SSブログ
エッセイ アーカイブス ブログトップ
前の10件 | 次の10件

10月のMVP マイケル・ジャクソン [エッセイ]2009-10-31 [エッセイ アーカイブス]

 10月28日までは、今月のMVPは歌舞伎座で「義経千本桜」の知盛を演じた吉右衛門で、文句なく決まりだと思っていた。ところが、世界同時公開の「マイケル・ジャクソン THIS IS IT」を初日に観に行ったら、すっかりハマってしまって、仕事帰りに3日連続で観にいっている。3度目でも、毎回毎回、新しい発見がある。熱唱し、激しく身体を動かし続けるマイケル・ジャクソンの心の中を想像しようと何度も試みるが、とってもピュアな人だということが痛いほど判る。これほど純粋に音楽に全てを捧げている人を知らない。

 亡くなってしまって、もうこの世にいないということは理解していても、「マイケルは死んでいないのではないか」という想いが消えない。回数を重ねる毎に、彼のハートのある歌声に秘められた切ない想いに泣かされる。彼の愛は永遠にファンの心の中に生き続けるのだと感じた。2週間の限定上映だが、あと数回は絶対に観るつもりである。

 それにしても、映画の途中で飽きたのか、退場してしまう馬鹿カップルだとか、エンドロールが始まるとゾロゾロ帰る阿呆が多くて、田舎だから仕方ないとはいえ超BADである。思わず中指を立ててしまった天使…。天使にあるまじき行為を深く反省。「縁なき衆生は度し難し」と達観するのが精神的には、よろしいのかも。「怒っているじゃないんだ。愛だよ。L.O.V.E」


2009-10-31 00:57

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

新しい新歌舞伎座のこと [エッセイ]2009-10-30 [エッセイ アーカイブス]

 新しい新歌舞伎座の概要が発表になったので転載しておく。コンクリート造りながら御堂筋に面した桃山風?の偉容は、道頓堀の中座や松竹座とは違った雰囲気を醸し出していた。歌舞伎劇場ながら、敷地の関係で回り舞台がなくて、スライディングステージを使っての舞台転換など、使い勝手が悪そうだったり、歌舞伎がほとんど掛からず、歌手の座長芝居が主だったので、天使は何度も劇場の前を通ったことがあるのに縁のない劇場だった。

 そのせいか、歌舞伎座のように改築に反対の意見もなく、上本町にできる近鉄のビルの6階から8階にできるようである。明治座や博多座のような感じの劇場になるらしい。2010年9月に市川猿之助が演出した舞台で柿葺落としとなるようである。少しは馴染みのある劇場に生まれ変わるのだろうか…。さて、東京の歌舞伎座はどうなることやら。

新劇場の詳細仕様決定!


近鉄創業百周年記念事業の一つとして建設中の「上本町駅南複合ビル(仮称)」。大阪新歌舞伎座・ショッピングモール・オフィスからなるこのビルは、来年夏のオープンを目指し、日々、建設工事が進んでいます。
大阪新歌舞伎座新劇場の詳細仕様が決定しましたのでお知らせします。

1.新劇場の新しい顔 (唐破風と櫓)
「上本町駅南複合ビル(仮称)」と近鉄百貨店上本町店の間の歩行者空間に面する外壁には、なんば新歌舞伎座の外観上の特徴であった連続唐破風(からはふ)を継承し、現代的にアレンジしたアルミキャストのルーバーが設置されるほか、劇場や芝居小屋の象徴である櫓(やぐら)も設置され、新劇場の新しい「顔」となります。

2.現代的な和を感じさせる落ち着きのある内装デザイン
劇場内のデザインは、古式劇場の伝統的なスタイルとなんば新歌舞伎座の趣を継承しながらも、過剰な装飾を廃し、現代的な和を感じさせる落ち着きのあるデザインとすることにより、多様な演目に対応できる空間が構成されます。



--------------------------------------------------------------------------------
3.客席空間 (演者と観客の距離が近く、臨場感溢れる客席空間を継承)
客席は、なんば新歌舞伎座の特徴であった、演者と観客の距離が近く、臨場感溢れる空間を継承し、間口約28.1m、奥行約22.4mの横長で奥行きの浅い、3層構造の客席です。どの席からも舞台が近く、演者を目の前に感じることができる客席は、お客様に他の劇場では味わえない体験をして頂けることでしょう。
(1)客席数  固定席1456席、車椅子席8席、合計1464席
※劇場2階客席最前列には特別席を設置
(2)客席形式 3層バルコニー形式

