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EXILE TRIBE PERFECT YEAR LIVE TOUR TOWER OF WISH 2014 2014年9月27日 東京ドーム2日目 [コンサート]

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■東京・東京ドーム
★9月26日(金)開場15:00/開演17:00 <<追加公演>>
★9月27日(土)開場15:00/開演17:00 <<追加公演>>
★9月28日(日)開場15:00/開演17:00 <<追加公演>>

■大阪・京セラドーム大阪
★10月24日(金)開場15:00/開演17:00 <<再追加公演>>
★10月25日(土)開場15:00/開演17:00 <<追加公演>>
★10月26日(日)開場15:00/開演17:00 <<追加公演>>

【再々追加公演スケジュール】
■東京・東京ドーム
★11月29日(土)開場15:00/開演17:00
★11月30日(日)開場15:00/開演17:00

東京も大阪も追加公演が決まったらしい。まあ、発表時期を遅らせてはいるものの、最初からスケジュールを押さえていたのだろうと思う。職場の嵐ファンには、「いいわね、簡単にライブのチケットが手に入るところは」と嫌味タップリに言われてしまった。何しろ、彼女はファンクラブ歴は長いが、一度もライブのチケットに当選したことがないという人なのである。ファンクラブに入っているのに、何故一度も当たらないかは謎だが、嵐のファンクラブでは珍しくないという。

さて、EXILE TRIBE PERFECT YEAR LIVE TOUR TOWER OF WISH 2014は、直前にもチケットを販売して、即売り切れのイメージのあったEXILEとしては珍しい?現象なのかもしれない最終的には5万1千人も動員しているので成功だと思うのだが、今回のツアーにはATSUSHIが参加していないので、複数回ライブにでかける天使も今回は一度だけと決めた。

まあ今年はEXILE ATSUSHI LIVE TOUR 2014をさいたまスーパーアリーナで3日間通えたし、DVDも予約したし、とりあえず、EXILE TRIBE PERFECT YEAR LIVE TOUR TOWER OF WISH 2014も押さえておくかという気持だったのである。会場の外には、ATSUSHIのソックリさんはいたけれど、彼の出ないEXILEに果たして意味があったかどうか。

http://www.amazon.co.jp/EXILE-ATSUSHI-LIVE-Music-Blu-ray/dp/B00NOEVFHQ/ref=sr_1_5?ie=UTF8&qid=1411915296&sr=8-5&keywords=ATSUSHI

中央にLEDスクリーンを仕込んだ TOWER OF WISH があって、その下が3重の回り舞台&迫りという、かつての新宿コマ劇場のスタイル。その円形舞台を囲むように客席が360度あって、その外側には円形の通路が花道のようになっていている。中央の舞台と、その円形の通路を結ぶ橋が4つ架かっていて、場面によって、その橋に出演者を乗せたまま観客の頭の上を移動するという仕掛け。さらにアリーナ席と1階席の間には、虹色の通路があって、そこを出演者を乗せた電飾のトロッコが移動するというお馴染みの演出。

天使は2階スタンドの正面最前列で、着席指定券となっていて、落下の恐れがあるのでライブ中は足しあがることのできない席だった。さすがに4時間超も立っていられないので助かった。普通の劇場では絶対に許されない、前の手摺に手をかけ前傾姿勢になるのも、後ろの観客が立っているので問題がないという有難い席だった。

EXILE、三代目J Soul Brothers、E-girlsなど総勢94人の豪華アーティストが集結し、41曲を熱唱。マーチングバンドや和太鼓集団などゲストパフォーマーを含め、290人が出演ということだった。もっともEXILE-ATSUSHIにしか興味がないファンであるので、まあ、こんな時でもなければEXILE以外は観ることがないので貴重な機会として楽しめた。

それでも三代目J Soul Brothersへの声援はEXILEであること、E-girlsには、若い女性ファンも大勢いるということは発見だった。それに会場の反応が、特定の出演者に熱狂するということがよくわかって面白かった。何しろお目当ての出演者が出ると、皆ジャンプするからなのか2階席が振動するのである。地震かと思った。

ツアー中なので詳しくは書けないが、「.花火」で舞台中央でソロで踊ったMATSUが最高にカッコいいダンスを見せてくれて感動した。最初は失笑さえ起った客席も彼の魂のこもったダンスに魅了されていくのが手に取るようにわかった。

また、パフォーマーたちが入れ替わりで舞台中央でソロでダンスを披露する演出の場面では、今年新しいメンバーにオーディションで選ばれた世界のダンスがキレキレの素晴しいもので、別のメンバーとは、ちょっと次元が違うように思えた。そして、東京ドームを熱狂させた体育会系関口メンディーの存在感。 大いに笑った。そして「Wedding Bell ~素晴らしきかな人生~」の演出には泣かされた。



9月27日はEXILEのデビューした日ということで、以下の創立時のメンバーからの挨拶がアンコール時にあった。

・松本利夫「13周年目ということでありがとうございます。EXILEは様々な変化をもたらし、今の形になりました。ときには不安や心配をおかけすることもありますが、ファンのみなさんがついてきてくれたということがパワーになっています。これからもみなさんに愛されるアーティストになれるように誠心誠意真心を込めてがんばります」

・EXILE USA「最高の気分です。温かい声援ありがとうございます。記念すべき日をこんな温かいステージで過ごせるというのが嬉しいです。EXILE TRIBEのLove、Dream、Happinessがこの空間に広がっていて…大好きです!これからも新生EXILEを楽しみにしていてください」

・EXILE MAKIDAI「HIROさんにはじまり、EXILE、EXILE TRIBEと続いてきました。こんなに最高の仲間と温かく支えてくれるみなさんがあってのEXILE、EXILE TRIBEだと思っています」


セットリストはこんな感じ

01.VICTORY 2014
02.Someday
03.THE REVOLUTION
04.24karats メドレー(STAY GOLD~TRIBE OF GOLD)
05.Choo Choo TRAIN
06.WON’T BE LONG
07.R.Y.U.S.E.I.
08.S.A.K.U.R.A.
09.Beginning Of The Second Age
10.HEAD BANGIN’
11.HOT SHOT
12.Always with you
13.花火
14.Wedding Bell ~素晴らしきかな人生~
15.Best Friend’s Girl
16.Love Story
17.GLORIA (TAKAHIROソロ)
18.Parformer Anthem
19.RYDEEN ~Dance All Night~ (ダンスのみ)
20.Follow Me
21.ごめんなさいのKissing You
22.PEACE SUNSHINE
23.I SHOULD BE SO LUCKY
24.Organ Donor ~OFF DA HOOK~
25.SURVIVORS
26.Think About
27.BACK TO THE FUTURE
28.THE ANTHEM
29.FIGHTERS
30.BURNING UP
31.LET’S PARTY
32.(YOU SHINE) THE WORLD
33.運命のヒト (TAKAHIROソロ)
34.Dream Catcher
35.君の瞳に恋してる -Can’t Take My Eyes Off You-
36.銀河鉄道999
37.GENERATION

