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「熱狂の日」音楽祭2008 546/2008年5月6日(火)18:45~19:45 ホールCマイアーホーファー [演奏会]2008-05-08 [演奏会 アーカイブス]

 最後を締めくくる演奏会である。開場時間になっても客席の準備ができていなくて、ロビー開場となった。開演時間が迫ってもホール内に入れないので、シビレを切らした一部の観客が興奮して係員に絡んでいた。音楽を聴く前に怒り狂うという心境が理解できないが、待っただけの甲斐はあった充実した内容で大満足であった。それにしてもエレベーターの前に立つ係員の女の子を嘘つき呼ばわりする老婦人って…。なんだたんだろう。さすがに他の観客にたしなめられていたが驚きを通り越して哀れに思えた。別会場だが、コンサートとコンサートの間が短すぎると係員に苦情を言っていた老婦人もみかけた。チケット買うときに調べればいいことで、他人に責任をなすりつけるべきではないと思うが、近頃は変わった人が多いように思う。

“1828年3月26日のコンサートのプログラム”
生涯にただ一度、シューベルトの友人たちが開いてくれた自作品のコンサートを再現!

 ピアノが真ん中に置かれ、合唱団の山台が「ハ」の字型に置かれているという変則的な舞台設定。開演準備までに時間がかかるわけである。以下作曲はすべてシューベルトである。

プラジャーク弦楽四重奏団
ヴァーツラフ・・レメシュ(ヴァイオリン)/ヴラスチミル・ホレク(ヴァイオリン)
ヨセフ・クルソニュ(ヴィオラ)/ミハル・カニュカ(チェロ)
弦楽四重奏曲第15番 ト長調D877より第1楽章
まず作曲者最後の弦楽四重奏曲で始まる。今回はほとんど聴くことができなかったが、弦楽四重奏の内省的な音楽性に強く惹かれた。いつかは自分でもアンサンブルをと思うが遠い遠い夢物語である。

シュテファン・ゲンツ(バリトン)
フィリップ・カサール(ピアノ)
「十字軍」D932 「星」D939 「さすらい人の月に寄せる歌」D870 「アイスキュロスからの断片」D450
シューベルトといえば歌曲というイメージがあったが、ようやくここに来て聴くことができた。シュテファン・ゲンツは声量、表現力も申し分なく、若きドイツ歌曲歌手として注目されているにもうなずける演奏だった。

コレギウム・ヴァカーレによる男声合唱
ローザンヌ声楽アンサンブル
ミシェル・コルボ(指揮)
「戦いの歌」D912
ミシェル・コルボの指揮によるベルギーとスイスの合唱団の男声のみが出演。ついさっきまでモツレクを歌っていたローザンヌ声楽アンサンブルのメンバーは蝶ネクタイを締めていて同じステージで移動してきた感じ。男声合唱の魅力爆発。楽しめた!

トリオ・ショーソン
フィリップ・タレク(ヴァイオリン)/アントワーヌ・ランドウスキ(チェロ)/ボリス・ラロシュランベール(ピアノ)
ピアノ三重奏曲第2番 変ホ長調 作品100 D929より第2楽章
ピアノ三重奏曲を天使自ら進んで聴こうとする可能性はほとんどゼロ。期待値も低かったのが、音楽が始まってみれば、すっかり聴き入ってしまって、本公演を聴きに行かなかったことを後悔。来年はチケットが手に入る限り室内楽中心に聴こうと決心。自分の知らないジャンルの音楽に出会えるのも「熱狂の日」ならでは。

クリストフ・アイスホルン(テノール)
岸上 穣(ホルン)
フィリップ・カサール(ピアノ)
「川の上で」D943

ピアノとホルンの伴奏付きの編成。最晩年の作品である。ホルンの岸上 穣は「熱狂の日」にデビュー。多少不安定な部分もあったが、無事にデビューを飾った。珍しい曲というだけで、音楽的な感動は少なかった。

ヴァレリー・ボナール(アルト)
コレギウム・ヴァカーレによる男声合唱
ローザンヌ声楽アンサンブル
フィリップ・カサール(ピアノ)
ミシェル・コルボ(指揮)
「セレナード」作品135 D920

当初発表されていたプログラムの順番が変わって6曲目の予定だったのが最後になってしまった。これで再現コンサートになるのか?という疑問はあったが、コルボの指揮に混成チームの合唱団が素晴らしい音楽を聴かせてくれて大満足。こんなに後味のよい演奏会も珍しい。コルボの音楽で締めくくれた観客は幸福であると思った。

 来年のテーマはバッハだとか。是非早くから計画を練って参加したい。

2008-05-08 22:43
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