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びわ湖ホール声楽アンサンブル東京公演 びわ湖から春のおくりもの [演奏会]2008-04-01 [演奏会 アーカイブス]

 雨も上がり、紀尾井ホールへ四谷の駅から歩いていくことにした。もちろん満開の桜
を楽しむためである。土手?の上の遊歩道に昇って、かなりの樹齢の桜の巨木を楽しんだ。雨だったせいか意外に人がいなくて、穴場スポットといった具合である。

 滋賀県からの予算が削減される予定という暗い話題ばかりの「びわ湖ホール」だが、先週の神奈川県民ホールでの「ばらの騎士」出演に続いて、びわ湖ホール声楽アンサンブルの初東京公演である。

 結論から言ってしまうと、畑中先生の指揮を持ってしても、発展途上のアンサンブルの力量が一気に向上するはずもなく、すべての楽曲が消化不良といった具合だった。
合唱組曲「水のいのち」など、畑中先生のお誕生日のコンサートでも披露された楽曲だが、まったく感動できなかった。当初予定された伊藤京子さんが腰の具合が悪くて降板され、伴奏者にして朗読者としても卓越した実力を持つ塚田佳男さんの朗読から第1曲の「雨」にすすみ、合唱の最後も「雨」で締めくくるという「水」の永遠の循環を連想させる演出で、感動させてくれるはずだったが、日本語の歌詞が聴き取れないことと、アマチャアの合唱団にも劣る表現力しかないのにはガッカリさせれれた。

 もちろん演奏技術は素晴らしいのだが、音楽がストレートに伝わってこない。アマの合唱団のひたむきさ、人生経験を積んだ大人の声の深さといったものに負けてしまったようである。せっかくの畑中先生の指揮についてこれないとは情けないと思った。それは休憩後の揃いのハッピを着た民謡詩曲集「日本の笛」よりにも言えて、日本語が聴き取れなさの程度はひどい。ソロもけっこうあって、観客を沸かせることもできたであろうに、多くは不発に終わってしまった。

 前半のブラームスの円舞曲「愛の歌」も後半のドヴォルジャークの「ジプシーの旋律」も粗い音楽作りが気になった。先生が超名曲と紹介していた「わが母の教えたまいし歌」も雑に聞こえてしまって、名曲の香りを楽しむまでに至らなかった。

 そして石桁真礼生の「河童譚」は、藤沢で使われた衣裳と同じ神戸市混声合唱団のもの。もっともその時、河童を演じた竹澤嘉明やお花坊の関定子のレベルに、歌唱も演技も遠く及ばなくて、全然面白くない。しかも日本語聞こえない病は相当深刻だと思った。合唱アンサンブルも、藤沢のおじさんやおばさんが喜々として歌い演じていたのとは違い、ここでもアマに負けていたような気がする。

 後半は「あの子この子」で滋賀県の永福寺の副住職がお鈴を鳴らしながら会場を歩いたり、ハッピを着たり、「ジプシーの旋律」では、畑中先生がドラムを演奏しながらの叩き振り?を披露したり、タンバリンやトライアングルなど鳴り物を使ったりしたが、練習不足なのかまとまりに欠けた。先生にも伝染してしまったのか、ドラムのスティックを落としてしまう失敗もあって集中力に欠けた演奏になってしまったのも感動に至らなかった遠因かもしれない。

 アンコールを兼ねた「河童譚」だったので最後に副住職も揃ってご挨拶。でもなんだか洗練さに欠けていて、藤沢のように演出者の目が必要だと思った。演奏時間は15分の休憩を入れて2時間半。タップリだったわりには満足感が足りないのが残念だった。帰りはヤケクソ気味に四谷駅まで道のど真ん中を歩いて帰った。幸いにも車が一台もこなかったけれど、危険なのでマネしないでください。


◆日時:3月31日(月)
◆開演:19:00
◆場所:紀尾井ホール
◆構成・指揮・おはなし:畑中良輔
◆朗読:塚田佳男
◆ピアノ:岡本佐紀子・矢崎真理
◆独唱・合唱:びわ湖ホール声楽アンサンブル

<プログラム>
・「色とりどりの愛のかたち」円舞曲集「愛の歌」
(アンサンブルとピアノの連弾のため)第1集・第2集より
・「いまなぜ<水のいのち>なのか」合唱曲「水のいのち」
   ~休憩~
・「日本の郷愁に浸って」民謡詩曲集「日本の笛」より
・「ボヘミアの草原にも春が来た!」ジプシーの旋律全7曲
・番外「とっておき、日本のデザート」河童譚
(紀尾井町のお堀にもカッパがいた!)

2008-04-01 00:34
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