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ANNIE/アニー [映画]

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ミュージカル『アニー』の初演は1978年8月5日~21日の東宝による日生劇場公演だった。大富豪ウォーバックス氏を若山富三郎が、主役のアニーは現在のような子役をオーディションするスタイルではなくて、身長が低かった宝塚の愛田まちが演じた。その時、ハニガンは平井道子、ルースターは真島茂樹が演じていた。

オリジナルミュージカルも映画化されたものも1930年代の大恐慌の時代を舞台にしていたのだが、今回の主役は、黒人のジェイミー・フォックスが演じるスタックス。 ニューヨークの市長選に出馬している携帯電話会社のCEOという設定。アニーも黒人で孤児院ではなく、里子として歌手崩れのハニガンに他の子供たちとともに育てられている。

交通事故に遭いそうになってアニーを救って、選挙戦のイメージアップのために子供嫌いで潔癖症なスタックスとアニーが暮らすようになり、実の親を探すアニーに偽者の両親が現れてという物語は、原作を上手く現代にアレンジしていた。しかも冒頭では、オリジナルへの敬意も忘れないエピソードが盛り込まれていて、最後まで楽しく、時にホロリとさせてくれてミュージカル映画の王道を行く作品となっていた。

音楽は現代風にリズムを強調するもので、画面に広がるニューヨークの街の躍動を良く伝えていた。また、登場人物の歌も、劇場での歌唱と違ってナチュラルな発声を重視していて心地良く耳に入ってきて、これも上出来だった。街、あるいは室内を上手く使った振付も、ニューヨーク発らしい才気に溢れたものとなっていた。

映画は、常に前向き生きようとするアニー。しかし、その心象風景は車やショーウインドウに映る家族連れを見つめる眼差しが悲しげだったことからも解るように、けっして明日を信じていきる純粋さだけではなく、孤独感が色濃くにじむものだった。

対するスタックも家族を持たない仕事一筋の孤独な人間としtげ描かれていて、孤独と孤独が出会い共鳴することによって、二人とも大きく成長するという物語となっていて感動的だった。人生に大切なものは、仕事でも、金でも、名誉欲でもなく、家族愛だと歌い上げて終わる。ニューヨークの映画館でのプレミエやグッゲンハイム美術館でのガラディナーなど、そしてスタックの豪華なペントハウス、ヘリコプターからの空撮など、ニューヨークへ行きたくなる仕掛けも満載だった。

解説

1982年にも映画化された名作ブロードウェイ・ミュージカル「アニー」を、「ハッシュパピー バスタブ島の少女」で史上最年少のアカデミー主演女優賞候補となったクワベンジャネ・ウォレス主演で新たに映画化。ニューヨーク、マンハッタン。1歳になる前に両親に捨てられ、横暴なハニガンが営む施設に引き取られた少女アニー。10歳になった現在も両親が迎えに来てくれると信じている彼女は、かつて自分が置き去りにされたレストランに通い続けていた。そんなある日、アニーは事故にあいそうになったところを市長候補の男スタックスに助けられる。アニーの存在が選挙戦に有利になると考えたスタックスは、彼女を引き取って一緒に暮らしはじめるが……。「ステイ・フレンズ」のウィル・グラック監督がメガホンをとり、製作を担当したウィル・スミスとジェイ・Zが「TOMORROW」などおなじみの名曲を新たにプロデュース。共演には「Ray レイ」のオスカー俳優ジェイミー・フォックス、ミュージカル初挑戦のキャメロン・ディアスら豪華キャストがそろう。

スタッフ
監督ウィル・グラック
原作トーマス・ミーハン
脚本ウィル・グラック
アライン・ブロッシュ・マッケンナ
撮影マイケル・グレイディ
美術マーシャ・ハインズ
衣装レネー・アーリック・カルファス
編集ティア・ノーラン
音楽チャールズ・ストラウス
作詞マーティン・チャーニン
音楽監修マット・サリバン

キャスト
ジェイミー・フォックス スタックス
クワベンジャネ・ウォレス アニー
ローズ・バーン グレース
キャメロン・ディアス ハニガン
ボビー・カナベイル ガイ
アドウェール・アキノエ=アグバエ
デビッド・ザヤス

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サン・オブ・ゴッド [映画]



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イエスの十二使徒のひとりであるヨハネを語り手に進行する物語。同じキリストの受難を描いたメル・ギブソン監督の『パッション』に比べると、旧約聖書の創世記から始まって、キリストの誕生から十字架処刑、復活から昇天までを扱い、残酷な表現はそれほどなく、感動的な物語に仕上がっていた。

新約聖書に書かれている有名なエピソードが次々に登場。手際のよい省略もあって、聖書を読んだことのある人なら、脳内で様々に補完できるけれど、あまり馴染みのない観客には、それらの事象が意味することまでは残念ながら知ることが出来ないと思う。

キリストの奇跡や行動が次々に描かれるが、「たとえ話」の類は時間の関係かほとんど登場しないので、単なるエピソードの羅列に終わってしまって、キリスト教に親しみのない人に、死んだら素晴しい世界が待っているという「福音」を伝えることができたかどうかは疑問だった。観客はキリスト教について、最低限の知識はあることを前提にしているのだから仕方がないが。

最も感動した場面は、徴税人のマタイがイエス様に招かれて使途となる場面。罪深いマタイが神様に導かれるところは、自分が神様に導かれたことを重ねあわせてみた。聖書のルカ福音書の以下の部分が今年の天使の祈りのテーマでもあるからだ。

