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椿姫 新国立劇場 2015年5月23日 [オペラ]



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5月の新国立劇場・新制作『椿姫』をチケットぴあの貸切公演で観た。すべての座席が会員向けではなく一般向けに売られたということで、いつもとは違った客席であったようで反応がストレートだと感じた。

さてヴァンサン・ブサールによる新演出「椿姫」だが、装飾を極力取り除いたシンプルな装置でありながら、下手の壁と床を鏡面にすることにより、上手の壁面が写し出されることで空間が広がり、少ない人数で最大の効果をあげていたように思う。

舞台下手の壁と床が鏡面。下手の壁とそこに写し出される上手の壁は、まるで手のひらを合わせたような祈りの形?上手の模様や壁自体の位置がが変化することで面白い場面が次々に現れた。オペラは第2幕第1幕までを前半とし、後半は第2幕第2場以降としていた。

面白かったのは第3幕で、丸い縁取りにパリオペラ座のような真紅の緞帳?がヴィオレッタの死とともに下りてきて、ヴィオレッタと俗世界を完全に隔ててしまうという演出。その前から、ヴィオレッタとアルフレードたちの間には紗幕があって、触れるけれどその境界を越えることはできないという見事なアイディア。

幕切れは高級娼婦をしながらも、神様を信じ受け入れているヴィオレッタが亡くなって、永遠の命を手に入れ蘇ったところを見事に可視化していて感動的だった。もっともクリスチャンでない観客には、いまひとつ理解できないものだったかもしれない。

演出が面白いので、音楽は正直言ってあまり記憶に残らないものだった。酷くはないけれど、傑出した音楽でもないという凡庸な演奏だったということか。


作曲:ジュゼッペ・ヴェルディ
台本:フランチェスコ・ピアーヴェ
指揮:イヴ・アベル 
演出:ヴァンサン・ブサール 

出演:
ベルナルダ・ボブロ/ヴィオレッタ
アントニオ・ポーリ/アルフレード
アルフレード・ダザ/フローラ
小原啓楼/ガストン子爵
須藤慎吾/須藤慎吾
北川辰彦/ドビニー侯爵
鹿野由之/医師クランヴィル
与田朝子/アンニーナ

合唱:新国立劇場合唱団 
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団



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