものともぜす、途方もない巨大な音楽の大伽藍を築き上げたコルボは見事という他はない。ソリスト、オーケストラ、合唱団とも申し分のない出来だった。「サンクトゥス」以降はあまりの美しさに感動の涙、涙だった。

2008-05-07 23:39
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

「熱狂の日」音楽祭2008 541/2008年5月6日(火)9:15~10:00 ホールCマイアーホーファー [演奏会]2008-05-07 [演奏会 アーカイブス]


オーケストラ・アンサンブル金沢
井上道義(指揮)

シューベルト:序曲 ニ長調 D590「イタリア風」
シューベルト:序曲 ハ長調作品170 D591「イタリア風」
シューベルト:交響曲第6番 ハ短調 D589
ロッシーニを意識して作曲された(?)序曲と交響曲。明るく元気な“ロッシーニづくし”のコース料理だ

 曲の間の指揮者自身によるMCによれば、オーケストラ・アンサンブル金沢は、昨日の16時30分まで金沢で演奏をしていたのだとか。今年から金沢でも「熱狂の日」が始まって5万人の目標のところ8万人を越えて大成功だったようだ。

 初めてのホールなのにゲネプロなし。しかも金沢から移動してきて早起きと、疲れているはずなのに軽快な音楽が響いていたのは何より。開演5分前まで舞台の上でさらっていた効果があったのかもしれない。

 井上道義の指揮は、まるで踊っているようにノリノリで「踊る指揮者」と化していた。あまりの疲れからナチュラルハイになってしまったのだろうか?最初の曲が終わると、パッと後ろを振り返ってポーズ。かっこいいというか、「熱狂の日」でなければ失笑ものだけれど、妙に音楽祭の雰囲気にマッチしていた。2曲目の途中でゲネレルパウゼがあったのだけれど、勘違いした子供の声で「ブラボー」と拍手が鳴り響いた。

 会場から笑いがもれ、指揮者もおどけたそぶりで制止するポーズで指揮を続けた。
失笑ではなく明るい笑い声だったのと、指揮者の個性のおかげで嫌味な感じにならなかったのがよかった。

 指揮者はロッシーニの手法を真似たふたつの序曲と交響曲は「同じ時期に作曲されたけれど相当違う」と言っていたが、そんなに差は感じなかった。むしろ他の交響曲との違いが気になった。短いけれど早起きした甲斐がある良い演奏会に出会えてラッキー!

2008-05-07 23:33 「熱狂の日」音楽祭2008 541/2008年5月6日(火)9:15~10:00 ホールCマイアーホーファー [演奏会]
オーケストラ・アンサンブル金沢
井上道義(指揮)

シューベルト:序曲 ニ長調 D590「イタリア風」
シューベルト:序曲 ハ長調作品170 D591「イタリア風」
シューベルト:交響曲第6番 ハ短調 D589
ロッシーニを意識して作曲された(?)序曲と交響曲。明るく元気な“ロッシーニづくし”のコース料理だ

 曲の間の指揮者自身によるMCによれば、オーケストラ・アンサンブル金沢は、昨日の16時30分まで金沢で演奏をしていたのだとか。今年から金沢でも「熱狂の日」が始まって5万人の目標のところ8万人を越えて大成功だったようだ。

 初めてのホールなのにゲネプロなし。しかも金沢から移動してきて早起きと、疲れているはずなのに軽快な音楽が響いていたのは何より。開演5分前まで舞台の上でさらっていた効果があったのかもしれない。

 井上道義の指揮は、まるで踊っているようにノリノリで「踊る指揮者」と化していた。あまりの疲れからナチュラルハイになってしまったのだろうか?最初の曲が終わると、パッと後ろを振り返ってポーズ。かっこいいというか、「熱狂の日」でなければ失笑ものだけれど、妙に音楽祭の雰囲気にマッチしていた。2曲目の途中でゲネレルパウゼがあったのだけれど、勘違いした子供の声で「ブラボー」と拍手が鳴り響いた。