自分は正しい人間だとうぬぼれて、他人を見下している人々に対しても、イエスは次のたとえを話された。

「二人の人が祈るために神殿に上った。一人はファリサイ派の人で、もう一人は徴税人だった。ファリサイ派の人は立って、心の中でこのように祈った。
『神様、私はほかの人たちのように、奪い取る者、不正な者、姦通を犯す者でなく、また、この徴税人のような者でもないことを感謝します。私は週に二度断食し、全収入の十分の一を献げています。』
 ところが、徴税人は遠くに立って、目を天に上げようともせず、胸を打ちながら言った。
『神様、罪人(つみびと)の私を憐(あわ)れんでください。』
 言っておくが、義とされて家に帰ったのは、この人であって、あのファリサイ派の人ではない。だれでも高ぶる者は低くされ、へりくだるものは高められる。」


解説

聖書を題材にした全10話のミニシリーズとして2013年に米ヒストリー・チャンネルで放送され、全米で反響を呼んだドラマ「ザ・バイブル」を映画化。「イスラエルの王」と預言されたことから、生まれながらにして暗殺の標的にされたイエス・キリストが、いかにして時の権力者から危険人物とみなされ、十字架にかけられなければならなかったのか、その隠された物語を、最後の晩餐や十字架の試練、奇跡の復活といった誰もが知るエピソードとともに描く。主演は「ザ・バイブル」でもイエス・キリストに扮し、その端正なルックスで注目を集めたポルトガル出身のディエゴ・モルガド。

スタッフ
監督クリストファー・スペンサー
脚本クリストファー・スペンサー
コリン・スウォッシュ
撮影ロブ・ゴールディ
編集ロバート・ホール
音楽ローン・バルフェ
ハンス・ジマー
キャスト
ディオゴ・モルガド イエス・キリスト
ローマ・ダウニー 聖母マリア
グレッグ・ヒックス ピラト
エイドリアン・シラー カイアファ
アンバー・ローズ・レバ マグダラのマリア
ダーウィン・ショウ ペトロ
セバスチャン・ナップ ヨハネ
ルイーズ・デラメール




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ジャッジ 裁かれる判事 [映画]

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新国立劇場で『さまよえるオランダ人』を観た後友人のCypressさんからおすすめいただいた『ジャッジ 裁かれる判事』を新宿ピカデリーで観ることに。オペラの終わった後、念のためWEBで空席状況を確認するとあと10席足らずという大盛況。シネマ10という115席の小劇場で土曜日の18時55分の開映だからだと思うが、松竹歌舞伎会の割引で観ようとしていたので、あわてて新宿ピカデリーに駆けつける。上映開始まで1時間以上あるというのに空席は数えるほど。なんとかチケットを買うことができた。

さて、この映画は、大都会で成功した敏腕弁護士と故郷の田舎街で判事をしている父親の確執と和解の物語である。ほとんど田舎に寄り付かないで父親とは絶縁状態。母親の死によって実家に帰りったとき、葬儀の終わった雨の夜、父親がかつて裁いたことのある犯罪者を車でひき殺してしまう。

強引な手法と強気な弁護で、有罪を無罪にしてしまうような息子は、父親のために弁護を引き受けるのだが、意外な事実が隠されていて、二人が和解できるかどうか、父親が無罪になるかどうか。父子の親子のドラマ、法廷のドラマがほどよくミックスされていた心を激しく揺さぶられる映画だった。

もちろん結末は書けないので、自分と父親の関係に置き換えてみると驚くほど似ていると思った。天使の父親は、ずっと暴力的だったが、認知症を患い今は介護施設で暮らしている。施設に入るまでは、排泄物を撒き散らすなど映画の父親と同じような場面があった。同居している天使の母親に暴力を振るい続けるなど、年老いてもその性格はかわらないのだと思った。

父親に対して、そんな複雑な想いを抱いているだけに、映画の中でしめされた父親の和解の証言に大いに泣かされた。それがあるからこそ、最後に迎える静かな瞬間があっても、何か心温まるものがあったのだった。ロバート・デュバルの父親の演技に反感を持ったり、同情したり、様々な感情を抱いて観た。浴室の場面の表情が最高だった。

解説

「アイアンマン」「アベンジャーズ」で記録的ヒットを飛ばすロバート・ダウニー・Jr.と、「ゴッドファーザー」「地獄の黙示録」といった伝説的作品で名演を披露してきたロバート・デュバルが父子役で共演を果たした法廷サスペンスドラマ。有能な弁護士だが真偽よりも勝利にこだわり、金持ちを強引に無罪することで知られるハンク・パルマー。父のジョセフ・パルマーは世間から信頼を集める判事だったが、そんな父が苦手なハンクは、長らく父と絶縁状態にあった。しかし、ある時、ジョセフが殺人事件の容疑者として逮捕されるという事件が起こり、ハンクが弁護人を務めることに。正義の人である父が殺人を犯すはずがないと信じるハンクだったが、調査が進むにつれて疑わしき証拠が次々と浮上する。監督は「ウエディング・クラッシャーズ」「ブラザーサンタ」といったコメディ作品を多数手がけたきたデビッド・ドブキン。法廷でハンクと対峙する検事役でビリー・ボブ・ソーントンが共演。