(アンコール)

38.24WORLD
39.CLAP YOUR HANDS
40.Fly Away
41.Keep On Singing


EXILE TRIBE PERFECT YEAR LIVE TOUR TOWER OF WISH 2014 ~THE REVOLUTION~チケットが届く [コンサート]



恒例のEXILE TRIBEのライブ。東京ドームの追加公演が急遽?発売になり何とかチケットを手に入れたものの、チケットが到着したのは公演の1週間前。転売を防止するためだろが、どの席なのかわからずヤキモキしていたが、なんとか無事に到着。座席番号を確認してみれば、なんと2階席の1列目。なんと転落の危険があるため、ずっと座って観なければならない着席指定券なるものが送られてきました。別に希望していなかったのだけれど。まあ、4時間も立ちっ放しは辛いので結果的には良かったのだけれど。

9月27日(土)は13時開演の「火のようにさみしい姉がいて」をシアター・コクーンで観て、NHK交響楽団の定期公演に行くはずだったのだけれど、EXILEを最優先するためにN響のチケットは無駄にすることに。ATUSHIが出演しないので、観ようかどうしようか迷ったのだけれど、結局買うことに。最初から東京ドーム公演を発表してくれていれば、無駄なダブルブッキングはしなかったのだけれど。

といいつつ、毎晩これを聴きながらベッドに横になるのだけれど。EXILEへの愛は消えないのです。


EXILE TRIBE REVOLUTION  (CD+DVD)

EXILE TRIBE REVOLUTION (CD+DVD)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: rhythm zone
  • 発売日: 2014/08/27
  • メディア: CD



岡本知高 Concerto del Sopranista 2014-2015 東京オペラシティコンサートホール [コンサート]

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劇場の天使の名前にふさわしく日曜日毎にに必ず教会の礼拝に出ている。朝起きた時と寝る前のお祈りは欠かさず、朝の30分ほどを聖書を読む時間にあてている。つい最近までギリギリの時間まで寝ていた怠惰な生活が嘘のようであり、また部屋全体がキチンと片付いているのも不思議と言えば不思議。

これまでクリスチャンなど遠い世界のお話だったのに、今では最も身近にある。直接のきっかけは同い年の兄嫁を癌でこの春の喪ったからである。それでなくても幸薄い人生だったのに、何故彼女だけがこんな目にあわなければならなかったのか。心の葛藤がさまざまあって教会の扉を叩いてみたというわけである。

彼女の死の3日前に高原剛一郎氏のお話を聴いたのも大きかった。
http://theater-angel2.blog.so-net.ne.jp/2014-03-11-1
宗教などなるべく避けたいほうだったのに、変われば変わるものである。

さて、そうした訳でなるべく日曜日には観劇の予定を入れないようにしているのだが、2014年9月6日は礼拝の終わった後で、「中村勘九郎・中村七之助 錦秋特別公演」を五反田のゆうぽうとホールに観に行くことにしていた。本当は朝の礼拝だけでなく午後8時からの夕拝にも出ているので、あまり予定をいれていないのだけれど東京では1日だけの公演とあっては見逃せないと思ったからである。

16時30分に開演だったので、夕方までゆっくり過そうと思っていたのだが、前日に聴きに行った「花岡千春 演奏会」の客席にいたピアニストの河原忠之さんの姿を見て思い出した。明日は東京オペラシティコンサートホールでソプラニスタの岡本知高のコンサートがあるはずだ。

礼拝が終わって駆けつければ何とか間に合う開演時間だし、2時間のコンサートとして16時に終わってタクシーに飛び乗れば、五反田のゆうぽうとホールに着けるかもしれない。そう思ったら聴きたくて聴きたくてたまらなくなり、無謀なダブルヘッダーを実行してしまった。

コンサートの方は当日券を買ってなんとか開演ギリギリに入場できたが、コンサートの終演が16時15分だったので、さすがに日曜日で道が空いていたのだが、五反田のゆうぽうとホールの自分の席に滑り込めたのが、16時35分で最初の演目『都風流』は3分の1を見逃してしまうこととなった。


さて東京オペラシティコンサートホールの収容人数は1632席で1階席だけで974席だとか。今回は2階席と3階席は立ち入りができないようになっていて、1階席のみ6,000円の均一料金である。デビューして10年余、東京での動員も減っているのか、その1階席でさえ8割程度の入りだったのが残念。均一料金ではなく、座席のカテゴリーを増やして安い価格のチケットも用意すれば中学生や高校生などの学生も足を運びやすくなるのではないだろうか、少なくとも学割は欲しいところである。スクールコンサートをライフワークとしているなら、必ずしも収益的にはプラスにならないかもしれないが、そうした取り組みがあってもいいはずだ。大人というか熟年の観客が大半で、若い観客が目立たなかったのが残念だった。

前半はネプチューンと名付けられたブルーの衣裳に首から肩にかけて首枷?のような飾りのついたもので照明に当たって首の周囲がキラキラ光るというもの。クラシック曲、オペラ・アリア、歌謡曲?そして今年出演したミュージカルの中から2曲と派手さはなく、絶妙の弱音を駆使した見事な歌唱。本当はクラシック界のマツコデラックスのように色物的な要素で売り出せば、芸能界的には美味しいポジションを手にするだろうけれど、それをしないのは賢明だと思った。

巨体とコンサートホールを揺るがすような高音、そして精緻を極める最弱音の美しさ、そして何より聴き手の心を震えさせる歌心は健在で、反戦を訴えた名曲『一本の鉛筆』は大きな感動をよんだ。その歌声を聴いて、かつて行ったジェシー・ノーマンのコンサートを思い出した。岡本知高以上の巨体で歌われた特に黒人霊歌を聴いた時の感動を思い出したのである。魂からの歌を岡本知高も確かに持っている。いつか黒人霊歌を歌ってくれないだろうか。リクエストはこれ。
'He's Got The Whole World In His Hand'