4.舞台設備 (廻り舞台を新設、間口・奥行が広く、最新設備で多様な演目に対応)
舞台構造は、廻り舞台と花道を備えた本格的な伝統的スタイルのプロセニアム形式で、幅約20.0m、高さ約8.2mと間口の広さが特徴です。
舞台設備には、なんば新歌舞伎座にはなかった廻り舞台(直径14.5m)を採用するだけでなく、廻り舞台内にも3基の迫(せ)りを設けることとし、演目に応じて着脱可能な可動式の花道にはすっぽん迫(せ)りを設置することにより舞台表現の自由度が高まり、より豊かな演出が可能です。
また吊物機構、音響、照明についても最新の設備を採用し、古典芸能から現代演劇、歌謡ショー、ミュージカルなど多様な演目に対応しています。
(1)舞台形式   プロセニアム形式
(2)プロセニアム(舞台額縁)サイズ  間口約20.0m 高さ約8.2m
(3)すのこ高さ  舞台面+19.8m
(4)奈落深さ   舞台面-6.8m
(5)廻り舞台   直径14.5m

5.ロビー・ホワイエ (非日常空間へ向かう高揚感を演出)
劇場客席に至るまでのロビー・ホワイエは、ビルの下層階のショッピングモールが持つ日常性から一転して、華やかな舞台の非日常空間へと向かうお客様の心の高揚感を演出することがコンセプト。お客様が新劇場のロビーに到着されてから客席に着かれるまでの動線、6階ロビー⇒ホワイエ⇒客席の順に、床のじゅうたんを落ち着いた紺色(ロビー)から、華やかな興奮色であるエンジ色(ホワイエ)を経て、深紅色(客席)へと徐々に変化させ、お客様の期待感を高めながら客席に導いていく劇的な空間づくりに留意しています。


6.バリアフリー設備、トイレの増設など
(1)バリアフリー設備
地下1階から新劇場ロビーのある地上6階まで直結するエレベーターや、下層階のショッピングモールから新劇場ロビーに通じるエスカレーターが設置されます。
また、劇場内にもエレベーター、エスカレーター、スロープが設置され、3層ある客席階を段差なく移動することが可能です。
(2)トイレ増設
これまでなんばの新歌舞伎座で待ち時間を長く要していた女性用トイレについても、その数を69個と大幅に増やすとともに、トイレの出口と入口とを別にしたワンウェイタイプとすることで、混雑を緩和します。
(3)その他
お弁当、コーヒー、スナック、お土産やグッズなどをご購入いただける売店やジュースの自動販売機を設け、快適な観劇をサポートします。


柿葺落公演、決定!

新劇場の柿葺落(こけらおとし)公演が決定しました。

新歌舞伎座開場記念
柿葺落興行
松竹花形歌舞伎
市川猿之助総監修
21世紀歌舞伎組公演


公演日程:平成22年9月3日~22日

2009-10-30 23:46
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:演劇

猿翁十種  悪太郎と黒塚  亀治郎と右近 [エッセイ]2009-10-26 [エッセイ アーカイブス]

 来年のお正月、新春浅草歌舞伎と新橋演舞場の初春花形歌舞伎の演目が発表になった。歌舞伎座。国立劇場、さらには大阪・松竹座と東西五座で歌舞伎がかかるようである。浅草歌舞伎からは獅童がぬけ、新橋演舞場へ。浅草には愛之助が加わっているのが目新しい。

 そして注目されるのは、亀治郎が『悪太郎』、右近が『黒塚』と猿翁十種 を初役?で取り上げることである。どちらも猿之助の専売特許で、彼以外には誰も演じていないはずである。本当は亀治郎に『黒塚』を演じて欲しかったのだが、さすがに大切な狂言だけあって、まだ早いという判断がされたのであろう。また、猿之助も今の内に家の芸を継承させて、次代に繋ぎたいという思いもあったのだろう。はからずも澤瀉屋にとって重要な作品が競演となった。

