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くるみ割り人形 東京バレエ団 東京文化会館 [バレエ]2009-11-29 [バレエ アーカイブス]

2009年11月22日(土) 15時開演 東京文化会館
東京バレエ団創立45周年記念公演VIII
「くるみ割り人形」(全2幕)

◆主な配役◆

クララ:アリーナ・コジョカル
くるみ割り王子:ヨハン・コボー

【第1幕】

クララの父:柄本武尊
クララの母:井脇幸江
兄フリッツ:井上良太
くるみ割り人形:高橋竜太
ドロッセルマイヤー:木村和夫
ピエロ:松下裕次
コロンビーヌ:岸本夏未
ムーア人:小笠原亮
ねずみの王様:平野玲

【第2幕】

スペイン:奈良春夏-後藤晴雄
アラビア:西村真由美-柄本弾
中国:佐伯知香-中川リョウ
ロシア:田中結子-松下裕次
フランス:村上美香-河合眞里-宮本祐宜
花のワルツ(ソリスト):
矢島まい、渡辺理恵、川島麻実子、小川ふみ
宮本祐宜、梅澤紘貴、安田峻介、柄本弾

指揮: デヴィッド・ガーフォース
演奏: 東京ニューシティ管弦楽団
児童合唱:東京少年少女合唱隊

◆上演時間◆
【第1幕】 15:00 ~ 15:55

休憩 20分

【第2幕】 16:15 ~ 17:05

 英国ロイヤルバレエ団のプリンシパルであるアリーナ・コジョカルが全てだった。彼女がいてくれたおかげで極東の貧相なバレエ団の公演が、一流の輝きを持った瞬間が何度もみられた。もう古色蒼然としかいいようのないニコラ・ベノワの舞台装置といい、色彩感の乏しいセンスのない衣裳といい、とても世界に誇る一流バレエ団と思えないレベルだった。この舞台の見所がニコラ・ベノワの装置ということだが、くすんだ色調が何とも場末感をかもしだすのである。別に新しければよかったりするわけではないが、初演から37年も経っているのだから、そろそろリニューアルしてもよいのではないだろうか。それに衣裳の野暮ったさは救いようがないように思った。

 連休中のせいか客席にはお子様の姿が多かったので、どこかのバレエ教室の発表会でも観に行っている気分だった。ダンサーが転んでしまったりと、およそプロらしからぬ出来事まであって、2時間足らずの舞台だというのに退屈した。とにかくクリスマスの楽しさ、夢の世界の美しさといったものが不足しているのである。

 それを救ったのはアリーナ・コジョカルのクララである。王子さまというには、ヴィジュアル的にいささか無理のあるヨハン・コボーと踊った第1幕の後半は、恋を知る前の思春期にさしかかろうとする少女の未来への憧れ、祈りといった感情の高まりがダンスを通じて自然に伝わってくるのが素晴らしかった。テクニックの安定感は当然のこと、演技力と表現力の奥深さは見事というほかはない。さすがに英国ロイヤルバレエ団の人気プリンシパルである。怪我を克服して舞台に復帰したことを心から喜びたい。

 それに比べると、日本人ダンサーはいずれも小粒で、なかなか目を引くようなダンスにお目に掛かることができなかった。それでもマイ・キャスト公演と銘打ち、若手を抜擢した新人公演を催すなど、どこかのバレエ団のように看板ダンサーをいつまでも舞台に君臨させるよりはましではあるが…。

 東京バレエ団は、来年5月にクランコ振付の傑作「オネーギン」を初演するようである。ゲストを呼ばずに日本人キャストだけの上演になるのだろうか?念願だった作品だけに期待は大きいのだが、チャイコフスキー記念と冠があるのだから、古典の基本演目にもっと力を入れていく姿勢を望みたいものである。

2009-11-29 21:44
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