 会場から笑いがもれ、指揮者もおどけたそぶりで制止するポーズで指揮を続けた。
失笑ではなく明るい笑い声だったのと、指揮者の個性のおかげで嫌味な感じにならなかったのがよかった。

 指揮者はロッシーニの手法を真似たふたつの序曲と交響曲は「同じ時期に作曲されたけれど相当違う」と言っていたが、そんなに差は感じなかった。むしろ他の交響曲との違いが気になった。短いけれど早起きした甲斐がある良い演奏会に出会えてラッキー!

2008-05-07 23:33


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

「熱狂の日」音楽祭2008 241/2008年5月3日(土)9:15~10:00 ホールCマイアーホーファー [演奏会]2008-05-04 [演奏会 アーカイブス]

シューベルト:交響曲第7番「未完成」
ベートーヴェン:序曲「レオノーレ」第3番

この後に続く音楽はもう有り得なかったか… 不滅の交響楽を隣国の精鋭たちが精魂込めて

フィルハーモニア台湾
ヨハネス・ヴィルトナー(指揮)

 今年のラ・フォル・ジュルネのテーマはシューベルトとウィーンである。「未完成」と「レオノーレ」第3番という組み合わせは、まさにテーマにぴったりの演奏会である。祝日とはいえ、朝9時15分スタートのコンサートだというのに、しまも雨模様だというのに満員の盛況だった。

 5月3日には、有料公演だけで「未完成」が2公演。展示ホールのグラーベン広場のステージでは、アマチュアの演奏で一部だけとはいえ、同じく3公演があって、聞き比べることも可能であった模様。

 指揮者は新国立劇場にも登場しているヨハネス・ヴィルトナーで暗譜での指揮。指揮者はノリノリなのだが、楽員には朝早くて気の毒なような気もした。「未完成」は精鋭が集まっているという宣伝文句の割には無難な演奏に終始していたように思う。むしろ「レオノーレ」第3番の方が集中力が勝っていたのか、完成度の高い演奏だった。聴衆も3歳以上入場可とはいえ、ちょっと聴き通すことが無理な小さなお子様もいたようで、双方にとって音楽との不幸な出会いになってしまったかも…。

2008-05-04 22:47
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

「熱狂の日」音楽祭2008 126/2008年5月2日(金)22:00~23:40 ホールBショーバー [演奏会]2008-05-04 [演奏会 アーカイブス]

マーラー/シェーンベルク/リーン:大地の歌(室内オーケストラ版)ウィーン世紀末に活躍したマーラーの巨大な声楽作品を、フランスの気鋭オケが編曲版で

イザベル・ドリュエ(メゾ・ソプラノ)
パスカル・ブルジョワ(テノール)
レ・シエルク
フワンソワ=グザヴィエ・ロト(指揮)

 同僚との最後の別れは、ホロホロと名無駄を流し続けた。残された妻子、年老いた母親、突然の死を受け入れねばならなかった彼の無念さを思えば、語るべき言葉がない。

 行きつけのバーへ寄ってからコンサートへ出かける。こんな日こそ、22時30分から始まる演奏会がありがたい。それが「大地の歌」ならば、なおさらである。夜遅く大編成のオーケストラでこの曲を聴くのは辛い。シェーンベルク編曲の室内オークストラ版という珍しいもの。その珍しさゆえに、狙いを定めチケットを買い求め足を運んだのだが、最終曲「告別」をどのような想いで聴くことになるのか、楽しみでもあり、怖くもあった。

 「ショーバー」と名づけられた会場となったホールB7へは、エスカレーターを乗り継いでたどり着く。黒一色の会場で、装飾を削ぎ落としたホテルの大宴会場といった感じ。普段は会議等の催事に使われているらしい。そこに会場全体が音響反射板となるように白い板囲いを張り巡らしていた。舞台上部には上手から下手へ向かって三枚の長方形のパネルが吊り下げられている。左右の白い壁には、毎度お馴染みのラ・フォル・ジュルネのロゴなどが投影されていて、まずまずの雰囲気・