こちらの衣裳がネプチューンに似ていたからよけいにそう思ったのかも。


さて後半はピアニストの河原忠之さんが一人で出てきて両手を差し出すと両側から専大松戸高校・中学校の合唱団の学生が登場。そして「ふるさと」を歌い途中から岡本知高が加わり、合唱団員の男子と女子がそれぞれ短いながらもソロを歌うというサプライズな演出もあって大いに楽しめた。しかも学校まで岡本自身が出かけていって合唱団員とのディスカッションをしてお互いの理解を深めた上での演奏ということ手間暇のかかった演奏だったろうが、それだけの成果はあったように思う。

その後は、日本の楽曲が2曲続くのだが、その間に河原忠之さんの発声練習。音階を上げていってHi-Cまで出した観客が数名いてびっくり。例によってアンコールのMONGOL800の「あなたに」を練習?
そしてプッチーニのアリアを2曲。「トスカ」は元々女声のアリアだし、「誰も寝てはならぬ」を女性歌手が歌えば違和感があるのだが、男性である岡本知高が歌えば、それはそれで意味のある趣向だと思った。

後半の衣裳は赤をベースにした新作で名前はTwitterで公募するらしい。赤のイメージが歌劇「アイーダ」みたいだったので、「アイーダ」とか「アムネリス」なんかがよいと思ったがどうだろう。

アンコールは白っぽい衣裳にお色直しして、2曲。もちろん最後は「あなたに」なのだけれど、観客全員が立ち上がって歌ったので、スタンディングオベーションみたいな形になってしまった。なんとなく舞台から強制?された風もないではなかったが、彼の表現力と歌心に共感できたので気にならなかった。さすがに歌は粗いところもあるので、本格的にクラシックの演奏を求めるような聴衆には認められないかもしれないが、彼自身の持つ音楽の趣向、あるいは音楽人生に共感できる人ならば息の長い活動ができるのではないだろうか。


そうした岡本知高の音楽世界を支えたピアニストの河原忠之の功績も忘れてはならないだろう。本領はオペラなのだろうが、気持良さそうにミュージカル等にも適応していく姿勢と、彼の容姿に大いに癒される。実は天使の友人に良く似ていて(それを言うと彼は怒るのだが)、あやうく昨日も声をかけそうになったくらいである。

岡本知高 Concerto del Sopranista 2014-2015
2014年9月7日(日) 14:00開演 (16時終演予定 休憩15分)
東京オペラシティ コンサートホール

【出演】
岡本知高(ソプラニスタ)、河原忠之(ピアノ)、音楽案内人
専大松戸高校・中学校合唱部

プログラム

Cantico
A.ボッチェリ/P.グエッリーニ&M.マラヴァージ/編曲:飯田俊明

ある晴れた日に
歌劇「蝶々夫人」より G.プッチーニ

懐かしの抒情歌メドレー

一本の鉛筆
松山善三/佐藤勝/編曲:岡島礼

Nu
SHOW-ism7『ピトレスク』より
D.ポンテス/編曲:前嶋康明

Pittoresque
SHOW-ism7『ピトレスク』より
小林香/中川晃教/編曲:前嶋康明

休憩

ふるさと
小山薫堂/youth case/編曲:榎本潤

永遠の海
湯川れい子/飯田俊明/編曲:飯田俊明

誕生
中島みゆき/編曲:米田直之

歌に生き、恋に生き
歌劇『トスカ』より G.プッチーニ

誰も寝てはならぬ
歌劇『トゥーランドット』より G.プッチーニ

アンコール

アヴェ・マリア
カッチーニだったかな?

あなたに
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花岡千春 ピアノ独奏会 浜離宮朝日ホール 2014年9月6日(土) [コンサート]

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チェレプニン コレクション ピアノ曲集

チェレプニン コレクション ピアノ曲集

  • アーティスト: 花岡千春
  • 出版社/メーカー: ベルウッドレコード
  • 発売日: 2014/09/10
  • メディア: CD




歌舞伎座の昼の部は、吉右衛門ら播磨屋一門を中心とした「秀山祭」。その呼びものは、吉右衛門の「法界坊」で、亡くなった勘三郎でなく、先代の勘三郎が大いに客席をわかせた正統的?な演出のものである。吉右衛門と仁左衛門が共演という大舞台で見逃せないものである。

序幕の第2場で、仁左衛門の道具屋の甚三が法界坊をやりこめて、花道を引っ込むところまでを見届けて、歌舞伎座を後にして朝日新聞社の中にある「浜離宮朝日ホール」へ急いだ。開演まで15分ほどしかないのである。晴海通りを渡り、新橋演舞場の前を通り、朝日新聞社の玄関の階段をのぼって、ロビーを通り抜けて別のビルの上階にあるホールにたどり着いたのは開演5分前だった。終演後は、歌舞伎座に舞い戻って夜の部を観るのだから、なんとも珍妙なスケジュールだが、花岡千春氏の年に1度の演奏会なんで聴き逃すわけにはいかないのである。

なぜなら国立音楽大学の教授として後進の指導にあたるかたわら、一世代前の日本の音楽史的には創成期・発展期にあたる作曲家の作品を掘り起こして演奏したりCDに残したりと注目すべき活躍をしているピアニストである。それと同時代の欧米の作曲家の作品も積極的に取り上げ、最新のCDは「チェレプニン コレクション ピアノ曲集という。

バレエ・リュスで活躍した指揮者を父に持つチェレプニンが収集した日本人の作曲家の1900年から1920年あたりの作品集である。その曲目の多彩なこと。9月10日の発売にさきがけて会場で先行発売されていたCDを早速買求めてみた。

江文也 作曲
「バガテル」

松平頼則作曲
「前奏曲 ニ長調」
「ミュジック・ボックス」

小舩 幸次郎作曲
「日本の子供へ送るピアノ曲」

江文也 作曲
「スケッチ」

太田忠
「交通標識」

箕作秋吉 作曲
「花に因んだ三つのピアノ曲」

伊福部昭 作曲
「ピアノ組曲」

ということで、最新のCDの曲目とは全く関係ない曲目が並んだ演奏会ではあるが、曲目の選択には工夫が凝らされているのは言うまでもない。

ヘンデル、ベートーヴェンから始まり、オペラ『死の都』でも有名なコルンゴルドのブルク劇場が上演するために書かれたシェイクスピアの『空騒ぎ』のための音楽が演奏されたのが注目された。この曲のみは暗譜でなく譜面が置かれた。元は小さなオーケストラ用に書かれた曲だが、ピアノソロの組曲になったものが取り上げられ、ピアノのための組曲から外されてしまった「庭の情景」は、その部分をピアノソロ用に新たに編曲したものを使用するという凝ったプログラムだった。そして最後は、シューマンの「アラベスク」と「フモレスケ」。