スタッフ
監督デビッド・ドブキン
原案デビッド・ドブキン
ニック・シェンク
脚本ニック・シェンク
ビル・ドゥビューク
撮影ヤヌス・カミンスキー
美術マーク・リッカー
編集マーク・リボルシー
音楽トーマス・ニューマン


キャスト
ロバート・ダウニー・Jr. ハンク・パルマー
ロバート・デュバル ジョセフ・パルマー
ベラ・ファーミガ サマンサ・パウエル
ビンセント・ドノフリオ グレン・パルマー
ジェレミー・ストロング デイル・パルマー
ダックス・シェパード ケネディ
ビリー・ボブ・ソーントン ドワイト・ディッカム
レイトン・ミースター カーラ・パウエル
ケン・ハワード ウォーレン判事
エマ・トレンブレイ ローレン・パルマー
バルサザール・ゲティ
デビッド・クラムホルツ
グレイス・ザブリスキー ブラックウェルの母
デニス・オヘア モリス医師
サラ・ランカスター リサ・パルマー
マーク・キーリー マーク・ブラックウェル



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IMAX3D版 エクソダス:神と王 前夜祭上映 [映画]

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「脱出の道を用意される神さま」

主はモーセに言われた。「なぜ、わたしに向かって叫ぶのか。イスラエルの人々に命じて出発させなさい。
出エジプト記14章15節

「あなたがたの会った試練は みな人の知らないものではありません。  神は真実な方ですから、あなたがたを、  耐えられないほどの試練に会わせることはなさいません。  むしろ、耐えられるように、  試練とともに脱出の道も備えてくださいます。」    第1コリント10章13節

絶体絶命の窮地に追い込まれる時に、神さまは必ず脱出の道を用意されます。
大切なことは、神さまにより頼むことと、そのみことばに従うことです。

1月30日(金)から公開の『エクソダス:神と王』の先行特別上映を観るために、地元のIMAXデジタルシアターへ。2月7日(土)から『ミュータント・タートルズ』が始まるので、この9日間だけの限定上映なのだろうということで急いで観に行くことにしたのだった。平日の19時40分開映ということで、観客は40名ぐらいだったろうか。クリスチャンというよりも、普通に大作映画を楽しみにきた感じである。

チャールトン・ヘストンの主演した同じ「出エジプト記」をもとにした映画『十戒』は、さすがに今観ると特殊効果がチープすぎて笑ってしまうのだが、さすがにこの映画は最新VFXで細部までこだわって描き、それをIMAXデジタルシアターの巨大スクリーンで観るので、本当に細かいところまで人間が描きこまれているのがわかって恐ろしいほど。エンドロールのVFXのクリエーターたちの名前が5列にわたって延々と流れるのも無理はないというほどの出来。

さて、物語は聖書やキリスト教に無関心の観客にも飽きることが無いようにと配慮されていて、聖書的ではない表現が散見されて、いささか居心地が悪い。例えば捨てられたモーセを育てたのが実母ではなく実姉になっていたり。エジプト人監督を殺害してモーセがエジプトを去るのをファラオによる追放にしていたり。

エジプトに10の禍をもたらす場面はリアルに描いていて気持が悪くなるほど。9つ目までは、ナイル川におこった自然現象として説明しようという場面もあって無神論者が喜びそうな展開で違和感があった。もっとも「エジプトの長子の命がすべて奪われる」という部分は、「イスラエル人の間に生まれた男の子はすべて殺せ」とエジプト王が命じた部分があまり描かれないので、神様は残酷と誤解される恐れがある。

旧約聖書では、簡単な記述で皆殺しになってしまう民族が書かれていたりするが、映画の良いところは、リアルな映像として当時の風俗や習慣、生活が描かれていること。荒れ野、羊や山羊などキリスト教徒でも観たことないような世界が目の前に広がるので興味深い。また、エジプト世界の描写は、そのまま歌劇『アイーダ』の雰囲気で面白く見た。

問題なのは、神様の描き方で、偶像崇拝を禁じる宗教なのに「それは、ないだろう」という感じ。映画『十戒』ではクライマックスのひとつである紅海が割れる場面は、これまた無神論者に配慮したような科学的な描写で「それも、ないだろう」という感じ。しかも海が元に戻る場面は、日本人にとっては辛い描写で、果たして東北で上映できるだろうかと心配になる。十戒を授かる場面も「はあ?」という感じ。さらにモーゼの家族との再会というエピソードも居心地が少々悪かった。

モーゼは結局、40年間も砂漠をさまよった挙句にカナンの地を踏むことなく死んでしまうのだが、十戒を刻んだ石板をおさめた契約の箱を守りながら馬車に揺られていくモーゼの姿は感動的である。ヘブライ人は、その後、約束の地カナンに着くわけだが、「バビロン捕囚」からナチスにより大量虐殺まで、常に苦難の道をあゆむわけで、神がしめした「脱出の道」の一番最初が「出エジプト記」=「エクソダス」ということかと納得させてくれる映画ではあった。

下手に科学的な解釈をしようとしたり、神様の描き方、紅海の描写など気に入らないところもあるけれど、聖書の世界が描かれ実際に目にすることのできた喜びは大きい。例によってIMAXデジタルシアターでの3D上映なのだが、上下が切れるワイドスクリーン型の上映ではあったが、迫力のある画像、細部まで映し出す巨大スクリーンの威力、圧倒的な音響と、日本最大級の名に恥じないクオリティの高い上映で大いに満足した。

