SSブログ

カールじいさんの空飛ぶ家 [映画]2009-12-09 [映画 アーカイブス]

解説: 『モンスターズ・インク』のピート・ドクターと『ファインディング・ニモ』の脚本家ボブ・ピーターソンが共同で監督を務める3Dアニメ。冒険家への夢をあきらめ切れずにいる78歳の老人に、驚きの出来事が巻き起こる冒険ロード・ムービー。カールじいさんの声を『アパッチ砦・ブロンクス』のエドワード・アズナーが、カールの相棒となる少年ラッセルの声を新人のジョーダン・ナガイが担当する。ピクサー初となる3Dデジタルでの作品に期待が高まる。

あらすじ: いつか世界を旅して回りたいと思っていたカールも、今や78歳。最愛の妻は亡くなってしまい、夢をかなえるには年を取り過ぎている。しかし、何と数千の風船を家に結びつけ、空高く飛び立つことに成功。カールは8歳の少年ラッセルとともに冒険の旅へと出発する。

 天使の街のド田舎のシネコンにも、ドルビー3Dデジタルシネマでの上映可能な劇場がある。最近のデジタル3Dの映画を初めて観た。入口で3Dメガネ?を受け取って劇場内へ。スクリーンには3Dに関する注意が繰り返し映しだされていた。恐る恐るメガネをしてみる。絵が飛び出しているようないないような微妙な感じ。「マイケル・ジャクソン THIS IS IT」に行く度に見せられた「アバター」は、奥行き感があって、まるで別の予告編のようだった。

 「ノーモア映画泥棒」もデジタルだけあって、フィルム上映とは比べものにならないほどの高画質で美しい。これからは、こうしたデジタル上映が主流になっていくのかもしれない。最初は、その存在が気になった3Dメガネも物語が進むにつれ慣れたのか、居心地の悪さはなくなった。聞けばピクサー初の3D映画だったようである。
 
  さて映画の方は、宣伝の宮崎駿監督の言葉通り、映画冒頭にあった「追憶のシーン」が素晴らしかった。音楽だけで台詞もなく、二人の愛に満ちた生活、そして苦しみ哀しみ、二人の約束、そして別れを詩情豊かに描いていて素晴らしい。70年間?の出来事を描くには短い時間なのに涙があふれて嗚咽をもらしそうになった。そして最後の滝の上に立つカールじいさんの家の余情性の見事さ。大変深い表現で感心させられるばかりだった。

 その真ん中に挟まれた、カールじいさんの冒険?は、子供、動物、アニメらしい奇想天外さ、思い切った飛躍など、ピクサーらしい。娯楽映画に必要な要素のマーケティングが完璧だったのか、テレビゲーム世代の子供や大人にはピッタリだったかもしれない。絵が美しいのと、ドイツ系のおじいさんの造型が傑作で思わず見とれてしまった。どうしてアニメなのに、こんなに個性的な人物が描けるのか…。デフォルメされているのに、リアリティがありすぎる表情。あまりの見事さに何度も絶句しそうになった。物語の展開に対応して、登場人物と同じようにハラハラ、ドキドキできるのもよかった。

 ただ結末はあれでよかったのかどうか。長年の夢の現実を知ってしまい冒険から戻ったカールじいさんは、どんな気持で余生を送ることになるのか、少々心配になった。地域社会に融け込んで幸福な晩年を過ごして欲しい気がした。説明的ではないだけに、観客の想像力にゆだねる部分も多く、けっこう頭をフル回転して観ていたように思う。

 大人から子供まで楽しめるのは確か。それぞれの年代で共感できる場所が違うのだろうと想像する。映画に入り込んだので、3Dだったかどうか、あまり気にならなかった。昔の3D映画の感覚で、なんでもかんでも飛び出させようというのではない手法で作られているのも奥床しい。

 家が数千個の風船のおかげで飛んでいくなど面白すぎて美しくて、大昔のフーセンおじさんや、米国で気球騒ぎを引き起こした日本人の母親を持つ家族のことを思い出したりした。

2009-12-09 00:50
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。