初めて聴く曲もあれば、なんとなく聴いたことがあるかもといった程度の聞き手で、なんとも頼りないのだが、ピアノ1台で、あれほど繊細でいて雄弁な音楽を聴いたことはないと思った。そして、演奏者の心がストレートに伝わってくるという希有な体験もした。優しく耳に心地良い音楽が奏でられ、最弱音の響きまで絶妙に表現できるホールの力なのか、この世の響きとも思えないような美しい音楽を聴いたという手応えがあった。

そして最も感動したのはアンコールで弾かれたシューマンの「トロイメライ」。」傷ついた心をそっと癒してくれるような包容力のある演奏で、この半年間に相次いで三人も亡くなってしまった身内のことがしきりに思い出されて泣けて泣けて仕方がなかった。本来は「夢心地」といった意味なのだろうが、ゆっくりと、そして深い想いがこめられた演奏は、聴衆を別次元へ連れ去ったのではないだろうか。終演後の歌舞伎座まで道のりが。それこそ「夢見心地」であったことは言うまでもない。


この半年間、あまりに悲しい出来事の連続で、PCに向かう気が全くおきなかったのだが、今日の演奏にふれ自分と音楽とのかかわりを深く考えさせられて、再びブログを再開とあいなったわけである。会場にピアニストの河原忠之さんがいた。同じ国立音楽大学で教えているので、客席にいても何の不思議もないのだが、明日は東京オペラシティコンサートホールで、ソプラニスタの岡本知高のピアニストを務めるはずである。何だか無性に彼らの音楽が聴きたくない、急遽、当日券を買うことにして聴きに行くことを決意した。


花岡千春 ピアノ独奏会

浜離宮朝日ホール
2014年9月6日(土) 14時開演  15時45分終終演予定

ヘンデル作曲
組曲第5番ホ短調 HWV430

Plelude
Allemande
Courante
Air,Doublel1,2,3,4,5

ベートーヴェン作曲
ピアノ・ソナタ 変ホ長調Op.31-3

第1楽章 Allegro
第2楽章 Scherzo Alegretto vivace
第3楽章 Menuetto Moderate e grazuoso
第4楽章 Presto con fuoco

休憩

コルンゴルド作曲
組曲《空騒ぎ》
1.婚礼の部屋の花嫁
2.ホルツハプウェルとシュレーヴァイン
3.間奏曲:庭の情景
4.ホーンパイプ

シューマン作曲
アラベスク 作品18

シューマン作曲
フモレスケ 作品20

アンコール曲

バッハ作曲/ケンプ編曲
シチリアーナ

松平頼則作曲
プレリュード ドビュッシー:民謡の主題によるスコットランド行進曲

シューマンサッキョク
トロイメライ

ポール・マッカートニー公演中止  あえて辛口 [コンサート]

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2014年5月18日(日) 開演1時間前になって公演中止の案内がWEB上に公開された。

お客様へ

本日 5月18日(日)・明日 5月19日(月) に開催を予定しておりました、
「ポール・マッカートニー アウト・ゼアー ジャパン・ツアー 2014」 国立競技場公演は、
昨日に引き続き、ポール・マッカートニー本人の病状 (ウイルス性炎症) が回復せず、
開催不可能となりました。

ポール・マッカートニーのコンサートを楽しみにされていたお客様には、
多大なるご心配とご迷惑をおかけします事を、深くお詫び申し上げます。

ポール・マッカートニー国立競技場公演に関しての、振替・延期・中止、及びチケットの払い戻し等の
ご案内は詳細が決まり次第、下記のオフィシャルサイト・テレドーム等で発表させて頂きます。
お手元のチケットは、そのまま大切にお持ちくださいますようお願い申し上げます。

なお、5月21日(水) 東京・日本武道館公演、5月24日(土) 大阪・ヤンマースタジアム長居公演は、 開催予定でございます。


・オフィシャルサイト http://outthere-japantour.com/
・テレドーム 0180-99-3335


なお、5月17日(土)公演のチケットをお持ちのお客様を対象に、チケットの払い戻しに関するご案内を致しましたが、5月19日(月)振替公演の見送りを受けて、一旦払い戻しを中止させて頂きます。
チケットの払い戻しに関しましては、今後、振替・延期・中止の詳細が決まり次第、改めてご案内させて頂きますので、お手元のチケットはそのまま大切にお持ち下さい。


お客様皆様のご理解とご協力を何卒宜しくお願いいたします。

また、公演開催の最終判断、及びお客様へのご案内が遅れました事を、深くお詫び申し上げます。

主催者




Tokyo National Stadium shows to be postponed

18th & 19th May

A spokesperson for Paul McCartney said:



Doctors have ordered Paul complete rest and he has been doing all he can to get better. Paul has only ever had to reschedule a handful of shows in his entire career and is so upset about this situation, he hates to let people down. This morning he told his staff he was going to try and perform tonight against doctors orders, but his team, along with the doctors, wouldn’t allow it. He has been very moved by the fans reactions and messages of love and support he has received in Japan.

Paul has instructed his team to look at rescheduling options.


Message from Paul:


Thank you so much for your kind messages of support. I’m so very touched. Unfortunately my condition has not improved overnight. I was really hoping that I’d be feeling better today. I’m so disappointed and sorry to be letting my fans down.