解説

「グラディエーター」の巨匠リドリー・スコットが、旧約聖書の「出エジプト記」に記されたモーゼの奇跡の数々を、最新VFXを満載に3Dで描いた歴史大作。紀元前1300年、栄華を誇るエジプトの王家で養子として育てられたモーゼが、兄弟同然に育ったエジプト王ラムセスに反旗を翻し、たった1人で40万人のヘブライの民を救うため、約束の地を目指す旅を描く。主人公モーゼには、「ダークナイト」3部作のクリスチャン・ベール、ラムセス役には「ゼロ・ダーク・サーティ」「華麗なるギャツビー」などで注目されるジョエル・エドガートン。そのほかベン・キングスレー、シガニー・ウィーバーが共演。

スタッフ
監督リドリー・スコット
脚本アダム・クーパー
ビル・コラージュ
ジェフリー・ケイン
スティーブン・ザイリアン
撮影ダリウス・ウォルスキー
美術アーサー・マックス
衣装ジャンティ・イェーツ
編集ビリー・リッチ
音楽アルベルト・イグレシアス

キャスト
クリスチャン・ベール モーゼ
ジョエル・エドガートン ラムセス
ジョン・タトゥーロ ジセティ王
アーロン・ポール ヨシュア
ベン・メンデルソーン ヘゲップ
シガニー・ウィーバー トゥーヤ
ベン・キングズレー ヌン
マリア・バルベルデ ツィポラ
インディラ・バルマ ミリアム
ゴルシフテ・ファラ ハニネフェルタリ
ヒアム・アッバス ビティア
アンドリュー・ターベット アロン
ダール・サリム


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再び『神は死んだのか』 [映画]

礼拝が終わってから映画『サン・オブ・ゴッド』を観ようと有楽町へでかけた。



ふと気がつくとお隣のビルにあるイトシアの4階にあるヒューマントラスト有楽町で『神は死んだのか』を上映しているのを思い出した。「そうだ、もう一度観てみよう」と思い立った。60席あまりの小さな映画館だが満席で驚いた。渋谷の映画館も満席だったし、こんなにクリスチャンがいるとも思えないので、ノンクリスチャンも観ていると思うが、賛否両論ある映画だけに驚いた。




伝道師の高原剛一郎氏のブログで「年末年始一押し映画」とされていたからである。以下に採録しておきます。

午前中、部屋の大掃除をしてから、かねて見に行きたかった映画に夫婦で行きました。 「神は死んだのか」です。 毎年海外になんどか赴く私は、機内で最新映画を観まくります。 そんな私が今年見た映画のナンバーワンが「神は死んだのか」です。 筋金入りの無神論哲学教授にクリスチャン新入生が試され、クラスのみんなの前で神の存在を弁証していく…と書くとなんだか堅苦しい映画をイメージしてしまいますが、いやはや見どころ満載です。 はっきり言って、豪速球の伝道映画です。 よくこんな映画を一般客に興行として配給してくれたものだ!と感心します。 字幕スーパーで論駁内容がスッと入って来にくいのが気になりますが、クリスチャンも元気のないクリスチャンも、ノンクリスチャンも必見の映画です。 映画の中で、懐かしい無神論哲学者の名前が出てきました。 フォイエルバッハです。 19世紀のドイツ人のコチコチ無神論者です。 その後の無神論の基礎を築いたと言ってよいでしょう。 「神の意識は人間の自己意識であり、神の認識は人間の自己認識である。人間と人間の神は一つである」(キリスト教の本質-船山信一訳) 言いたいことは多分こうです。 神はいない。 しかし、多くの人々は神を信じている。 どうしてか? 人々は、何が何でも励ましや慰めが欲しいからだ。 そこで人間は自分たちの渇望を投影し、具体化し、これを神と呼んであがめたのに過ぎない。 はっきり言って、存在しないこの神というものは、人間の強すぎるあこがれが紡ぎ出した妄想に過ぎない! 少し前にNHKで放送された「百分で名著-旧約聖書」の中で、これと同じ論理で、千葉大学の教授が神は人間の発明物だと言ってました。 実に貧しい講義内容で、私は残念でなりませんでした。 しかし、この論理展開には問題があります。 何かを渇望するのは、それが存在しない証明にならないということです。 喉が渇くのは、水が存在しないからではなく、人間にとって水が死活的に必要だからです。 欲している現象が、その欲求を満たしうる対象物の不在証明になると言うなら、神などいて欲しくないという無神論者の欲求も、妄想に過ぎなくなります。 映画ではホーキング博士の論理破綻を、他の無神論数学者が論駁している文章の引用がありますが、至極明快です。 つい難しい話になりましたが、映画は様々な人間模様が描かれており、飽きさせません。 少なくとも私には身につまされる話がたくさんあり、何度も泣けてきました。 特に、無神論哲学者が無神論哲学者になる経緯が、幼いときに最愛の信仰深い母親を亡くしたことにある件です。 あんなにも必死に祈ったのに、神は私の最愛の人を取り去っていった…。 あの時神はどこにいたのだ!という叫びです。 映画には描かれておりありませんが、少年は聞きたくもない浅薄な神学的説明を、散々に聞いている内に反発したのかもしれない…と、つい深読みしてしまいました。 この世で全て帳尻合わせをしようとする世界観が、人間を神につまづかせています。 この世は、次の来るべき世界の前段階に過ぎません。 ここは、神の理想郷などではないのです。 認知症の老婆が、無神論者でプラグマティストで物欲だけで生きている息子の信仰批判に一時的に正気にかえり、答える瞬間は、胸を打ちます。 含蓄ある名言が随所に現れます。 多分、上映期間は、そんなに長くないでしょう。 今日だって百名足らずの劇場なのに、半分も入っていませんでした。 時間のある方は、まずは見に行ってください。 一押しです。 「私たちの戦いの武器は、肉のものではなく、神の御前で、要塞をも破るほどに力あるものです。」第2コリント10:4