 板囲いの向こうでは、オーケストラが盛んに音を出していた。ステージの間口は広いが、室内楽やピアノ向けの残響が短めの空間のようである。

 楽員が登場。室内オーケストラ版とは聞いていたが、予想外に少ない楽員で驚く。この編成で、どうやってマーラーの「大地の歌」を演奏するのだろうか。

ヴァイオリン×2、ビオラ×1、チェロ×1、コントラバス×1、ホルン×1、ファゴット×1、クラリネット&バセットホルン、オーボエ×2、フルート&ピッコロ×1、アコーディオン×1、ピアノ×1,パーカッション&チェレスタ×2という正に室内楽の最小限の編成で、しかもピアノとアコーディオンとは?オリジナルにはハルモニウムも加わっているらしいが、現行版は1983年にライナー・リーンが補筆完成させたものだという。

 メゾ・ソプラノが上手、テノールが下手にそれぞれ譜面台を前に立って歌う。いずれも有名な歌手ではないが、楽員も含めてなかなかの名手揃いで、音の厚みはないものの確かにマーラーの音楽が流れた。それも音楽の装飾をとことん削ぎ落とし、その骨格を露わにするような演奏で、奏者にも聴衆にも極度の緊張感を強いるような場面に何度も遭遇し、とってもスリリングな演奏で面白すぎる。

 特に最終曲の「告別」は、今まで聴いたどの「大地の歌」よりも本質に迫り、身近に感じられて圧倒的な名演奏であった。何か大きなもの、高貴なものに近づこうとするかのようで、演奏者の情熱が、聴衆をその高みに連れて行ったように思えた。演奏が終わってからの長い静寂は、誠に清らかな瞬間であったと思う。指揮者がスピーチして室内楽版の「冬の旅」の宣伝?をしてお開き。1時間以上の演奏だったにもかかわらず、アッという間に時が流れていったようだった。亡き友を送りし夜に…。

Du,mein Freund, Mir war auf dieser Walt das Gluck nicht hold!

友よ、
現世は我に幸を恵まざりき!

2008-05-04 08:13
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

びわ湖ホール声楽アンサンブル東京公演 びわ湖から春のおくりもの [演奏会]2008-04-01 [演奏会 アーカイブス]

 雨も上がり、紀尾井ホールへ四谷の駅から歩いていくことにした。もちろん満開の桜
を楽しむためである。土手?の上の遊歩道に昇って、かなりの樹齢の桜の巨木を楽しんだ。雨だったせいか意外に人がいなくて、穴場スポットといった具合である。

 滋賀県からの予算が削減される予定という暗い話題ばかりの「びわ湖ホール」だが、先週の神奈川県民ホールでの「ばらの騎士」出演に続いて、びわ湖ホール声楽アンサンブルの初東京公演である。

 結論から言ってしまうと、畑中先生の指揮を持ってしても、発展途上のアンサンブルの力量が一気に向上するはずもなく、すべての楽曲が消化不良といった具合だった。
合唱組曲「水のいのち」など、畑中先生のお誕生日のコンサートでも披露された楽曲だが、まったく感動できなかった。当初予定された伊藤京子さんが腰の具合が悪くて降板され、伴奏者にして朗読者としても卓越した実力を持つ塚田佳男さんの朗読から第1曲の「雨」にすすみ、合唱の最後も「雨」で締めくくるという「水」の永遠の循環を連想させる演出で、感動させてくれるはずだったが、日本語の歌詞が聴き取れないことと、アマチャアの合唱団にも劣る表現力しかないのにはガッカリさせれれた。