Love,

Paul


東京国立競技場5月18日,19日の公演が中止

ポール・マッカートニー マネージメント広報より:

ポールは最善を尽くし、完治を目指していましたが、医師の判断により絶対安静を命じられました。

長年のキャリアの中でもポールが予定通り公演を行えなかった事は数える程しかなく、この状況に本人も非常に心を痛めています。

皆さんの期待に答えられないのがポールにとって辛い事です。今朝、ポールは今夜の公演を実施しようとツアースタッフに話していましたが、医師の指示とチームの判断で叶いませんでした。彼は日本のファンの皆さんからの暖かい励ましのメッセージに非常に感動しています。

ポールは公演を振り替えて出来るよう強く希望しており、現在その可能性を探っています。



ポールより:

皆さんの暖かい応援のメッセージをありがとう。とても胸を打たれました。残念ながら僕の体調は一晩では回復しませんでした。是非とも今日は元気になると期待していましたが、とても残念に思っています。今日の公演を楽しみにしてくれていたファンの皆さんに申し訳なく思います。

Love,

Paul

2014年5月17日(土)の公演が19日(月)に延期になり、18日(日)の公演がどうなるか注目されたポール・マッカートニーの来日公演だが、18日(日)と19日(月)の公演ともに中止となってしまった。屋外でのライブということもあって、もともと悪天候による中止に備えて19日(月)は予備日として会場を押さえていたようだが、ポール体調の回復が遅れて18日(日)の公演も中止になったことで、代替公演が用意できないからか、あるいはポールの体調がさらに悪化したからか、19日(月)の公演もあえなく中止になってしまった。

残された21日(水)の日本武道館公演と24日(土)の大阪・ヤンマースタジアム長居公演は、開催予定ということだが、ポール自身の健康にただならぬことが起きているのではないかと大いに心配である。一刻も早い回復を祈るばかりである。

さて、18日(日)に発表された主催者のコメントだが、代替公演の可能性を探るとはいうものの、国立競技場は今月で閉鎖されるためスケジュールが空いているはずもなく、プロ野球のシーズン中とあっては10万人を収容できるような巨大な会場が今から押さえられる訳がないのである。しかも28日には韓国公演があるとあっては、今月中の東京開催は不可能なのではないだろうか。ここは無理せずに治療と休養に専念させるべきである。

今日も中止の決定のアナウンスが大変遅く、16時の時点で中止が発表になっていなかったので、不安を抱きながら会場へでかけたのだが、予感は的中して会場へ到着と同時に中止が発表になった。直前まで開催に向けて協議が続けられたのだろが、いかにも遅過ぎたというべきである。ポール・マッカートニーという超大物だけに表立って苦情を言う人はほとんどいないだろうが、主催者の対応は後手後手で残念なものである。

これが、普通のアーチストだったら苦情が主催者に殺到したことだろう。代替公演や払い戻しについても早急に発表するべきである。明日の朝刊あたりが望ましいが、またしてもギリギリのタイミングでWEB上で発表ということになるのだろう。

払い戻しとなってもチケットに表記されている額面だけになって、チケット発行手数料、システム利用料等々の上乗せされている各種手数料は戻ってくるはずもなく、法律的には正しくても利用者としては、なかなか納得しづらい問題である。交通費や宿泊代などは泣き寝入りするしかないが、これまでの例としては、新国立劇場の演劇公演で出演俳優が遅刻し、公演が中止となったことがあり、中止公演に訪れた観客に対し、異例の交通費も負担することを発表した事があった。まさか国立競技場の10万人の観客にそんなことはできないだろうが、早急に誠意ある対応を望みたい。

昨年の来日公演に続いての初の野外ライブとして大いに楽しみにしていただけに落胆も大きい。高齢であるポールの健康管理について周囲にスタッフはどのように配慮していたのか、プロフェッショナルの集団だと思っていただけになかなか納得できないでいる。

とにかくポールの一日も早い回復を祈るばかりである。

EXILE ATSUSHI LIVE TOUR 2014 "Music" さいたまスーパーアリーナ・第3日 [コンサート]

今日がさいたま公演の最終日。

サプライズゲストとしてAIとアンコールの「ALIVE」に映像で参加していたVERBALが来てALIVEの「Oh No Gotta Go」が生で参加できたこと。もっともファンともいえないド素人の天使には、その有難味はあまり理解できなかったのだが、最高に楽しい時間を提供してくれたのは確か。

アンコールで昨日歌わなかった「言葉にならない」が歌われたほかは、グッズの投げ込みのオチがクレヨンしんちゃんだったのは同じ。

DVD収録しているということだったが、昨日アリーナの中空を縦横無尽に動いていた移動式?のカメラは動いていなかった。その代わりステージ両脇のクレーンカメラの活躍が目立っていたようだ。

今日は200レベルの最後方の席だったものの正面のブロックだったので、音響や照明の演出を一番楽しめたと思う。複雑で精緻なプランが組まれていて、さいたまスーパーアリーナの大空間を見事に最高のパフォーマンス空間に仕上げていたと思う。

EXILEのメンバーであるため、どうしてもビートを強調した楽曲が多く、フラッグを振って応援というEXILEのスタイルを踏襲しなければならないが、ATSUSHIが本領を発揮するのは、やはりスローなテンポの曲ではないだろうか。そして多くの観客もそう思っているのではないだろうか。

アリーナ席ではないので、スタンド席ではずっと立ちっぱなしという観客は少ない。その反対に絶対立ち上がらない観客も少なからずいた。ATSUSHIと同じ空間に身を置いて立ち続けることで、ATSUSHIへの想いを表現しているのだろう。座り続ける観客は、お祭り騒ぎではなく、ATSUSHIの歌に集中したかったのだろう。どちらも共感できる。

そして特筆したいのは200レベルの観客席の両脇に車椅子席のスペースが設けられていたこと。しかも前にある数列の客席には客を入れないで、車椅子の観客の視線を遮らないように配慮がされていた事である。ビジネスだけを考えたら売ってしまった方が良いのだろうが、細やかな心遣いに心温まるようで大変後味の良いライブだった。

EXILE ATSUSHI LIVE TOUR 2014 "Music" さいたまスーパーアリーナ・第2日 [コンサート]

昨日に続いてのATSUSHIのLIVE。

開演時間が1時間繰り上がったけれど、やはり20分程遅れての開演。昨日の違いはアンコールで「言葉にならない」が歌われなかった事。キャプテンとのjam sessionでAll of MeとFly Me to the Moonの2曲が歌われた事ぐらいだろうか。アッという間の3時間。今日のグッズ投げ込みのオチは、昨日のふなっしーに変わってクレヨンしんちゃんだった事。アンコール前の休憩時間?にウェーヴが散発的に起こった事だろうか。

映像を含めて、十字架が象徴的な演出に使われて、ちょっと荘厳なイメージがある事に気がついた。ATSUSHIの歌は、神様が与えてくれたものなので、神様を賛美しても全くおかしくないのだが。観客全員でフラッグを振るのも、盆踊り大会みたいで心が高揚するし悪くない。

残念だったのは、アンコール中に帰る観客が多かった事。200レベルの通路側の席なので、せっかくの美空ひばりの名曲が台無しに。途中で帰るならアンコール前の休憩時間にして欲しかった。