 生臭いことをいえば、『黒塚』を亀治郎には演じさせない。猿之助の名は襲名させないと宣言したともとれるのだが、歌舞伎の将来を見据える猿之助のことであるから、そんな小さな事は考えていないだろうと思う。自分の復活した通し狂言の中でも大当たりした『伊達の十役』を海老蔵に任せたのだから、これは猿之助の仕事を未来に伝えていこうとする考えの現れなのだと考えるのが普通だろう。そうした猿之助の抜擢に応え、亀治郎、右近、海老蔵が好演してくれることを心から祈りたい。

新春浅草歌舞伎
平成22年1月2日(土)~26(火)
第1部(午前11時開演)

お年玉〈年始ご挨拶〉

一、正札附根元草摺
      曽我五郎  市川亀治郎
      小林朝比奈  中村勘太郎

二、元禄忠臣蔵
  御浜御殿綱豊卿

      徳川綱豊卿  片岡愛之助
      中臈お喜世  中村七之助
      祐筆江島  中村亀 鶴
      新井勘解由  市川男女蔵
      富森助右衛門  市川亀治郎

三、忍夜恋曲者
  将 門

      傾城如月実は滝夜叉姫  中村七之助
          大宅太郎光圀  中村勘太郎

第2部(午後3時30分開演)

お年玉〈年始ご挨拶〉

一、奥州安達原
  袖萩祭文
     袖萩/安倍貞任  中村勘太郎
     八幡太郎義家  中村七之助
     平傔仗直方  市川男女蔵
     安倍宗任  片岡愛之助


二、猿翁十種の内 悪太郎
     悪太郎  市川亀治郎
     智蓮坊  中村亀 鶴
     太郎冠者  市川男女蔵
     安木松之丞  片岡愛之助

新橋演舞場
初春花形歌舞伎
平成22年1月2日(土)~26日(火)
昼の部

一、寿曽我対面
       曽我五郎  獅 童
       曽我十郎  笑 也
       工藤祐経  右 近

二、猿翁十種の内 黒塚
     老女岩手実は安達原鬼女  右 近

三、新歌舞伎十八番の内 春興鏡獅子
      小姓弥生後に獅子の精  海老蔵

夜の部

  慙紅葉汗顔見勢
  猿之助十八番の内 伊達の十役
  市川海老蔵十役早替り宙乗り相勤め申し候

  発 端     稲村ヶ崎の場
  序 幕 第一場 鎌倉花水橋の場
      第二場 大磯廓三浦屋の場
      第三場 三浦屋奥座敷の場
  二幕目     滑川宝蔵寺土橋堤の場
  三幕目 第一場 足利家奥殿の場
      第二場 同床下の場
  四幕目 第一場 山名館奥書院の場
      第二場 問註所門前の場
      第三場 問註所白洲の場
  大喜利 「垂帽子不器用娘」

     口上  
     仁木弾正/絹川与右衛門 海老蔵
     赤松満祐/足利頼兼
     土手の道哲/高尾太夫  
     腰元累/政岡
     荒獅子男之助/細川勝元

     渡辺民部之助   獅 童
    八汐/祐念上人  右 近
    京瀉姫  笑 也
    渡辺外記左衛門  市 蔵
    沖の井   門之助

2009-10-26 22:05
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:演劇

劇場の天使 ~10月24日を忘れない~ [エッセイ]2009-10-23 [エッセイ アーカイブス]

その人と出会った瞬間、雷に打たれたような気がした。
 
見ず知らずの他人同士なのに
「この人と死ぬまでつきあうことになる」
そして22年間、実際にその通りになった。
 
誰の人生にも、そんな瞬間があるのだろうか。
19歳だった天使の人生は、その時から大きく変わった。
その人のおかげで、幸福な人生だった。
それが今もズッと続いている。

歌舞伎座で、その人と出会ったのが31年前の10月24日。
 
あまりに順風満帆な人生、困ったときには、必ず助けてくれる人が、
どこからともなく現れる。一体誰に感謝していいのやら。

天使も誰かの支えになれたらと願って生きる毎日である。


2009-10-23 23:55
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:演劇

みたび吉右衛門の知盛へ [エッセイ]2009-10-22 [エッセイ アーカイブス]

今月は歌舞伎座の昼の部を24日(土)に観る予定なので、何気なくチケットWEB松竹をのぞいたら、夜の部の3階席が1枚だけ売り出されているのを発見。「もう一度、吉右衛門の知盛を観よ」という天の声と判断して、早速に購入。実はこの日は別の予定があって、残念ながら菊五郎の忠信は観られないのだが、吉右衛門、富十郎、玉三郎、段四郎の名演を、しっかり見届けようと思う。

