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劇団四季ソング&ダンス 55ステップス [ミュージカル]2009-01-02 [ミュージカル アーカイブス]

 いつも1月2日は歌舞伎座の初春興行の初日に駆けつけるのだが、今年は歌舞伎座さよなら公演の古式顔寄せ式があるので3日初日になってしまった。そこで普段はできない初詣と劇団四季のミュージカルの初芝居にでかけることにした。

 成田山新勝寺と柴又帝釈天に初詣。天気が良くて人出が多かったようだ。同じく四季劇場「秋」も満員の盛況だったのは何より。第一幕が約60分。第二幕が約65分。お正月なので幕間に和太鼓の演奏と餅つきのパフォーマンスなどがあり盛りだくさんな内容。作品ごとに完成度にバラツキがあり、歌の部分では退屈させられる部分もあったが、主にダンサーたちの活躍によってシンプルな舞台でありながら見応えがあった。

 今回は「ドレミの歌」で観客を舞台に上げ、パフォーマンスに参加させる趣向と観客を同じく舞台に上げて餅つきをさせる演出があった。どちらも劇団四季にとっては禁じ手のような気もするが、観客動員を考えると仕方のないことなのかもしれない。

 幕が開くとバンドが乗った装置が後ろに引かれ何もない空間が広がる。舞台には特設された周り舞台があって、丸い穴が開いたパネルが左右から出てきて劇空間を構成。さらに移動する二本の柱や階段、回廊などで変化をつけていたが、黒を中心として地味?な舞台装置だった。

 ダンサーには極限までの技術と体力を求めるような振付がなされていて、シュープな切れ味があって面白いのだが、やや単調になった部分もあったように思う。稽古場に流した涙と汗を感じさせる?という生真面目一方のダンスは見ていて疲れる。踊っている人間が楽しんでいるような余裕がないのが残念。そんな中では、『オペラ座の怪人』からの「ミュージック・オブ・ザ・ナイト」にあわせてのバレエのパ・ド・ドゥが作品に寄り添っていて、技術的には物足りない部分もあったが美しくて楽しめた。

 ヴォーカリストはダンサーに比べると精彩を欠いたように思う。男性陣は個性的であったが、女性陣は個性に欠けていた。ソロ・ナンバーでは、観客の期待を受け止めるだけの歌唱力がない歌手が見受けられた。特に第一幕の『ノートルダムの鐘』から『マンマ・ミーア!』までは弱かった。ダンスパートが見事だっただけに残念。

 ダンスも必死、一生懸命は理解できても、それだけでは観客を熱くできないのがもどかしい。何もかもが、そんな舞台だった。やはりスター性のある俳優がいないのが厳しいと思う。人気スターが去ってしまって前途多難といったところだろうか。このクオリティでロングランが可能とは、とても思えないのだが3月までは続くらしい。個性を出そうとしている若手俳優よりも、真面目なサラリーマンが舞台に上がってしまったような高井治に目が釘付けになってしまった。歌専門だと思ったら、ダンスやドラムを叩くなど涙ぐましい彼の活躍は見てもいいかも。

ヴォーカルパート
阿久津陽一郎 高井治 李 涛

井上智恵 木村花代 花田えりか

ダンスパート
西尾健治 萩原隆匡 松島勇気
徳永義満 斎藤洋一郎 岩崎晋也
脇坂真人 神谷 凌 厂原時也

中元美里 駅田郁美 杏奈
須田綾乃 柴田桃子 恒川 愛
坂田加奈子 高倉恵美 斉藤美絵子
海野愛理 泉 春花 山本奈未
織田なつ美

曲目リスト
1幕
オーバーチュア「間奏曲(田舎人の合唱のフーガ)」
          「ヴィヴァルディ四季」
『アプローズ』より「ようこそ劇場へ」
『アプローズ』より「アプローズ」
『アイーダ』より 「愛の物語」
『アイーダ』より「勝利ほほえむ」
『アイーダ』より「星のさだめ」
『ライオンキング』より「シャドーランド」
『ライオンキング』より「早く王様になりたい」
『壁抜け男』より「最新ニュースのジャヴァ」
『ノートルダムの鐘』より「僕の願い」
『ノートルダムの鐘』より「トプシー・ターヴィー」
『ノートルダムの鐘』より「ゴッド・ヘルプ」
『メリー・ポピンズ』より「チム・チム・チェリー」
『マンマ・ミーア!』より「夢があるから」
『マンマ・ミーア!』より「手をすり抜けて」
『サウンド・オブ・ミュージック』より「ドレミの歌」
『リトル・マーメイド』より「パート・オブ・ユア・ワールド」
『美女と野獣』より「ビー アワ ゲスト(おもてなし)」

幕間「新春特別パフォーマンス」和太鼓&餅つき

2幕
『夢から醒めた夢』より「夢を配る」
『ユタと不思議な仲間たち』より「夢をつづけて」
『ユタと不思議な仲間たち』より「見果てぬ夢」
『ミュージカル異国の丘』より「アレキサンダーズ・ラグタイムバンド」
『ミュージカル異国の丘』より「名も知らぬ人」
『ミュージカル李香蘭』より「二つの祖国」
『ミュージカル南十字星』より「炎の祈り」
『ミュージカル南十字星』より「バリ舞踊」
『ミュージカル南十字星』より「祖国」
『ジーザス・クライスト=スーパースター』より「ピラトの夢」
『キャッツ』より「ラム・タム・タガー~つっぱり猫」
『キャッツ』より「メモリー」
『オペラ座の怪人』より「ミュージック・オブ・ザ・ナイト」
『エビータ』より「飛躍に向かって」
『エビータ』より「ブエノスアイレス」
『スターライト・エクスプレス』より「スターライト・エクスプレス」
『ソング・アンド・ダンス』より「ヴァリエーションズ(パガニーニ)」
『ジーザス・クライスト=スーパースター』より「スーパースター」

カーテンコール
『クレイジー・フォー・ユー』より「アイ・ガット・リズム」
『マンマ・ミー・ア!』より「恋のウォータールー」
『ウィキッド』より「魔法使いと私」

2009-01-02 20:34
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コメント 1

こんにちは

お風呂で言うと、一番湯のようなものです・・
最初の馴染んでいない部分を見てしまったんですね
これからは、少しは垢が浮いているくらいの馴染んだ
柔らかい部分を堪能したらどうかな・・と文章を読んで
感じました

プロの集まりですが、生身の演技です
大目に・・・などとは決して思いませんが安心した物を
見たければ、どの位のレベルになっているかを把握してから
見るようになされば満足できると思います。
by こんにちは (2010-01-31 08:26) 

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