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女殺油地獄 2月文楽公演・第三部 [文楽]2009-02-18 [文楽アーカイブス]

もっと型破りな芸を 

先日、第二部の始まる前に、Cypressさんと歩いていたら、Cypressさんがご贔屓にしているMさまをみかけた。へえ~、CypressさんはMさまが好きなんだ…。そしたら今朝、仕事場でMさまにバッタリ。何故Mさまがここに?思わず話かけてしまった。以前には、やはりCypressさんがお好きなナマIさまとも会ったことがある天使。会いたくても会えないCypressさん、ごめんなさい。そのCypressさんは、すでに「女殺油地獄」を観ているばかりでなく、今月は大阪・松竹座の愛之助主演の「女殺油地獄」も観ていて比較を楽しまれたようだった。

 
 人間が演じる「女殺油地獄」と人形が演じる「女殺油地獄」は、どこが違うのだろう。人気役者が与兵衛を演じると、やはりどこかに自意識が残っていて、とんでもない奴であっても、何かしら救われる部分が残っていたりする。ところが、人形には自制がないので、トコトン落ちるところまで落ちてしまった人間をみせて作品が本来持つ力を十分に伝えていたように思う。

 見応えがあったのは、勘十郎で人間には不可能な動きを駆使して、油にのたうちまわわる地獄のさまを演じてみせた。人間では、本物にみえる油にまみれ、血潮も飛ぶが、そうした生々しさがなくても、観客を戦慄させて見事であった。それには咲大夫の力量も見逃せない。まさに円熟期を迎えていて、現在の文楽で一番の実力の持ち主であることを照明していたように思う。綱大夫とともに、若い時から期待されたホープなのだが、なかなか難しい問題があって、重用されていないように感じるのは残念である。

 不満を感じたとすれば、あまりに型どおりの展開で、少々物足りなく感じたことぐらいである。文楽全体に言えることだが、もっと型破りなものがあってもいいのではないだろうか。大阪では上演されている新作?なども、東京で上演したら良いと思う。東京の客席で多く見かける生真面目な観客を驚かすような演目があってもいい。

2009-02-18 22:17
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