 同じ演目を三度も観にいくのは本当に久しぶり。こういうこともあるかと、歌舞伎は初日近くに観て、よければ再び観に行くのを長い間の習慣としていた。このところ、再び観たいと思う演目は、吉右衛門がらみが多いと思う。近年では「傾城反魂香」の又平が、超名演で驚いたが、今回の知盛もそれに劣らずに凄い。周囲の配役も理想的だし、歌舞伎座の最後に、後世までの語り草となる舞台に出会えて本当に幸福である。残りはあと3日間。どうか見逃さないで!

2009-10-22 22:47
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:演劇

劇場の天使 ~歌舞伎座掌本~ [エッセイ]2009-10-21 [エッセイ アーカイブス]

 歌舞伎座の東側のロビー、食事予約受付カウンターの向かいにチラシなどが置かれているテーブルがある。そこには、歌舞伎ファンな誰でも知っている無料の16ページの小冊子、『歌舞伎座掌本』がある。いつ頃から置かれるようになったのか、その歴史は知らないが、天使が歌舞伎を見始めた頃にはあったので、30年以上は続いているはずである。

 定式幕の表紙、水落潔氏による芝居の短くても的確な解説「狂言手習鑑」(ときどき演出が違っていて、その間違いを探すのも楽しい)、「歌舞伎散歩道」、「豆知識」、「次月の公演案内」、「読者ページ・聲飛客芝居往来」、「今月の芝居」と内容はいろいろ変わったが、今の形に定着しているようである。

 一番の楽しみは、一般の観客が感想を寄せる「読者ページ・聲飛客芝居往来」である。常連の投稿者もいれば、まったく初めての人もいて、同じ芝居でも感じ方が違うものだと感心させられる。もっとも否定的な意見は採り上げられないようで、少々誉めすぎだなと感じないこともない。とにかく120字で芝居の感想をまとめるのは、なかなか大変なことだと思う。年齢と観劇歴が書かれているのも興味深い。

 掲載されても、謝礼はなく抽選で舞台写真がもらえるだけでらしい。それでも投稿が減らないのは、歌舞伎を観て、感想を書くという習慣ができあがっているからだろう。常連の投稿者では、荒川区の78歳、観劇歴61年の西沢成孔氏に注目している。過不足なく、書くべきことは書いているというのが好印象である。ながながと感想を書き連ねる劇評家や天使のようなブロガーなど、到底及びもつかないような着眼点のよさに感心するばかりである。

 歌舞伎座が工事中はどうするのか?新しい歌舞伎座にも置かれるのか?誰も何も言わないけれど、幕見席と同じく、是非とも続けて欲しいもののひとつである。

2009-10-21 08:20
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:演劇

劇場の天使 ~パリ・オペラ座バレエ団を予約する~ [エッセイ]2009-10-20 [エッセイ アーカイブス]


 NBS日本舞台芸術振興会からDMが届いた。来春に来日公演が予定されているパリ・オペラ座バレエ団のセット券の優先予約である。しかも詳細が発表になっていないのに、2月の「マニュエル・ルグリの新しき世界」もパリ・オペラ座バレエ団のセット券を予約すれば、こちらも先行して受け付けてくれるというものである。

 なんとも悩ましい。同時期に新国立劇場の「ジークフリート」や「神々の黄昏」もあって、こちらは既に購入済みである。さすがにパリ・オペラ座バレエ団に全公演でかける訳にはいかないので、主役の顔ぶれで選ぶしかない。「マニュエル・ルグリの新しい世界」もルグリとギエムが16年ぶりで共演するBプロのみを選択した。元エトワール同士の共演で、これも大変楽しみである。



パリ・オペラ座バレエ団2010年日本公演

「シンデレラ」全3幕
 2010年          シンデレラ /映画スター
3月12日(金)6:30p.m. アニエス・ルテステュ/ ジョゼ・マルティネス
3月13日(土)1:30p.m. マリ=アニエス・ジロー /カール・パケット
3月13日(土)6:30p.m. デルフィーヌ・ムッサン/ マチュー・ガニオ
3月14日(日)1:30p.m. マリ=アニエス・ジロー /カール・パケット
3月15日(月)6:30p.m. デルフィーヌ・ムッサン /マチュー・ガニオ

