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海賊 熊川哲也Kバレエカンパニー [バレエ]



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2015年5月30日(土)配役表

熊川哲也のKバレエカンパニーとしては代表作ということらしい。今回の公演には熊川哲也は出演しないのだが、前半の公演にはメドーラに中村祥子が、後半にはニーナ・アナニアシヴィリが出演というのが目玉らしい。

もともと『海賊』という作品は、ストーリー的には感動的というよりも突っ込みどころが満載の物語の展開。ひたすらダンサーが次から次へと繰り出す超絶技巧が売り物といったところだろうか。さすがに熊川哲也のバレエ団だけあって、男性ダンサーには究極?の振付がされているらしく体力の限界に挑むような動きが続く。
それも確かにバレエを観る大きな愉しみには違いないが、バレエは雑技団ではない。心に秘めた想いを言葉の力を借りずに表現するものだとしたら、なんとも底の浅い見世物になってしまう。

熊川哲也の持ち役アリを継承した池本祥真は、熊川にも負けない超絶技巧を次々と披露するが元気が良いだけで伝わって来るものは少ない。コンラッドのスチュワート・キャシディにいたっては、身体は重いし、切れは悪いし、見ているのが辛かった。Kバレエ団は、なんとも危うい部分を歩んでいるのだが、それを救ったのが中村祥子である。その恵まれた肢体。心の中に秘められた情感を丁寧に表していく表現力。そして観客を驚かすフェッテの超絶技巧。彼女のバレエを観ることの喜びに満たされた公演だった。

熊川好みのドラマチックな展開にすべくアリは撃たれて死んでしまうのだが、別に死ぬ必要もなかったような気がする。それにしてもオーチャードホールの視覚条件と音響条件の悪さはなんとかならないものだろうか。久々に1階後方のサイドだったので、バルコニー席が舞台をふさいでしまって、オーケストラピットの音楽が飛んでこないので、舞台作品を楽しむ余裕が全くなかったのは残念である。




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