今回観に行った理由のひとつは、劇中で認知症の老婦人が一瞬だけ正気になって述べる台詞をもう一度聞きたかったからである。

認知症の母親に向かって、「どうしてこんなになってしまったのか」と言う経済的にも社会的にも成功した不可知論者の息子。母親は表情が変わって、息子の成功を「鍵のかかっていない牢獄にいるようなもの」、「この世での成功は、神から離れるようにとサタン?から与えられているだけのもの」といったようなことを言う。「ある日、突然鍵がかかってしまう」とも。

無神論者の大学教授が交通事故で即死することに非難が集中しているようだが、クリスチャンの見方はそうではない。死の直前、大切にしまっておいた亡くなった母親の手紙に心動かされ、コンサートに向かう時に交通事故に遭うわけだが、大学教授は天国であっても母親に会いたかったのだと思う。

車の故障でフロリダに行き損ねていた牧師が彼の死に立ち会うことになったのも、神様のご計画なのはいうまでもない。そして雨の中で洗礼を受け、神様を受け入れ、天国に召されていったことに大いに感動した。

大人気ロックバンドのニュースボーイズのメンバーが、ガンになった女性のために祈る場面も素晴しかった。多くの日本人は初詣にでかけて、「商売繁盛」「家内安全」を祈ったりするけれど、誰に向かって祈って射るのかも知らないままだったりする。お寺で柏手を打つような、うっかり者も多い。クリスチャンがみんなで祈る姿は美しい。天使も洗礼を前にした教会の祈祷会で参加者全員から祈ってもらった感激は一生忘れないと思うからである。時間があれば、もう一度観たいし、DVDになったら絶対に買うと思う。

ベイマックス 同時上映短編アニメ「愛犬とごちそう」 [映画]

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予告編につられて、ほとんど予備知識がないまま観たので、ほのぼのとしたケアロボットと少年の交流&感動物語かと思ったら、なんと戦隊ヒーロー物語だったのでびっくり。調べてみると原作のアメコミは「ビッグ・ヒーロー・シックス(Big Hero Six)」とか。1998年に日本政府が結成した独自のスーパーヒーロー・チームで、リーダーには国民的英雄サンファイアを迎え、ギリ・インダストリアル・コーポレーションがチームをバックアップする組織として働くこととなったという日本が舞台のものだった。それで主人公が日本人みたいな名前だったのかと納得。舞台も日本とサンフランシスコが合体したような街だったし。

物語は、自己犠牲がクライマックスに登場して新約聖書のヨハネの福音書15章の13節を思い出させるものだった。

友のために自分の命を捨てること、これ以上に大きな愛はない。

そうして聖書的に読み解くと、あれあれ?この映画は聖書映画か?死んだと思ったら「復活」もあるし・・・。
同時上映の「愛犬とごちそう」は短編ながらなかなかの傑作。

解説

孤独な少年と心優しいロボットの絆や冒険を描いたディズニーの長編アニメーション。最先端の技術が集う都市サンフランソウキョウに暮らす14歳の天才少年ヒロは、自ら開発したロボットを使い、アンダーグラウンドのロボット格闘技に夢中になっていた。ヒロの良き理解者でもある兄タダシは、そんな弟を案じ、自身の通う大学にヒロを連れて行く。タダシの研究仲間やロボット工学の第一人者キャラハン教授と出会い、感銘を受けたヒロは、大学で最先端の科学を学ぶことを決意。しかし、そんな矢先、不慮の事故でタダシは帰らぬ人となってしまう。目の前で兄を失ったヒロは殻に閉じこもってしまうが、そんなヒロの前に、タダシが人々の心と体の健康を守るために開発したケアロボットのベイマックスが現れ、そのおかげでヒロは少しずつ元気を取り戻していく。そして、兄の死の裏に巨悪が潜んでいることに気付いたヒロは、兄のためにも戦おうと立ち上がるが……。短編アニメ「愛犬とごちそう」(6分)が同時上映。



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解説

ディズニー・アニメーションの長編「ベイマックス」と同時上映の短編作品。ある男性の愛犬ウィンストンは、飼い主と一緒に食べるジャンクフードが大好きだったが、飼い主がある女性と恋に落ちたことから、食生活は一変。食べ物は健康的なものばかりで、飼い主も女性を見てばかり。しかし、やがて飼い主と女性が破局。ウィンストンは再び大好きなジャンクフードを食べさせてもらえるようになるが……。「ボルト」「塔の上のラプンツェル」「ベイマックス」などに携わってきたベテランアニメーター、パトリック・オズボーンの初監督作品。


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シネマ歌舞伎「二人藤娘/日本振袖始」 [映画]