「ジゼル」全2幕
 2010年         ジゼル /アルブレヒト
3月18日(木)7:00p.m. アニエス・ルテステュ /ジョゼ・マルティネス
3月19日(金)7:00p.m. ドロテ・ジルベール/ マチアス・エイマン
3月20日(土)1:30p.m. アニエス・ルテステュ/ ジョゼ・マルティネス
3月20日(土)6:30p.m. イザベル・シアラヴォラ/ バンジャマン・ペッシュ
3月21日(日・祝)1:30p.m. オレリー・デュポン/ ニコラ・ル・リッシュ

【会場】東京文化会館

【入場料(税込)】
S=¥25,000 A=¥22,000 B=¥19,000  C=¥15,000 D=¥11,000 E=¥7,000
エコノミー券=¥6,000 
(2010年2月21日(金)よりイープラスのみで受付。お一人様2枚まで)
学生券=¥3,000 

で選んだのは、「シンデレラ」はマリ=アニエス・ジローとカール・パケット組を選んだ。カール・パケットは、まだプリミエ・ダンスールなのだが、日本公演の主役を任されるくらいなので、次期エトワール候補なのだろう。来日時には、エトワールに昇格しているかもしれないし、もしかしたら日本公演終了後にエトワールに指名なんてことにならないだろうかと密かに期待しての購入である。人気はアニエス・ルテステュと ジョゼ・マルティネス組とデルフィーヌ・ムッサン とマチュー・ガニオ組に集中するだろうから、良い席が手に入りやすいだろうという読みもあった。継母を誰が踊るかも問題なのだが、 ジョゼ・マルティネスなら最高だが、さすがに、この日は登場しないだろう。

 「ジセル」は、迷わず当初来日予定のなかった オレリー・デュポンと ニコラ・ル・リッシュ組を選んだ。世界バレエフェスティバルでの アニエス・ルテステュの印象が強いので人気を集めるだろうが、たった一回だけのデュポンと ル・リッシュも人気を集めるに違いない。

 それにしてもチケット代がけっこうなお値段なのに、「ジゼル」が東京フィルハーモニー交響楽団なのは納得でも、「シンデレラ」が東京ニューシティ管弦楽団というのは差がありすぎないだろうか。もっとも「ジゼル」と同時期に新国立劇場で東フィルは「神々の黄昏」を演奏しているので、初台が一軍で上野が二軍なんだろうけれど…。

2009-10-20 00:13
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:演劇

『オペラ歌手奮闘物語 繰り返せない旅だから四 最終巻』を読んで [エッセイ]2009-10-17 [エッセイ アーカイブス]

 先週の土曜に東京室内歌劇場の公演のロビーで畑中先生とお会いした。後から後からご挨拶にみえる方が多く、一言二言言葉を交わしただけだが、先生が雑誌「音楽の友」に連載していた「繰り返せない旅だから」の最終巻「オペラ歌手奮闘物語」が出版されたとお聞きして早速に買い求めた。
オペラ歌手奮闘物語 繰り返せない旅だから 四 最終巻

オペラ歌手奮闘物語 繰り返せない旅だから 四 最終巻

  • 作者: 畑中 良輔
  • 出版社/メーカー: 音楽之友社
  • 発売日: 2009/09/16
  • メディア: 単行本



 「二期会の『蝶々夫人』を見て参りました。先生の持ち役はヤマドリでしたね」と言ったら、先生は少々不機嫌に…。地雷を踏んでしまったようである。その理由は、204ページの『「労音」の台頭』に書かれている。

 天使は車を運転するときはメガネをする。オペラの舞台に上がったときはメガネを外したのだが、指揮者が全然見えないで往生した。「先生はどうしていたんですか?」その答えは、218ページ『《夏の夜の夢》のごとく』にある。

 天使の愛読書、美輪明宏先生の『紫の履歴書』に芸大教授という肩書きで畑中先生が実名で登場。何故ですか?とは恐くて聞けないでいる。その答え?は、97ページ「プリマ・ドンナの系譜」にある。

 今年、国立博物館にやって来た興福寺の阿修羅像。同じくやって来た天竜八部衆の中の、ある仏像に天使は似ていると言われ続けてきた。それは畑中先生が一番お好きな仏像だとか。何かに耐えているような少年の古拙の微笑と先生が描写している仏像。それは何か?その答えは、134ページ「阿修羅像との出遭い」に書かれています。天使の部屋には、その仏像の絵が掛けてあります。偶然とはいえ、驚きました。

