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大江戸りびんぐでっど ネタバレ大会! 其の伍 [歌舞伎]2009-12-24 [歌舞伎アーカイブス]

 さて、ここからは初日には滑りまくりで、何コレ?状態だった場面。二度目観たときには可笑しくはないけれど、なんとか崩壊を免れていたように思う。途中から稽古に参加だったらしいが、獅童の強烈な個性も活かされずに無残な結果に…。オペラの新演出でも、どこかにひとつは落とし穴になってしまう場面が発生するものだが、今回は、ここだったようである。俳優祭でもないのに、コント以下の芝居で、沈黙の客席となった初日の光景は、歌舞伎座さよなら公演の中でも、長く語り継がれることになるだろうと思う。

四場の1 杢蓮寺のお堂
四場の2 新島・くさや小屋の中(回想)
四場の3 杢蓮寺のお堂

主な配役

半助…染五郎
お葉…七之助
中海和尚実は死神…
与兵衛…亀蔵
お染…扇雀
新吉…勘三郎

死にそうな人間がいるということで、ソンビ達は杢蓮寺のお堂に大集合。獅童が扮する中海和尚が蓆がかけられた瀕死の病人?の前にいる。

「ハゲはいいすぎだろう」
「バッテラか!」

とか妙にテンションの高い獅童なのだが、ギャグがすべて滑ってしまって客席が凍りつく。和尚が実は死神ということで骨が描かれた全身前タイツ姿に変身。

「死神よ~ん」
背中に書かれた文字で「シ・ニ・ガ・ミ」
「すわるぞ、この野郎」

たぶんヤンキー・ネタなんだろうが、全て滑りまくって客席はドン引き。死神が死にかけている病人の頭の方に座ると死に、足元にすわると生き返るというので、ゾンビ達は布団を動かしたりと軽いネタ。そこへ半助が登場し、ゾンビ達は死神を食べようと追って全員が退場。死にかけていたのは新吉だった。実はゾンビだと思っていた新吉は生きていたのである。

半助は新吉の頭を岩で砕こうとする。

新島の殺人シーンを再現ドラマ風に

くさや汁を持ち出す半助。ストロボで新島の殺人場面を再現。

半助「新吉を殺したのは俺だ」とお葉に告白。
お葉「知っていました。知っていて一緒になったんです」
半助「許してくれるかい」
お葉「生きていくには、忘れるしかないじゃありませんか」

ところが、死んだと思っていた新吉が傷が浅くて実は生きていて、半助は滑って頭を打ち死んだといことが判明。そこへ、くさや汁を浴びて「ぞんび」に最初に半助がなったのである。確かに半助には子供ができない。新吉は半助を噛むが何も変化が起こらない。半助は死んでいるのを忘れていたのだとか…。新吉は切腹し、内臓が腹から飛び出す。半助はそれをむさぼり喰らう。「うめえ~っ」

 死んだと思っていた人が実は生きていて、生きていると思っている人間が、実は死んでいたなど、どこかで観たようなアイディアだが、死んだ人間がなぜくさや汁で生き返るのか、あるいはくさや汁で生まれ変わるのはでまかせなのか、なんだか判ったような判らないような…。これから勘三郎が、勘平を演じるようなことがあれば、必ず内蔵を引きだして果てる場面を思い出してしまいそうである。

ここで幕が振り落とされ、次の「富岡八幡宮」の場となる。
(つづく)


2009-12-24 01:02
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