 もちろん演奏技術は素晴らしいのだが、音楽がストレートに伝わってこない。アマの合唱団のひたむきさ、人生経験を積んだ大人の声の深さといったものに負けてしまったようである。せっかくの畑中先生の指揮についてこれないとは情けないと思った。それは休憩後の揃いのハッピを着た民謡詩曲集「日本の笛」よりにも言えて、日本語が聴き取れなさの程度はひどい。ソロもけっこうあって、観客を沸かせることもできたであろうに、多くは不発に終わってしまった。

 前半のブラームスの円舞曲「愛の歌」も後半のドヴォルジャークの「ジプシーの旋律」も粗い音楽作りが気になった。先生が超名曲と紹介していた「わが母の教えたまいし歌」も雑に聞こえてしまって、名曲の香りを楽しむまでに至らなかった。

 そして石桁真礼生の「河童譚」は、藤沢で使われた衣裳と同じ神戸市混声合唱団のもの。もっともその時、河童を演じた竹澤嘉明やお花坊の関定子のレベルに、歌唱も演技も遠く及ばなくて、全然面白くない。しかも日本語聞こえない病は相当深刻だと思った。合唱アンサンブルも、藤沢のおじさんやおばさんが喜々として歌い演じていたのとは違い、ここでもアマに負けていたような気がする。

 後半は「あの子この子」で滋賀県の永福寺の副住職がお鈴を鳴らしながら会場を歩いたり、ハッピを着たり、「ジプシーの旋律」では、畑中先生がドラムを演奏しながらの叩き振り?を披露したり、タンバリンやトライアングルなど鳴り物を使ったりしたが、練習不足なのかまとまりに欠けた。先生にも伝染してしまったのか、ドラムのスティックを落としてしまう失敗もあって集中力に欠けた演奏になってしまったのも感動に至らなかった遠因かもしれない。

 アンコールを兼ねた「河童譚」だったので最後に副住職も揃ってご挨拶。でもなんだか洗練さに欠けていて、藤沢のように演出者の目が必要だと思った。演奏時間は15分の休憩を入れて2時間半。タップリだったわりには満足感が足りないのが残念だった。帰りはヤケクソ気味に四谷駅まで道のど真ん中を歩いて帰った。幸いにも車が一台もこなかったけれど、危険なのでマネしないでください。


◆日時:3月31日(月)
◆開演:19:00
◆場所:紀尾井ホール
◆構成・指揮・おはなし:畑中良輔
◆朗読:塚田佳男
◆ピアノ:岡本佐紀子・矢崎真理
◆独唱・合唱:びわ湖ホール声楽アンサンブル

<プログラム>
・「色とりどりの愛のかたち」円舞曲集「愛の歌」
(アンサンブルとピアノの連弾のため)第1集・第2集より
・「いまなぜ<水のいのち>なのか」合唱曲「水のいのち」
   ~休憩~
・「日本の郷愁に浸って」民謡詩曲集「日本の笛」より
・「ボヘミアの草原にも春が来た!」ジプシーの旋律全7曲
・番外「とっておき、日本のデザート」河童譚
(紀尾井町のお堀にもカッパがいた!)

2008-04-01 00:34
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

<東京都民銀行スペシャル>ウィーン・リング・アンサンブル ニューイヤー・コンサート [演奏会]2008-01-10 [演奏会 アーカイブス]

 毎年恒例、元旦に生中継されるウィーンフィルのニューイヤー・コンサート。それにあわせて怪しげな団体が日本各地でウィーンナワルツを奏でるコンサートが開かれる。その中にあって、コンサートマスターのライナー・キュッヒルをはじめ、正真正銘のウィーンフィルのメンバーが来日するのが呼び物のウィーン・リング・アンサンブルの演奏会にでかけた。