 すべては雑誌「音楽の友」に2007年2月号~2009年4月号に連載されたものである。あとがきは今回書かれたものである。感動したので採録させていただきます。

あとがき-感謝をこめて

 大した才能も亡いのに深く考えもせず、ただ中学校の卒業希望校を提出せよと言われたので、数学のない学校を探したら音楽学校があった。そこで「東京音楽学校」と書いて出したら、翌日教員室から呼び出しが来て、教頭以下十数名の先生に囲まれ、「君が音楽学校を受験?ははは、止め給え止め給え」の嘲笑の渦。それまで人前で歌ったこともなく、ピアノを弾いたこともない私が、かえって「絶対に受けてやる」との意思を固めて上京。その後の浪人時代の失敗続きを綴った『音楽少年誕生物語』。一年間、必死の勉強の甲斐あって運よく入学。戦争が迫りくる音楽学校時代を描いた『音楽青年物語』。そして音楽学校卒業後、戦争、出征、復員。戦後の混乱の中で、何とか音楽と共に生きるべく、我ながら凄まじい苦闘の中でオペラへの道を辿る『オペラ歌手誕生物語』。この三冊の《自分史》ともいえる時代に加え、今ここに第四冊の『オペラ歌手奮闘物語』がまとめられた。

 いずれの章も月刊『音楽の友』誌に連載されたものであるが、一回の休載もなく百十二回に及ぶ長期の連載は、読者諸氏の熱い支持と励ましなくしてはあり得なかったことを、心より感謝している。中でも第三冊目の『オペラ歌手誕生物語』が、日本エッセイスト・クラブ賞に選ばれ、更なる力を与えられた。

 ブリテンの名作オペラ《夏の夜の夢》日本初演に出演したのを最後に、私はオペラの舞台に立つのをやめた。それはこの四冊目に記したが、オペラに関する制作、指導などの仕事は今なお続けている。

 八十七歳の今日に至るまで、思い返してみると、何と私はいろいろな人に支えられてきたのかと思わざるを得ない。どんな困難な時にも。何かしら私に勇気を与え励ましてくれる人が必ず現れてくる。六白金星の生まれは強運に恵まれるんだよとか、私の守護神は福岡県の宗像大社、天照大神の二人の妹神だとか、私の運勢を占ってくれる人も多くいる。そうしてそれらの全ては、私がよく生き、よく働き、人を幸せにすることが私に与えられたこの世の努めなのだ、と最近つくづく思うようになった。そのため、私の周囲の人たちは、私に何かしらの「力」を与えてくるているに違いない。私を嘲笑したあの中学校の教頭先生の一言が、今もなお私を激励してくれているのである。私のパワーの源なのだ。それと、この私に「舞台に立つ」心意気を与えて続けてくれる力。それは両親から受け継いだものかもしれない、と思うようにもなってきた。手許に残された父親の一枚の写真。二十歳のとき三味線を弾いている舞台上の父。また凜とした姿勢で琴を弾いている母の気魄。そうして幼い頃から、母の箏・三絃教授を横で毎日見ていた体験が、音楽教育者としての原点にあるように思える。

 そうして私のため、文学の道を捨てた姉、また音楽時代から、ひたすら我が家を守り、私たち一家を差さえ続けた二度目の母の誠実さにも、今、この歳になって感歎、感謝の念を持ちつつ、生活の支えとする日々である。口には言えなかったが、妻、更予の歌に私は憧れていた。今なお消えやらぬその音楽の純粋さに、私は一生憧れ続けたいと思っている。

 私の周りの、そしてこの本を手に取られた皆さんの心の中に、ひたすらな音楽人の生きざまが、何らかの「力」となれるように念じながら、あとがきを記している。(後略)

私が中支の地で敗戦を迎えた八月十五日に。       畑中良輔


口には言えなかったが、妻、更予の歌に私は憧れていた。今なお消えやらぬその音楽の純粋さに、私は一生憧れ続けたいと思っている。

 このように美しく、胸を打つ、夫婦愛に満ちた言葉を知らない。一生憧れ続けたいという言葉に、畑中先生こそ真の芸術家だなあと感じる。最後に、かつて愛する人を亡くし、絶望の海に沈んでいた天使を救ってくれた畑中先生が教えてくださった堀達雄の「聖家族」の冒頭の言葉を記したい。『音楽少年誕生物語』の「入学受験者証第六二番」に畑中少年が天啓をうけた模様が書かれています。天使も同じく天啓を受けたような気がします。
 