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エアウィーヴシアターとは

新橋演舞場で海老蔵の『石川五右衛門』を観る前に、東劇で先行上映が始まったばかりのシネマ歌舞伎「二人藤娘/日本振袖始」を観て来た。東劇の客席にはエアウィーヴの座布団?が設置されて「エアウィーヴシアター」と呼ばれていた(笑)まあ、単なるクッションで実用性があるとも思えないのだが、特に可もなく不可もないといったところだろうか。

歌舞伎座も新橋演舞場も目と鼻の先にあるというのに、映画館で歌舞伎中継?を2100円支払って観るのも微妙な選択。確かにデジタル上映で音響も立体感があり、普段は観られない舞台裏も映してくれるのは面白い試みだが、所詮は生の舞台の映像の再現であって、歌舞伎の「ぬけがら」のようなもの。遠隔地であればともかく、あえて東劇で観なくてもという感じ。2014年3月の舞台記録とし観れば貴重なのだろうけれど、あまりありがたさは感じなかった。

「ニ人藤娘」は微妙な衣裳の違いを見比べたり、「日本振袖始」は玉三郎の美しい姫姿から後シテの凄まじい形相への変化を楽しむことはできた。改めて玉三郎のプロデュース能力に感心した。念頭に映像収録があったからか、共演者も七之助、勘九郎、米吉という若手で将来の有望株を抜擢したのもヴィジュアル的に成功していたと思う。

惜しいのは、全体に音響が大き過ぎたことで歌舞伎座の恵まれた音響とは雲泥の差だった。ロックではないので、音圧を上げて迫力を出すという発想は歌舞伎とは相容れないものだと思った。最初に玉三郎の解説があって、あらすじや見どころを説明していたほかは、字幕やイヤホンガイド的な手助けは一切なかった。全くの初心者やイヤホンガイドがなくては歌舞伎が観られない観客にとっては、自らの感性と理解力が試される機会だと思った。



シネマ歌舞伎 二人藤娘

解説

歌舞伎の舞台を映画館でデジタル上映する「シネマ歌舞伎」シリーズ第21弾。2014年4月に、第5期歌舞伎座(13年4月開業)のこけら落とし公演「歌舞伎座新開場柿葺落 鳳凰祭三月大歌舞伎」で上演された「日本振袖始」と「二人藤娘」を映像化し、2本立てで上映。役者たちが化粧をして舞台へ臨む姿など、普段は見られない舞台裏映像も収められている。「二人藤娘」は、舞踏の人気演目として知られる「藤娘」を2人で演じるという新解釈で再構成された演目。「京鹿子娘道成寺」を2人で舞った「京鹿子娘二人道成寺」もシネマ歌舞伎化されている坂東玉三郎が、中村七之助とともに藤の精を艶やかに演じた。14年1月に大阪松竹座で初演されて評判となり、同年3月に歌舞伎座で東京初演となった

キャスト
坂東玉三郎 藤の精
中村七之助 藤の精

シネマ歌舞伎 日本振袖始

解説

歌舞伎の舞台を映画館でデジタル上映する「シネマ歌舞伎」シリーズ第21弾。第5期歌舞伎座(2013年4月開業)のこけら落とし公演のひとつとして、14年3月に行われた公演「歌舞伎座新開場柿葺落 鳳凰祭三月大歌舞伎」で上演された演目「日本振袖始」と「二人藤娘」を、2本立てで上映。シネマ歌舞伎ならではの趣向として、役者たちの舞台裏での姿も本編中に盛り込まれている。「日本振袖始」は、記紀神話に記された出雲の八岐大蛇(やまたのおろち)伝説をベースに、近松門左衛門が書き上げた演目で、生贄として捧げられた稲田姫を救うため、大蛇退治にやってきた素戔嗚尊(すさのおのみこと)の物語を描く。妖艶な姫の姿から恐ろしい大蛇へと変貌する八岐大蛇を演じた坂東玉三郎と、素戔嗚尊に扮した中村勘九郎の大立ち回りも見どころ。

キャスト
坂東玉三郎 岩長姫実は八岐大蛇
中村米吉 稲田姫
中村勘九郎 素戔嗚尊

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IMAX3D版 ホビット 決戦のゆくえ [映画]





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日本最大級のIMAXデジタルシアター。日本一とうたえないのは、ユナイテッド・シネマ 札幌の存在があるかららしい。何しろNo.11スクリーンのIMAXデジタルシアターの前身は、フィルム上映のIMAXシアターなのだから、IMAXデジタルシアターに改造されたとはいえ、かなりの大きさのスクリーンサイズであるらしく、天使の地元のIMAXデジタルシアターのスクリーンサイズとほぼ同じということらしい。

さて肝心の映画は、アクションシーンの連続で、迫力や爆音で圧倒しようとしても、さすがのIMAXデジタルシアターでもキツイ感じ。ちょっと大人の鑑賞には耐えられないのではないかと。悪役は悪役らしく憎憎しげに登場し、弱いのかと思えば結構強くて、主要な登場人物でも彼らに殺されてしまうというまさかの展開。最終的には、『ロード・オブ・ザ・リング』に繋がっていくのだが、さてどのような作品だったか思い出せない忘却の彼方。

IMAXデジタルシアターの威力は、画面の上下が切れる形式のフルサイズ上映ではなかったので発揮されなかったような気がする。それでも、財宝に執着するトーリンが元の自分に立ち返る場面は、劇場中を音が駆け巡って面白い効果があってよかったと思う。