 今回もほとんど知らない曲ばかりだったが、天使が贔屓のフルートのヴォルフガング・シュルツ 、クラリネットのペーター・シュミードルがとっても素敵で大満足。彼らにホルンのギュンター・ヘーグナー らおじさん?達がノリノリで演奏するので馴染みのない曲も楽しめた。リラックスした雰囲気の中でもクールにヴァイオリンを奏でるキュッヒルが、なんとなく福田首相に見えてきてしまって困る。メンバー全員がアイコンタクトで音楽を合わせていく様子は、本当に見ていて飽きなかった。

 アンコールは毎度お馴染み、お約束の3曲でめでたくお開きとなった。新年早々、彼らの血の通った美しい音楽にふれることができて、とっても幸福。お手軽な選曲のように思わせて、何度も涙がこぼれそうになるほど美しい響きに包まれて、実は案外深い内容だったことを思い知らされる。チェロ以外は9人が立ったままで演奏するののはいつもの通り。銀行がスポンサーのせいか年齢の高い客層。それでも「ラデツキー行進曲」では、手拍子が起こったが、ちゃんとツボを心得ていてウィーンの楽友協会の聴衆より質が高かったのに感心。ただ手を叩けばいいってものではなかったらしい。

 改装なったサントリーホール、スロープなどバリアフリーになったり、トイレが変わったりと見た目では大きく変化していなかったけれど、ブルーローズと命名された小ホールの入口に「青いバラ」のオブジェ?を発見。クリスマスの装飾を外し忘れたのかと思った。

2008年1月9日(水) サントリーホール 19:00開演

ニコライ : オペラ「ウィンザーの陽気な女房たち」序曲
ヨゼフ・シュトラウス : 天体の音楽
ヘルメスベルガー : 妖精の踊り
J.シュトラウス II : ポルカ・シュネル「浮気心」
J.シュトラウス II : ポルカ「狩り」
***
J.シュトラウス II : オペレッタ「くるまば草」序曲
ツィーラー : ポルカ・シュネル「人生は喜び」
ヨゼフ・シュトラウス : ワルツ「うわごと」

J.シュトラウス I : ジプシーのガロップ
ランナー : マリアのワルツ
レハール : オペレッタ「メリー・ウィドウ」から 唇は黙していても~ワルツ・メドレー
J.シュトラウス I : 狂乱ガロップ 

~アンコール曲~

J.シュトラウスⅡ
:トリッチ・トラッチ・ポルカ op.214

J.シュトラウスⅡ
:ワルツ『美しく青きドナウ』 op.314

J.シュトラウスⅠ
:ラデツキー行進曲 op.228



メンバー
  ライナー・キュッヒル (ヴァイオリン)
  エクハルト・ザイフェルト (ヴァイオリン)
  ハインリヒ・コル (ヴィオラ)
  ゲアハルト・イーベラー (チェロ)
  アイロス・ポッシュ (コントラバス)
  ウォルフガング・シュルツ (フルート)
  ペーター・シュミードル (クラリネット)
  ヨハン・ヒントラー (クラリネット)
  ギュンター・ヘーグナー (ホルン)

●プロフィール

 ウィーンならではの音楽を演奏するために結成され、ウィーンの旧市街を取り巻く見事な環状道路“リング”にちなんで命名されたアンサンブル。コンサートマスターのライナー・キュッヒルを中心に、ヴァイオリン2、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、フルート、ホルン各1、クラリネット2の9人編成で、全員がウィーン・フィルの腕利きのメンバーである。1991年の初来日以来、今回が17回目の来日。プログラムは毎年メンバーが交代で工夫を凝らし、知られざる名曲の紹介にも力を入れている。


00:58
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

LEGEND Concert~渋谷発★オペラ night Vol.6~ [演奏会]2007-11-24 [演奏会 アーカイブス]