死があたかも一つの季節を開いたかのようだった

既刊されている著書は以下の通りです。
オペラ歌手誕生物語

オペラ歌手誕生物語

  • 作者: 畑中 良輔
  • 出版社/メーカー: 音楽之友社
  • 発売日: 2007/02/01
  • メディア: 単行本





音楽学校卒業後教師としての人生をスタート、徴兵され過酷な体験を余儀なくされた軍隊生活・捕虜生活を経、復員後オペラ歌手としての端緒に着くまでの物語。木下保、信時潔、平井康三郎先生との交遊、慰問に訪れた李香蘭・服部良一両氏との上海での共演など、辛い運命に翻弄されながら必死に生き抜く様がいきいきと描かれていく。

音楽青年誕生物語―繰り返せない旅だから〈2〉 (繰り返せない旅だから (2))

音楽青年誕生物語―繰り返せない旅だから〈2〉 (繰り返せない旅だから (2))

音楽青年誕生物語―繰り返せない旅だから〈2〉 (繰り返せない旅だから (2))

  • 作者: 畑中 良輔
  • 出版社/メーカー: 音楽之友社
  • 発売日: 2004/08/01
  • メディア: 単行本



戦時下で音楽家を目指す「青年」が遭遇する波乱万丈の物語。昭和15年東京音楽学校に入学、この年は「皇紀2600年」、まさに日本が世を挙げて軍国主義へなだれ込んでいった年である。戦時体制のなか、不自由な生活を余儀なくされた「音楽青年」が、後に各分野で大活躍する錚々たる学友たちとともに、活気に満ちた楽しい勉学生活を繰り広げていく。


音楽少年誕生物語―繰り返せない旅だから

音楽少年誕生物語―繰り返せない旅だから

  • 作者: 畑中 良輔
  • 出版社/メーカー: 音楽之友社
  • 発売日: 2002/02/01
  • メディア: 単行本



「数学嫌いの一中学生が受験に数学のない学校を探し、志望校に《東京音楽学校》と記したのが事の始まりだった」(著者)。困難を乗り越え、見事に東京音楽学校に合格するまでを、さまざまなエピソードを交えながら綴った音楽少年誕生物語である。

2009-10-17 00:00
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

『大向こうの人々 歌舞伎座三階人情ばなし』を読んで [エッセイ] [エッセイ アーカイブス]

 天使と同じ静岡県出身で元NHKアナウンサーである山川静夫氏が、自身の歌舞伎との出会いと、そこで知った大向こうの人々の思い出を綴った著書を出版したので早速に購入して読んでみる。歌舞伎ファンなら誰でも知っているだろうが、山川氏は学生時代から大向こうとして活躍。この本でもふれられているが、先代の勘三郎の声色が得意で、実際に勘三郎の『巷談宵宮雨』や『盲目物語』で勘三郎の声の吹き替えとして舞台も踏んでいる。実際にいまも歌舞伎座で掛け声をかけているようで、時々劇場でみかけることがある。

 この作品は平成22年4月興行を持って取り壊される歌舞伎座を彩った大向こうの人々を記録にとどめておこうという動機から書かれたもののようである。山川氏の歌舞伎人生は、今の歌舞伎座の建物と歩みを同じくするもので、感慨深いものがあるに違いない。「序」と題された最初から、「あとがき」まで歌舞伎に対する愛情があふれ、ある部分では天使も同じだったなあと共感し、知らなかった世界を垣間見る興味もあって、アッという間に読み終えた。歌舞伎ファン、必読の書であると推薦したい。

 静岡の浅間神社の神主の子息だった山川氏は国學院大学に進学。学友に誘われて歌舞伎を初めてみたのが、昭和27年12月明治座で上演された菊五郎劇団による『仮名手本忠臣蔵』であったという。翌月は歌舞伎座で初めて『籠釣瓶花街酔醒』を一幕見席で観たのが昭和28年1月20日だったとか。先代・吉右衛門と歌右衛門が主演したのだが、その25年後のやはり同じ日、天使は生まれて初めて歌舞伎座で歌右衛門を観た。『源太勘当』、一座総出演の所作事『春のことぶれ』、『九段目』、『双面水照月』といったような狂言だった。山川氏は天使の親と同世代なので当然なのだが、四半世紀は遅れても、天使は大向こうにこそならなかったが、三度の食事を一度にしても歌舞伎座や新橋演舞場に通い詰めるような歌舞伎狂になったのは同じである。