解説
J・R・R・トールキンの名作小説を映画化した「ロード・オブ・ザ・リング」へと続く「ホビット」シリーズ3部作の最終章。ビルボ・バギンズ、トーリン・オーケンシールドら旅の一行は、邪龍スマウグからドワーフの故郷を奪還することに成功するが、怒りに燃えるスマウグは町を襲う。スマウグから取り戻した財宝に執着するトーリンは、友情や名誉も犠牲にしても財宝を守ろうとし、その行為をいさめようとするビルボは危険な選択をせねばならなくなる。そうした中、魔法使いのガンダルフは、さらに恐るべき存在である冥王サウロンの復活に気付いていた。サウロンはオークの大群を放ち、その危機にドワーフやエルフ、人間といった中つ国に生きる各種族は、わだかまりを捨てて団結するか、さもなくば滅びるか、究極の決断を迫られる。

スタッフ
監督ピーター・ジャクソン
原作J・R・R・トールキン
脚本フラン・ウォルシュ
  フィリッパ・ボウエン
  ピーター・ジャクソン
  ギレルモ・デル・トロ
撮影アンドリュー・レスニー
美術ダン・ヘナ
編集ジャベツ・オルセン
音楽ハワード・ショア
主題歌ビリー・ボイド

キャスト
イアン・マッケラン
マーティン・フリーマン
リチャード・アーミテージ
エバンジェリン・リリー
リー・ペイス
ルーク・エバンス
ベネディクト・カンバーバッチ
ケン・ストット
ジェームズ・ネスビット
ケイト・ブランシェット
イアン・ホルム
クリストファー・リー
ヒューゴ・ウィービング
オーランド・ブルーム
エイダン・ターナー
ディーン・オゴーマン
グレアム・マクタビッシュ
アダム・ブラウン
ピーター・ハンブルトン
ジョン・カレン
マーク・ハドロウ
ジェド・ブローフィー
ウィリアム・キルシャー
スティーブン・ハンター
シルベスター・マッコイ
スティーブン・フライ
ライアン・ゲイジ
ビリー・コノリー
マヌー・ベネット
イアン・ホルム

作品データ


原題The Hobbit: The Battle of the Five Armies
製作年2014年
製作国アメリカ
配給ワーナー・ブラザース映画
上映時間145分
上映方式2D/3D

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天国は、ほんとうにある [映画]



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原作を読んでから観たので、原作にはない登場人物があったものの映画的には原作より面白くなっていて楽しめた映画だった。アメリカの西部の田舎街の牧師のリアルな生活、教会での礼拝の様子など、日本とは違った信仰生活もあるのだと興味深く観た。

ヨブ牧師と呼ばれてしまうほど、後から後から怪我や病気などに襲われる主人公の牧師。神様への祈りは忘れないけれど、わが子まで病気で奪われそうになり、神様に怒りをぶつけるなど、生々しい感情を露にする場面など、共感できるのもだった。

それに対しての神様のお答えが、コルトン坊やに天国を見せたことなのだと思う。それにより、牧師自身も成長していくのが画面を通してよくわかる。そして、その周囲にいる人たちも変わっていくのが、神様のご計画なのだと思った。天国の描写は少なく、むしろ観客の想像力に委ねられている感じ。本物?のイエス様の肖像画が登場するが、これも観客の判断に任されているかのようだった。

多くの日本人は、今の季節、クリスマスを祝い、除夜の鐘を聞き、神社に初詣をする。手を合わせて「家内安全」、「商売繁盛」を祈ったりするわけだが、一体に誰に向かって祈っているのかわかっているのだろうか。天国という言葉もよく用いられるが、仏教徒ならば天国ではなく極楽のはず。誰でも彼でも天国にいけると思ったら大間違い。そんなことを思い出させてくれる映画だった。

解説

天国を旅してきたと話す少年とその家族の実話をつづった同名ベストセラーを映画化。ネブラスカ州の田舎町インペリアルで妻や3人の子どもたちと一緒に暮らすトッドは、小さな修理会社を営みながら牧師も務め、さらに高校レスリング部のコーチや市の消防隊員など多忙な毎日を過ごしていた。ある日、3歳の長男コルトンが虫垂炎で病院に緊急搬送される。2回の手術で生死の境をさまよいながらも奇跡的に一命を取りとめたコルトンは、やがてトッドに天国を旅してきたという驚くべき話を打ち明ける。その内容にはコルトンが知るはずのない生まれる前の出来事も含まれており、天国の描写は聖書の内容とあまりにも一致していた。父親役を「リトル・ミス・サンシャイン」のグレッグ・キニア、母親役を「フライト」のケリー・ライリーが演じる。監督・脚本は「仮面の男」のランダル・ウォレス。

スタッフ
監督ランダル・ウォレス
原作トッド・バーポ
リン・ビンセント
脚本ランダル・ウォレス
クリストファー・パーカー
撮影ディーン・セムラー
美術アーブ・グレイウォル
衣装マイケル・T・ボイド
編集ジョン・ライト
音楽ニック・グレニー=スミス

キャスト
グレッグ・キニアトッド・パーボ
ケリー・ライリーソンジャ・パーボ
コナール・コラムコルトン・パーボ
マーゴ・マーティンデイル
トーマス・ヘイデン・チャーチ