EXILE ATSUSHI LIVE TOUR 2014 "Music" さいたまスーパーアリーナ・初日 [コンサート]

当たればいいいなで申し込んだチケットが3日間とも当たってしまい、さいたまスーパーアリーナで開かれる『EXILE ATSUSHI LIVE TOUR 2014 "Music"』に全日程参加することに。職場の熱烈EXILEファンたちは仕事を休んで駆けつけたみたいだが、さすがに週末にそれはできなくて、いつもより3時間も早く出勤して、猛烈な勢いで仕事をこなし、会場へは開演ぎりぎりに滑り込んだ感じ。もっとも19時開演が19時20分頃のスタートだったので助かった。

さいたまスーパーアリーナには3万5千人の観客が集まったとか。首都圏ではさいたまだけの公演なので当然ながら満席。ATSUSHIクラスが都内でライブができる手頃な広さのアリーナ会場がなかなか空いていなそうなので仕方がない。今日、突然に発表になったポールマッカートニーはあの伝説の日本武道館で急遽追加公演をすることになったらしいいけれど、平日15時開演でアリーナ席10万、最低ランクでも4万円だとか。普通の勤め人は絶対に行けない時間帯と価格?ATSUSHIが自宅のリビングルームで歌ってくれるなら10万でも安いとは思うけれど。MCでさいたまスーパーアリーナをリビングルームだと思ってと言っていたので。

会場へ入場時には荷物検査もなく、全般的にゆるい警備の印象。フラッグとマフラータオルを買求めて客席へ。スタジアムモードでの使用とかで客席数が最大限になるタイプ。ステージはTの字型で先端に迫が仕込まれていてピアノや階段が現れる仕掛け。結構大掛りなのだが黒一色でシンプル。シャンデリアみたいな照明器具?がぶら下がっていてサントリーホールを思い出した。ステージの後ろにも観客席があるので、さいたまスーパーアリーナは巨大なサントリーホールみたいだった。サントリーホールのステージ裏にあるP席にあたる部分の観客席は後ろから見る形式だが、視界を遮るものがあまりないし、ATSUSHIが何回も客席の側まで行くのでお得な席だったかも。 

さすがに後方にある席からは遠くて、ATSUSHIの表情などは見えない。ステージの上にLEDスクリーンがあるのだけれど、東京ドーム公演の巨大なスクリーンを見慣れている観客には小さすぎたかもしれない。冒頭にATSUSHIのメッセージや開幕は外国人の男の子が出てきてストーリーが展開する映像が映し出されたりするが、もっぱらライブ映像が流れる。この3日間は映像収録がされるようだった。

ダンス、歌、MCなどで観客を楽しませる嬉しいライブだった。曲目も懐かしいものあり、笑えるものあり、一緒に踊れるものあり。しかし、ATSUSHIのヴォーカルの最大の魅力はバラードにあって、彼の歌声が心にしみてくる楽曲が難曲もあって周囲には涙ぐむ人も多かった。

そして彼を支える音楽の多彩さ。大変贅沢な陣容で、ギター、ベース、ドラムス、パーカッション、キーボード2名、金管、弦楽、コーラス、さらに少数精鋭?のダンサーと、このところシンプルな編成のライブばかりに出かけていたせいか、音楽の厚みに圧倒された。しかもかなり上手い。どうせEXAILEなんて思っている人は大いに認識を改めてもらいたい。

照明も見事に音楽にあっていてATSUSHIを最高に格好よくみせてくれて満足。34歳になったとかで、アイドル路線?ではなくエンターティナーへと脱皮しようとしているのか、今年のEXILEのツアーには参加しないようだが、はっきり言ってしまうとATSUSHIのいないEXILEにがあまり魅力を感じない。彼の存在がいかに大きいか、あらためて認識させてくれたライブだった。

19時20分ぐらいに開演し、22時13分頃に終演。さすがに遅いので帰宅したのは日付が変わってから。帰りの駅があまり混んでいなかったのと規制退場にならない席だったので助かった。



【セットリストはたぶんこんな感じ】

01.MAKE A MIRACLE
02.Colorful Love
03.Change My Mind
04.Real valentine
05.懺悔
06.砂時計
07.Eternal
08.最後の雨
09.メドレー COLOR2曲
10.響~Yell
11.LA LA ~孤独な夜に~
12.道しるべ
13.MELROSE ~愛さない約束~
14.青い龍
15.Ooo Baby
16.Another World
17.メドレー
- Rising Sun
- All Night Long
- I Wish For You
- 24 STAY GOLD
- 24 TRIBE OF GOLD
18.Angel Heart(新曲)

(アンコール)
19.ALIVE
20.メドレー 語り弾き
- ドラえもん
- 言葉にできない
- End Of The Road
- Let It Be
- Imagine
21.愛燦々
22.Choo Choo Train


ザ・ローリングストーンズ来日公演3日目(最終日) 東京ドーム 2014年3月6日 [コンサート]



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天使とローリングストーンズとの出会いは約40年前の高校1年生の時にさかのぼる。有名ミュージシャンになった高校の先輩は、天使の高校のある街を「日本のリバプール」と呼んだらしい。もちろんビートルズを意識してのことだろうが、港のある工場地帯ではあっても音楽はそんなに盛んではなかったように思う。単なる田舎街。

当時はフォークソングが全盛で、女の子にもてたい男子は皆ギターを弾いていた。6月の第一日曜に行われた文化祭に講堂ではフォークソングのコンサートが人気を集めていた。その一方、ロックに魅せられた先輩達のバンドは、狭い教室でロックをガンガン演奏し、アッという間に近隣から苦情が来て1曲目で演奏中止に追い込まれた。その時演奏されていたのが、「Satisfaction」である。ボーカルとギターとドラムが非力で、何故かベースだけが上手くてリズムを刻んでいた。それが人生初のローリングストーンズだった。

今日のアンコール最後の曲は同じく「Satisfaction」。一緒に歌い、拳を振り上げ、ジャンプし続けた。あと1分でも終わるのが遅かったら天使は気絶していたかもしれない。もう最後の1曲だけでクタクタになった。それなのに舞台上の昔の不良爺さん達は疲れも見せないで2時間演奏し続けて観客を熱狂させてくれた。

東京ドームは見切れる参加席も含めて超満員。当日券も売り切れだったようである。例によってグッズ売り場は大混雑で買うのをあきらめなければならなかったほど。天使の席はアリーナ席の最後方のFブロックながら、センターだったのえステージ上のスクリーンを真正面から見ることができた。舞台の奥には半円型の巨大スクリーン。左右にサブ・スクリーンがあるのだがLEDスクリーン?のハイビジョンなのか驚くほど画像が鮮明で、最前列で舞台を見上げているような錯覚に何度も陥った。