 国立音楽大学で声楽を学んだ5人の青年がユニットを組んで活躍しているLEGENDのコンサートへでかける。「ばらの騎士」が終わってから駆けつけてなんとか20時の開演に間に合った。会場はTOKYU HANDSに近い渋谷ビーム7FにあるJ-POPCAFE SHIBUYAというライブスペースである。

http://legend.jp.org/

http://www.j-popcafe.com/

 ワンドリンクと簡単な食事がついて4000円。しかもライブレストランという設定なので演奏中もドリンクのサービスがあったりするので、堅苦しさが微塵もないのがよい。男声4人だとダーク・ダッックスみたいな大学の合唱団あがりのグループになってしまうが、5人組なのでオペラ版ゴスペラーズといった感じだろうか。しかも立派にオペラを歌えるし、ミュージカルナンバーから日本歌曲までレパートリーは驚くほど広い。ピアニスト2名もプラスで、全員音楽が大好きというのがストレートに伝わってくる。イケメンかどうかは微妙だけれど性格の良さはわかる。

 今日の前半は、「こうもり」の乾杯の歌(シャンパンソング)から。みな日本語で歌われたが、その後も今回は日本歌曲特集らしく「落葉松」「宵待草」「くちなし」「大きなのっぽの古時計」「涙そうそう」「見上げてごらん夜の星を」「青春の影」が全員で、あるいはソロで歌われた。オペラ的に歌われる日本歌曲って?と思ったが、意外に日本語が上手く歌えるばかりでなく、ニュアンスに富んでいて驚くほど表現力があって楽しめた。コンサートホールで聴く日本歌曲より、ずっと面白く聞いた。(畑中先生が聴いたら喜ぶかも)全員がソリスト級の実力の持ち主なので、それぞれ自己主張があって個性的である。それ故、アンサンブルに多少の乱れがあったことや、フルボイスで歌いきる感じなので全体を通すと変化が無いかもしれない。それでもライブハウス風の会場で日本歌曲が思いの外、楽しめるのは大発見だった。

 第2部はコント風のコンサートの時間。ホストクラブ「LEGEND」という設定で適当に客いじりをしながら馬鹿馬鹿しいお話を展開していくスタイル。お笑いと歌とが共存している不思議なパフォーマンスだった。男ばかりの芝居というと解散した「カクスコ」みたいだが、そんな肩の力の抜け具合が面白くて心地よい。ここでもミュージカルナンバーや外国歌曲をソロなどを織り交ぜて聞かせてくれた。アンコールもあり、最後の「マイ・ウエイ」までだんだんに盛り上げるステージには一見の価値がある。

 12月23日(日)と24日(月)には同じ会場でクリスマスコンサートがあるらしい。クリスマスにご予定のないかたでオペラや歌曲を気取らずに楽しみたい方にはおすすめである。メジャーデビューは果たしていないが、すでに追っかけ風の方も何人かいて、チャンスさえあれば大きくブレイクするかもしれない。そんな可能性を感じさせるグループである。オペラ好きで音楽に楽しさを求める人には超おすすめです。


2007-11-24 02:29
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

ナタリー・デセイ オペラ・アリア・コンサート 2007年日本公演 [演奏会]2007-11-18 [演奏会 アーカイブス]

 日曜日の午後の公演なので全席満席の盛況だったようである。入場するにもプログラムを買うのにも行列を覚悟しなければならなかったくらい。初日の声の調子が今ひとつだったという噂なので心配していたが、ドキッとさせられるような瞬間はあったものの、まあ危なげなく歌われていったという印象。

