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畑中更予さんの死 [音楽]

 畑中更予さん89歳(はたなか・こうよ=ソプラノ歌手、畑中良輔・東京芸大名誉教授の妻)20日、多臓器不全のため死去。東京音楽学校(現東京芸大)卒。日本歌曲の芸術的な歌唱法を高め、多くの弟子を育てた。2月に、米寿の良輔さんと「米寿&卒寿記念コンサート」を開き、話題を呼んだばかりだった。

 新聞記事を目にして信じられない気持だった。先月の「米寿&卒寿記念コンサート」に、とても元気で出演されていたのに、本当に信じられなくて気持の整理がつかないままである。直接お目に掛かったことはないのだけれど、気持の大きい、日本人離れしたスケールを持った人だと思った。

奥様はコンサートで以下のようなことをされました。

朗読とおしゃべり・・・・・・とプログラムにはあったが、30歳の時の初リサイタル用にと畑中先生が詩を書かれ、中田喜直が作曲した「四季の歌」を4人の歌手がそれぞれの歌を歌い継ぐというサプライズを畑中先生に秘密で用意されていた。

 まずは更予さんのおしゃべり。小原孝がピアノでBGM風に演奏するという贅沢なもの。おしゃべりの内容は、戦後直ぐに二人が結婚したこと。進駐軍のキャンプでの仕事で食いつないで苦労したこと。子供の頃から、歌うことが好きで好きで仕方なく、芸大に入ったのに、病気で歌を断念しなければならないこと。しかもいくつも病気に何度も罹って、本当は死んでいた身体だったこと。それなのに90歳まで生きられたこと。とってもチャーミングなお話しだった。先生は投げキッスを送り。「愛しているよ」と叫んだ?お二人の間にお子様が生まれなかったのも、更予さんが病弱だったからなのかと知って、胸に迫るものがあった。畑中先生は、もし病気でなければ、ヨーロッパで世界的なコロチューラソプラノとして活躍できたろうにと奥様をいたわっていたのは先生らしい優しさだと感動させられた。

四季の歌 畑中良輔 詩/中田喜直 作曲

春の歌 酒井美津子
夏の歌 瀬山詠子
秋の歌 玉川美榮
冬の歌 大島洋子

ピアノ伴奏 小原 孝

お二人の純粋な愛の姿と畑中良輔先生のお気持ちを思うと涙が止まりません。

ご冥福を心よりお祈り申し上げます。合掌。

追記
発売になったばかりの「音楽の友4月号」に「畑中良輔・更予の米寿&卒寿記念コンサート」の記事が載っていて、更予さんのお元気な姿の写真がある。記事には明らかな間違いがあって驚く。
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