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小澤征爾×村上春樹『小澤征爾さんと、音楽について 話をする』を読んで [音楽]


小澤征爾さんと、音楽について話をする

小澤征爾さんと、音楽について話をする

  • 作者: 小澤 征爾
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2011/11/30
  • メディア: 単行本



11時から新橋演舞場で藤山直美と坂東薪車が共演した「年忘れ喜劇特別公演」の初日を観た。名作『銀のかんざし』での直美の名演技に舌を巻いた。なんて上手いんだろう。もうひとつの芝居は、商業演劇独特の盛り込みすぎで焦点がボケてしまったのと初日ゆえに上手く連携ができていない部分があって楽しめなかった。

地元のスポーツクラブが木曜日が定休日なので東京体育館のプールで泳いで帰ることに。途中で新国立劇場の『こうもり』が初日なのを思い出してチケットがまだ買えるようなので観にいくことにする。何しろオルロフスキー公をアグネス・バルツァが歌うハズだったからである。ところが原発を懸念して来日中止になったとのこと。しかも発表は11月16日にされていたのだとか。全然知らなかったのだけど、せっかく初台まで足を運んだので観る事に。初日からなのかエッティンガーの指揮はボロボロ。演出など色々工夫はあるのに面白さがなかなか伝わってこなくて困った。特に第2幕の肝心のチャルダッシュの辺りが沈滞気味で、ただでさえ弾まない舞台が一向に面白くなってくれない。

観客の年齢は高め、問題の多い舞台を素直に喜んでいる人が多かったですが、何事にも楽しみを見つけられる人って正直羨ましいと思った。初日ゆえなのか劇場には有名人が多数来場。何故わが愛する落語家の川柳川柳が新国立劇場に?と思ったら福田元首相でした。

プールで泳ぎ終わってから開演までの時間が少々あったので、オペラシティの2階にある本屋で新聞広告で見た
小澤征爾への村上春樹のロングインタビューをまとめた本を買い求めた。

小澤征爾さんと、
音楽について
話をする

と三行にわけて表記するのが正式名称のようです。初台の駅で読み出したら面白くて帰りの電車で読み続け、さきほど読み終えました。クラシック音楽に少しでも興味があり、小澤の指揮する音楽を聴いたことのある人、村上春樹の著作を読んだことのある人は必読の本だと思います。もう一頁、一頁をめくるのがこんなにスリリリングに感じた本は久しぶりでした。

「始めに  小澤征爾さんと過ごした午後のひととき」と題した文章から始まり、ベートヴェンのピアノ協奏曲第三番をめぐってのバースタインとカラヤンの聴き比べ、カーネギーホールでのブラームス、1960年代の回想、マーラーの音楽について、オペラのこと、そしてスイスでの教育活動のルポなどが続き、興味の尽きない話題が繰り広げられていきます。

二人の間の共通点は

仕事をすることにどこまでも純粋な喜びを感じているらしいこと。

今でも若い頃と同じハングリー精神を持ち続けていること。

頑固なこと。

なのだとか。そして二人の間の「心の響き」をまとめたのがこの本だということらしい。さて、どのような「心の響き」が書き連ねているのかは、是非ご自身でご体験ください。途中からたまらなくなって書かれている同じ曲のCDを発掘して聴きながら読みました。
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