 どうした訳か前半と後半の曲目が入れ替わってヴェルディ《シチリア島の夕べの祈り》からスタート。スパンコールがついた水色のドレスに大きなイヤリングをつけて登場。やはり本調子じゃないのか、あまり彼女らしさが感じられないので楽しめなかったし印象に残らないのが残念だった。それでも鳴りやまぬ拍手に応えて再登場すると、そのまま《椿姫》に突入。前奏曲は椅子に座って聴いている形。その間、前奏曲で流れるメロディに細かな反応をするという芝居(演奏の邪魔にならないようにただ座っているだけなのに…もの凄い演技力!)をみせて、それはそれは素晴らしかった。前奏曲からヴィオレッタのアリアに直ぐに繋がるのだが、前奏曲と続けて聴いてみると、なんだかそれだけで哀れなヴィオレタの人生が浮かび上がってくるようでこみ上げてくるものを押さえられなかった。だから幕間もなるべく知った人に会わないように隅っこへ…。ヴィオレッタでこんなに感動するなんて!涙、涙…。でもフランス語みたいなイタリア語だったような気もする。

 後半は《ランメルモールのルチア》から。衣裳も薄い紫色のものにお色直し。やはり圧巻は〈狂乱の場〉なのだが、グラスハーモニカと同じ音色を持つというヴェロフォンがフルートに変わって演奏された。馴染みがないせいかちょっと苦手な音色。ガラスを手でこすって音を出すのって生理的に大嫌い。お得意の曲であるはずなのに、思ったよりも興奮や感動がなくて完全に肩透かしを食らった気分だった。随所にデセイらしさはあったような気がするが、ヴィオレッタほどにはドラマを感じとれなかった。

 アンコールはムゼッタのワルツとマノンのガヴォット。初日は3曲だったらしいが無理はしないほうが演奏者にとっても、観客にとっても良かったのだと思う。それでも観客は興奮して立ち上がって手を振り回す若者とか、花束を捧げようとして係員に制止されてしまう青年とかが出現。終演後のサイン会にも長蛇の列でびっくり。初台の駅に向かう途中で見た巨大なクリスマスツリーのほうが、よほど印象深い演奏会になってしまったような気がするのだが…。

2007年 11月18日(日) 15:00 開演 東京オペラシティ コンサートホール

ヴェルディ:「シチリア島の夕べの祈り」より序曲
ヴェルディ:「シチリア島の夕べの祈り」よりシチリアーナ“友よ、ありがとう”
ヴェルディ:「椿姫」より前奏曲
ヴェルディ:「椿姫」よりヴィオレッタのアリア“不思議だわ…ああ、そは彼の人か…花から花へ”

休憩

ロッシーニ:「セミラーミデ」より序曲 (シンフォニア)
ドニゼッティ:「ランメルモールのルチア」より“あたりは沈黙に閉ざされ”
ドニゼッティ:「ロベルト=デヴェリュー」より序曲(シンフォニア)
ドニゼッティ:「ランメルモールのルチア」より 狂乱の場

アンコール

プッチーニ:「ラ・ボエーム」より “私が街を歩くと”
マスネ:「マノン」より “ガヴォット”


ナタリー・デセイ (ソプラノ)
サーシャ・レッケルト (グラス・ハーモニカ)
エヴェリーノ・ピド (指揮 )
東京フィルハーモニー交響楽団


2007-11-18 22:02
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

ミッシャ・マイスキー60歳記念プロジェクト リサイタル プログラムA [演奏会]2007-10-30 [演奏会 アーカイブス]

 ミッシャ・マイスキーの60歳記念プロジェクトの第1日目はオールロシアプログラムのリサイタル公演である。CDも持っているし本人を間近で見たこともあるのに生演奏を聴くのは今日が初めてだった。台風の接近だからが、あるいは土曜日の夜という時間だったためか客席は6割程度の入りで空席が目立つ。
 ピアノ伴奏は愛娘のリリィ。アンコールで三連の楽譜が途中で閉じてしまうと、間奏の間に楽譜を腕を伸ばしてマイスキーが弓で直してあげたりして微笑ましい光景だが、まだまだ若くて共に音楽を作り上げるという域までにはほど遠いと思った。

 マイスキーの座る椅子は、彼のオリジナルグッズを作成している大阪の会社が提供したらしいもので背もたれがチェロになっているチェロ椅子。http://www.leonore.co.jp/maisky.html
買っちゃおうかなと一瞬迷う。ボーナス出たら本当に買うかも。