ファン投票による選曲で選ばれたのは「Respectable」でサプライズゲストとして布袋寅泰が登場した。何故に彼?どうして?ちょっと微妙かもという思いは以下の記事で消えた。素晴しいじゃないか。

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登場に至った顛末を本人の公式ブログから


THE ROLLING STONESからの招待状 もしもある日、君のメールボックスにローリングストーンズから 「俺たちのステージで一緒にプレイしないか?」 (The Rolling Stones have asked if you are in Tokyo and if you would want to come on stage and play a song with them one night? ) という招待状が届いたら、君はなんと言う? そう、僕も君と同じ言葉を呟いた。 「嘘だろ...?」 しかしそれは嘘でも間違いでもなく、現実だった。 もしも君がギタリストなら、ローリンストーンズという伝説のモンスターバンドに呼ばれてギターを弾くことを想像してどう思う? 振り向けばチャーリー・ワッツがクールなビートを刻み、 右を向けばロニー・ウッドが、左を向けばキース・リチャーズがカミソリのようなギターをかき鳴らし、 そして目の前には髪を振り乱して踊りながらシャウトするミック・ジャガーがいる。 きっと想像しただけで鳥肌が立ち、天国にいるような気分になるはずだ。 僕も君と同じだ。 恐怖と恍惚の狭間で全身が痺れ、鳥肌が止まらなくなる。 2012年。 ロンドンに移り住み、初めて観たコンサートはストーンズの50周年アニバーサリーライブだった。 ロンドンで観るストーンズは英国の誇りと象徴そのもので、世界一のロックバンドであると共に高貴なジェントルマン達だった。 初日はジェフ・ベックが、2日目はエリック・クラプトンがスペシャルゲストとしてステージに登場しそれぞれの音色とフレーズを披露した。 まるでロックンロールという燃え盛る炎を暖炉に囲み、神々達が昔話に花を咲かせているような、美しい光景だった。 僕はコンサートグッズの長い列に並び、Tシャツとステッカーを買った。 翌日、ミニクーパーのトランクにステッカーを貼った。 2013年、夏。 僕と娘はハイドパークでデートをした。それは44年振りのストーンズのハイドパーク・コンサートだった。 Start me up!から軽快にスタートしたコンサート。太陽の下のロックンロールは最高だった。 ビートを抱いて踊り叫ぶ観衆を離れて、僕らは会場後方に設置された大きな観覧者に乗ることにした。 僕ら以外に乗車客はなく、係のお兄さんが気を利かせて僕らのゴンドラをてっぺんで停めてくれた。 うねるような何万もの観衆を見下ろして心地よい風を浴びながら、僕らは肩を組んでMiss Youのフレーズを口ずさんだ。 娘が「パパ、ストーンズのポスター買って」と言った。 その一言がなんだかとっても、無性に嬉しかった。その日の夕焼けと共に一生忘れないだろう。 僕はロンドンで文字通り一からのスタートを送っている。 KILL BILLのテーマ曲を知っていても僕の名前を知る人はほとんどいない。 人に会いに行き熱い想いを語り伝え、少しでも僕の存在に興味を持ってもらうしかない。 移住後、僕はロンドンで2度のコンサートを開いた。 2012年のライブは僕の音に対する気持ちの曖昧さが如実に出て、案の定あちこちのメディアから酷評を受けた。 しかし昨年11月に行ったライブは映像とのコンセプチュアルなアプローチが功を奏し、現地の音楽ファンやメディアからも絶賛された。 あの夜、ストーンズの関係者が客席にいたと聞いていたので 今回のストーンズからのオファーはあの一夜のライブの成功から繋がったものだと思う。 穏やかな小春日和の朝、僕はいつものようにステッカーを貼ったミニクーパーを運転しスタジオに向かい、曲作りをしていた。 ワールドワイドでのリリースがなかなか決まらぬ中、もがくような気持ちでギターを弾いていた最中に、関係者からのそのメールは届いた。 「誰にも内密に」とのストーンズからの言葉を守り、叫びたいような気持ちを抑えていたが家族には伝えた。 美樹さんは「あなたの奥さんであることは、本当にジェットコースターに乗っているようなものだわ!」と喜んでくれた。 娘に「パパはもの凄いバンドに招待されてギターを弾きに行くことになった」と言うと「誰?」。 「あのローリングストーンズだよ!」 「Oh my god...」 と目を丸くした後「私にもサインをもらってきてね」と微笑んだ。 そこからはまるで早回しのドキュメンタリー映画のようだった。 急いで航空券を手配し、グローブトロッターにあの時買ったベロマークのTシャツを何枚か入れ、 お気に入りのグリッター・ゴールドのテレキャスターを担いでヒースロー空港のヴァージン・アトランティックの窓口に走りこむ。 機内では興奮して一睡も出来なかった。じっとしていられず踊りだしたい気分だった。 そして僕はローリング・ストーンズに会うために、東京に帰ってきた。 「嘘だろ?」 と多くの方々が今も半信半疑でこの文を読んでいると思う。 なんでHOTEIがストーンズに?と思われても仕方ない。僕だってまだ信じられないのだから。 しかし皆さん、どうぞご寛容に「これもロックンロールのマジックなのだ」と 僕の『嘘のような幸運を』受け入れてやってほしい。 憧れのDavid Bowieや Roxy Musicに続いて、ローリング・ストーンズとの共演までも叶うなんて。 僕は世界一幸運なギタリストだ。 ありがとう。ロックの神様。 ありがとう。The Rolling Stones。 ギターと出会えてよかった。 Life is "WOW!!"