作品データ
原題Heaven Is for Real
製作年2014年
製作国アメリカ
配給ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
上映時間 99分
映倫区分 G


天国は、ほんとうにある―天国へ旅して帰ってきた小さな男の子の驚くべき物語

天国は、ほんとうにある―天国へ旅して帰ってきた小さな男の子の驚くべき物語

  • 作者: トッド・バーポ
  • 出版社/メーカー: 青志社
  • 発売日: 2011/10/17
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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神は死んだのか [映画]



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『不良牧師アーサー・ホーランド スペシャルトークイベント』のある日だったのでFBに掲載されているレポートを早速に転載。

満席の中、ハードなバイクファッションで颯爽と現れたアーサー氏。「夜でもアーサー、昼でもアーサー。こう見えても俺、牧師なんですよね。」とジョークを交えて自己紹介。
十字架を担いで日本縦断をした際の話を、「教会に来てもらうより、直接十字架を持って行けばいいじゃん。そういう発想。」「一緒に歩きたいって人が出てくるんだよね。1000人にまで膨れて、みんなクリスチャンになりたいって。けど、大きな十字架を担いで歩くためにつけたタイヤのほうにみんなと注目がいくんだよね。十字架よりタイヤかよって。」とコミカルかつワイルドに披露!

「映画の中にね、おばあちゃんが出てくるんだけど、俺おばあちゃん子でね。」とアメリカ人の父、日本人の母を持つことから、小さい頃あいの子と差別されたが、祖母から「あいの子というのは、“愛されている子”という意味」と教わり、守れていると感じたとのこと。
 その後も「勝った時より負けた時、成功しているより失敗した時の方が何かを学ぶ」「人は幸福を求めるけど、幸福というのは状況によって変わる」「祝福というのは、心の安らぎを味わえる」「挫折して初めて自分の大切なものを知る」「成功だけでは人間の心は豊かにならない」「多くの先人たちは自然界を観ながら己の心を見つめた。優しさや愛情、思いやりをもってね」と過去の経験から持論を展開!

最後には映画について「自然界と向き合っている日本人、見えてるものの背後に見えない世界があるというのを日本人は知っている。賛否両論あるこの映画を観たら、心に想いを巡らし、何かを学べるきっかけになるかもしれない。」と訴えかけた。

牧師でありながら、浄土真宗の僧侶たちにも「伝道のノウハウをレクチャーしてほしい」と依頼されるなど、宗教の垣根を越えて多くのファンを持つアーサー氏。破天荒な半生のなかに、温かくも勇ましい人柄に触れることが出来たイベントとなった。

アーサー・ホーランド氏は、映画の展開にいささか不満をもらしていたが、劇中で登場する認知症の老婦人の存在に共感していたようだ。天使が最も感動したのも、その部分で社会的に成功した息子に向かって投げかける言葉が凄い。その部分だけイエス様になったような。これだけ聴けただけでも観た甲斐があったように思う。

無神論者の大学教授と学生の闘い?ばかりが強調されてりるようだが、イスラム教徒の女学生の回心、裕福な中国人留学生の迷い、ガンを宣告された女性、離婚を考えている女性など、多くの問題を抱えた人々が登場し「神は死んでいない」という強いメッセージを伝えてくれる映画。

堅苦しい映画のように思うかもしれないが、休暇に出かけようとする二人の牧師を次々に車のエンジンのかからないアクシデントが重なる部分はニヤリと笑える。レンタカーのスタッフが演劇をやっていて『セールスマンの死』のビフ役に合格するエピソードなど笑えないこともないけれど、「これは、神様のご計画だ」と真剣に見入ってしまったのでニヤリで終わってしまった。受洗以来、天使自身に「神様のご計画」としか思えないような良いことが次々に起こるので襟を正してみたような感じ。

議論は大学教授の敗北に終わり、雨の中、ひき逃げに遭いながらも即死せず、たまたま居合わせた牧師に信仰を告白し、パブテスマを受けるというのも「神様のご計画」だったというのが製作者の意図らしい。映画全体にポジティブな考え方が流れていて、宗教の持つ得体の知れない暗さといったものが少なく、ロックバンドが神様を賛美する演奏を披露して、1万人もの観客が熱狂しているというも珍しい光景だった。

それにしても、アメリカ人は全員、日曜日には教会に行くものと決めていたのだが、どうやら間違いのようで熱心な人でなければ特に都市部では礼拝に参加するのは少数派らしい。そこが、ちょっとショックだった。受洗後、初めて観た映画となったが、自分の信仰を問い直すきっかけになりそうな気がする。

スタッフ
監督ハロルド・クロンク
脚本ケイリー・ソロモン、チャック・コンツェルマン
撮影ブライアン・シャンリー
編集バンス・ヌル
音楽ウィル・マッサー

キャスト
ケビン・ソーボ ラディソン教授
ショーン・ハーパー ジョシュ
デビッド・A・R・ホワイ トデイヴ牧師
ベンジャミン・アルフレッド・オンヤンゴ・オチェン ジュード牧師
ポール・クウォ マーティン
ライス・ブルークス
ウィリー・ロバートソン
ディーン・ケイン
マイケル・タイト
ジョディ・デイビス
ジェフ・フランケンシュタイン
ダンカン・フィリップ

作品データ

原題 God's Not Dead
製作年 2014年
製作国 アメリカ
配給 シンカ
上映時間 114分
映倫区分 G


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