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眠りの森の美女 レニングラード国立バレエ~ムソルグスキー記念/ミハイロフスキー劇場 [バレエ]2009-01-17 [バレエ アーカイブス]


 サンクトペテルブルグにあるにもかかわらず、日本ではレニングラード国立バレエと堂々と名乗る招聘元の光濫社の神経。しかも毎年、年末から年始にかけて来日することで、まったく有難味を感じないし、会場も東京国際フォーラムAホールなんていう巨大ホールで「白鳥の湖」を上演する感覚。何もかも趣味に合わないバレエ団なのだけれど、イープラスで半額チケットが投げ売りされていたので、東京文化会館ならいいかな?とノコノコとでかけた。開演前に同行した知人と飲んだ日本酒が効いてしまって、良い心持ちで席についた。

 この劇場の二枚看板?ペレンとシェスタコワが、オーロラ姫をそれぞれ踊るうち、初日のペレン&ヤフーニューフ組にでかける。もっとも宝石の精/ダイヤモンドでシェスタコワが出演していたので得?した感じ。原典版に沿って、第2幕の間奏曲もカットなし、しかも第2幕も延々と踊るので、上演時間は約3時間半という長丁場になってしまった。ロイヤルバレエやシュッツガルトなど短縮版に慣れているので、全体的に冗漫に感じられてしまうのは仕方がない。

 それにしても、いくらバレエの伴奏と割りきっているとはいえ、オーケストラの奏でる音楽の酷さに閉口。ロシア的というのか、おおざっぱで緻密さに欠ける演奏に終始した。特に打楽器と金管楽器の暴走ぶりは凄まじかった。音楽全体にメリハリをつけるならともかく、馬鹿の一つ覚えのように強奏するのと、ちょっと複雑な部分は全部演奏しない?演奏できないという下手くそぶりで参った。

 主役はともかく、ソロを踊るクラスでも振付が怪しかったり、他のダンサーとの距離感がいい加減でぶつかりそうになったり、ハラハラドキドキでびっくり。子供たちで助演した高木淑子バレエスクールのお子様達の方が、ずっと安心してみられるというのもなんだかなあ…。装置が古かったり、衣裳の趣味がケバかったりするのは我慢するけれど。

 そんな不満を吹き飛ばす主役コンビが素晴らしいダンスで満足させてくれた。まずペレンは、ローズアダージョのバランスこそ超絶技巧をみせるわけではないが、登場した瞬間から観客の心を掴む存在感、足捌きと腕の美しさに唸らされた。デジレ王子を踊ったヤフニュークも確かなテクニックで観客を魅了した。この二人のダンスを観られただけで、まあチケット代のもとはとった感じ。この二人は第3幕の冒頭、婚礼衣装で登場するという演出だった。

 バレエ団全体がレベルアップの努力を積み重ねれば、高水準の舞台を披露できるはずなのに、長期の日本公演などやっている場合ではないのかも。

2009年1月17日(土)17:00開演 東京文化会館
<キャスト>
オーロラ姫  イリーナ・ペレン
デジレ王子  アンドレイ・ヤフニューク
リラの精  イリーナ・コシェレワ
カラボス  アレクサンドル・オマール

王 マラト・シェミウノフ
王妃 ズヴェズダナ・マルチナ
式典長 ウラジーミル・ツァル
従者 アントン・アパシキン

妖精たち/
優しさの精 ダリア・エリマコワ
元気の精 マリア・ドミトリエンコ
鷹揚の精 タチアナ・ミリツェワ
呑気の精 アンナ・クリギナ
勇気の精 ヴィクトリア・クテポワ

4人の王子
       ニコライ・コリパエフ
       デニス・モロゾフ
       アンドレイ・カシャネンコ
       ミハイル・ヴェンシコフ

宝石の精/
ダイアモンド オクサーナ・シェスタコワ
金、銀、サファイア ダリア・エリマコワ
           オリガ・グローモワ
           ヴァレリア・ジュラヴリョーワ

フロリナ王女 タチアナ・ミリツェワ
青い鳥 マクシム・エレメーエフ
白い猫 アンナ・クリギナ
長靴をはいた猫 アレクセイ・クズネツォフ
赤頭巾ちゃん ユリア・チーカ
狼 ニキータ・クリギン
人食い鬼 ウラジーミル・ツァル
人食い鬼の奥さん アントン・アパシキン

ファランドール ナタリア・クズメンコ
         デニス・トルマチョフ

子供たち:高木淑子バレエスクール

指揮:ミハイル・パブージン
管弦楽:レニングラード国立歌劇場管弦楽団

タイム・スケジュール:第1幕65分 休憩20分 第2幕50分 休憩20分 第3幕50分

2009-01-17 23:30
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