キース・リチャーズの格好よさとギターの上手さに唸りました。凄かったです。ミック・ジャガーはもう化け物というしかないほどパワフル。2時間全力疾走し続けるほどの体力を消耗するのではないだろうか。全く疲れを感じさせない。凄すぎる。ロニー・ウッド、チャーリー・ワッツも素晴しかった。そして特別参加?のミック・テイラーも超絶技巧なギターを披露してくれて満足です。

通路側の席だったので、一緒に歌って拳を振り上げ、飛んだり跳ねたり、身体をくねらせたりやりたい放題。楽しかった。ぐっときた。仕事のストレスが一気に吹き飛んだ感じ。終演後は例によって整列退場。退場するまでに15分ほどかかってしまったが、余韻に浸れて幸せな夜でした。


日本公演3日目(最終日)のセットリスト:2014年3月6日 19:00~21:04

1.Jumpin'Jack Flash
2.You Got Me Rocking
3.It's Only Rock'N'Roll (But I Like It)
4.Tumbling Dice/ダイスをころがせ
5.Ruby Tuesday
6.Doom And Gloom
7.Respectable (ファン投票による選曲:with special guest Hotai)
8.Honky Tonk Women
9.Slipping Away (with Keith on lead vocals, featuring Mick Taylor on guitar)
10.Before They Make Run (with Keith on lead vocals)
11.Midnight Rambler (with Mick Taylor on guitar)
12.Miss You
13.Paint It Black/黒くぬれ!
14.Gimme Shelter
15.Start Me Up
16.Sympathy For The Devil/悪魔を憐れむ歌
17.Brown Sugar

アンコール
1.You Can't Always Get What You Want (with the Senzoku Freshman Singers)
2.(I Can't Get No) Satisfaction

エリック・クラプトン  日本武道館 黒澤楽器店 MARTIN GUITAR Presents ERIC CLAPTON JAPAN TOUR 2014 [コンサート]

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国立劇場の文楽の第2部が終わってから、急いで半蔵門線に乗って一駅の「九段下」に向かった。今日はERIC CLAPTON JAPAN TOUR 2014の初日なのである。九段下の駅を出てからお堀の橋を渡ったところにある田安門が工事中で囲いがしてあり、非常に狭くなっていた。終演後にここに一万人近い人が集中したら大混乱になると恐れたが、主催者は各座席に竹橋までの道順を書いたチラシを置いていた。九段下の駅まで45分はかかるかもと書かれていては徒歩8分の竹橋駅まであるくしかないだろう。

主催者は終演後は整列退場の案内をアナウンスしていたが、ほぼアリーナ席が対象だったようで1階席と2階席の観客は直ぐに出口に向かっていたように思う。竹橋駅方面は一本道で、国立近代美術館の脇を通ることになるが、混雑することもなく、コンサートの余韻に浸るには格好の散歩コースになっていたと思う。

天使は残念ながら ERIC CLAPTONと熱心なファンではない。ファンですらないと思う。本当に知っている曲といえば「 LAYLA」や「TEARS IN HEAVEN」といった有名曲しか知らない。それでも出かけてみようと思ったのは、彼が今年69歳になり最後の来日になるかもしれないこと。高校生の時に見たロックオペラ映画『トミー』に彼が出演していたこと。そのサウンドトラックのLPレコードを聴いて、ERIC CLAPTONの出演している部分を何度も何度も聴いた記憶があったからである。

さて武道館に集まった聴衆は、若い世代もいたけれど、その多くは70年代に青春を過した人たちのように思えた。天使と同年代、あるいは少し上の世代のようである。だからライブに参加してノリノリで踊りまくるといった感じではなく、音楽を愉しむという大人の雰囲気が会場全体に漂っていたように思う。それ故、最後の1曲までスタンディングはなく、じっと音楽、すなわちERIC CLAPTONのギター演奏に集中していたように思う。

ステージは黒一色で飾り気のないもの。天井にはX型に小型のLEDスクリーン?が並べられ、音楽に合わせて映像が流れる仕掛けだが、東京ドームでのライブのように大仕掛けではなく、ごくささやかなもの。舞台上部の左右にはスクリーンも置かれていたが巨大なものではなく、華やかさを極力排したものとなっていた。

中央にはカーペットが敷かれていて、そこでERIC CLAPTONがギターを演奏し歌っていたので、さしずめ音楽の魔法の絨毯といったところだろうか。下手にはボーカルも担当したキーボードのポール・キャラック 。その後ろに黒人の女声コーラスが2名。中央にドラムスのスティーヴ・ガッド。中央のERIC CLAPTONのお隣にはベースのネイザン・イースト。さらにキーボードのクリス・ステイントンが並んでいた。19時の開演予定ということだったが、実際に暗転になって開演したのは19時15分頃。終演が20時55分頃だったので正味1時間40分ほどのステージだった。

ERIC CLAPTONの衣裳はジーンズに同系色のシャツを着て、ベストを羽織るといった飾り気のないものでめがねをかけた短髪の姿は、ロックスターというよりもギターがめちゃくちゃ上手いお爺ちゃんに見事に変身していた。今更天使が言うまでもないことだが、ギターの上手さ、表現力、技術、そして音楽を愛する心が伝わってきて感動させられた。

そしてその音楽を受け止める聴衆も素敵だった。若いアーティストの公演のように参加型のライブを志向しようとする人もいなくはなかったが、多くの聴衆は、一緒に年齢を重ねてきたファンとして、彼の最後?の来日公演になるかもしれない公演を心から愉しむのだという熱い想いが伝わってきて、時々音楽に合わせて手拍子が起るくらいで、演奏中は非常に静かな客席だったと思う。

さまざまな音楽が演奏され、ERIC CLAPTONの多彩な音楽に触れることができた。アンコールは1曲だけ、しかもボーカルはポール・キャラックに任せて、自分はギター演奏に徹するという態度が潔く、本当にアンコールはこれだけ魂をこめましたといった感じでコンサートを締めくくったのが実に清々しく、感動がいつまでも消えないものになったのは幸いだった。

2014年2月18日(火) 日本武道館

1.TELL THE TRUTH
2.KEY TO THE HIGHWAY
3.PRETENDING
4.HOOCHIE COOCHIE MAN
5.HONEST MAN
6.WONDERFUL TONIGHT
7.AFTER MIDNIGHT
8.DRIFTIN' BLUES
9.NOBODY KNOWS YOU WHEN YOU'RE DOWN AND OUT
10.ALABAMA WOMEN BLUES
11.LAYLA
12.TEARS IN HEAVEN
13.HOW LONG
14.BEFORE YOU ACCUSE ME
15.CROSS ROAD BLUES
16.LITTLE QUEEN OF SPADES
17.COCAINE
〜 ENCORES 〜
18.HIGH TIME WE WENT


•エリック・クラプトン (G, Vo)
•ネイザン・イースト (B, Vo)
•スティーヴ・ガッド (Dr)
•ポール・キャラック (Key, Vo)
•クリス・ステイントン (Key)
•ミッシェル・ジョン (Chor)
•シャロン・ホワイト (Chor)

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