 開演前に「本日のコンサートはロストロポ-ビッチに捧げます」とアナウンスがある。2階席の廊下にロストロポ-ビッチが日本で最後に新日本フィルを振ったときの写真を発見していたので涙が出そうになる。Lブロック側の廊下の一番奥にあるが、ロストロポ-ビッチの右手の手のひらがとっても大きいのに驚いた。チェリストは皆あんなに大きいのだろうか?スコアが隠れる程って大きすぎないかな。是非サントリーホールに行く機会があれば見て欲しい。

 やがてエンドピンがやたらに長いチェロを持ってマイスキーが登場。衣裳は三宅一生?第1部がグレーのジャケットに黒のパンツ。第2部が黒のジャケットにグレーのパンツで黒のTシャツと胸元には大きなアクセサリー。とってもおしゃれ?第1部は新しくリリースされたCDからの曲が主だったようで、彼自身による編曲のロシア歌曲。知っていた曲はラフマニノフのヴォカリーズくらい。作曲家が違う全10曲を間隔を置かずに続けて弾いた。なじみのない曲でも渾身の演奏で久しぶりに集中して音楽の中に入り込んだ感じがして大満足だった。

 休憩中に係員に苦情を言っている女性を発見。なんでも演奏中に遅れてきた観客を2階の客席に入れたらしい。音楽に集中していたせいか気がつかなかったけれど、女性客はカンカンになって怒っていた。全部続けて弾かれたのだから、第1部終了までホワイエで待つのが当然だと思うが主催者はコンサートの
運営に不慣れだったのだろうか。普通は遅れてきた客のために、どこかしら間合いをあけるものだが、マイスキーは一気呵成に弾きたかったのであろうどちらも気の毒に思った。

 第二部はショクタコービッチのチェロソナタ。これこそ圧巻、入魂の演奏で感動させられた。なんだか彼のチェロでどこか遠くの世界へ連れて行かれたような感じ。

 アンコールは3曲。新しいCD?に収録されている曲が最後だった。圧倒的な技巧を凝らした曲もあり、どうしたらあんな音がでるのかと不思議でならない曲もあって大満足。最後はスタンディングオベーションで多くの観客と感動を分かち合う喜びを感じられた。ただし、第1曲のアンコールで弱音になった途端に咳きをする客が多数いてぶち壊し。観客のマナーには大いに問題があったのかも。

2007年10月27日(土) 

サントリーホール 19:00開演



ロシア歌曲集
 グリンカ:私はすばらしい一瞬を忘れない
 チャイコフスキー:子守歌 op.16-1、狂おしい夜 op.60-6、夜 op.60-9
 アントン・ルビンシテイン:夜
 リムスキー=コルサコフ:ニンフ op.56-1、薔薇に魅せられた夜うぐいすは op.2-2
 キュイ:焼かれた手紙 op.33-4
 グラズノフ:願い op.60-2
 ラフマニノフ:乙女よ、私のために歌わないで op.4-4、ここはすばらしい場所 op.21-7、ヴォカリーズ op.34-14

-休憩-
ショスタコーヴィチ:チェロ・ソナタニ短調op.40

アンコール ラフマニノフ
:チェロ・ソナタから第3楽章

バルトーク
:ルーマニア民俗舞曲

作者不詳:私があなたに会った時



ヴォカリーズ~ロシアン・ロマンス

アーティスト: チャイコフスキー, ダルゴムィスキー, ムソルグスキー,
ルービンシュタイン, リムスキー=コルサコフ, アレンスキー, キュイ,
グラズノフ, ラフマニノフ, マイスキー(ミッシャ), ギリロフ(パーヴェル)
出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
発売日: 2005/10/19
メディア: CD

2007-10-30 00:01
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽
前の10件 | 次の10件 演奏会 アーカイブス ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。