 著書では、歌舞伎にのめりこみ、さまざまな失敗を乗り越え、いろいろな人との出会いから大向こうになる過程が描かれていて興味深い。ド素人が、どのようにしたら大向こうになれるのか。資格試験があるわけでもなく、職人の徒弟制度のように、先輩の技を盗んでいく?真似る?ようなことから始めるらしい。

 学生時代に暴力カフェにひっかかったり、浅草のストリップ劇場へ役者として登場したりと、今までの山川氏の著書ではふれられてこなかったようなエピソードが書かれており大変に面白い。大向こうや声色屋としての過密スケジュールなども公開され、山川氏はいつ学校に行っていたのかと呆れたりもした。それでもNHKのアサウンサーとなり、ひとまず大向こうとしての区切りをつけるまでが描かれるのが第1章。

 第2章では、大向こうの歴史や成り立ちが語られる。戦前から昭和20年代前半には、大向こうから声をかけて役者から祝儀を受け取ったり、事前に役者から金一封をねだるのを目的としていた大向こうがいた不名誉なことも正直に語られている。

 第3章では、まず十五代目羽左衛門の親衛隊?であった「如月会」から発生した「弥生会」。その中心人物だった三宅鶴三郎氏のエピソードが語られる。「きさらぎ会」「弥生会」「柏会」「歌声会(かせいかい)」「声色松葉会」など、さまざまな会があったこと。それが様々なトラブルがあたっため昭和36年「声友会」に1本化。ところが翌年に「声友会」と「弥生会」に分裂。ここでは残った「声友会」の古木義浩氏について語られる。一方の「弥生会」の小川孝次郎氏のことには、ほとんどふれていないので、何かしらの差し障りがあったのかもしれない。古木氏のあとの代表、渡辺貞之助を勘三郎が見舞ったエピソードには泣かされた。

 そして渡辺氏の亡き後、「声友会」の会長になったのが、天使も知っている森正次氏である。ところが2年後に森氏は「寿会」として独立する。9名の「寿会」、38名の「弥生会」、15名の「声友会」という三派に別れたのは、天使が歌舞伎を見始めて4年目ぐらいのことらしい。そうした事情は知らなかったが、森氏はよく通る声で有名だったし、売店や劇場のお姉さんたちとも仲が良かったのを何度も目撃している。

 毎日のように歌舞伎座に通っていたのは、森氏のほかに、短髪で黒縁メガネをかけた老人がいたのだが、どうも「弥生会」の会長らしく、この著書では、まったく触れられていない。人間が集まれば、必ず諍いが起こるもののようである。こうした経緯は部外者にはまったく判らないので興味深かった。ただ森氏に関しては、歌舞伎を愛し続けたようなことを書いているが、明治座の杉良太郎の公演で「杉!」なんて声を掛けていたので、歌舞伎一辺倒ではなかったようであるが、この本では触れられていない。

 さらに第4章では名人・水谷謙介氏のことが語られる。面白すぎるエピソードと、その名人技とその早すぎる死。これは涙なくしては読めなかった。天使もこの水谷氏の名人技の掛け声を聞いているはずで、幸福でありがたい事だと思った。

 第5章、「あとがき」と続く。歌舞伎への愛。歌舞伎座への感謝の思いが語られて、読み終えると爽やかさと共感の想いが交錯して胸が熱くなる。残された時間をできるだけ歌舞伎座で、それも三階席で過ごしたくなった。どれほど多くの人の熱い想いが、歌舞伎座の壁や天井に刻みつけられていることか…。それを取り壊すなど言語道断だと思えてくる。現在の建物を残せないのだろうか。なぜ京都・南座でできたことが、東京歌舞伎座ではできないのか。

 歌舞伎ファンは是非お読みになることをおすすめしたい。大向こうに対する認識が変わると思います。

2009-10-14 00:25
大向うの人々 歌舞伎座三階人情ばなし

大向うの人々 歌舞伎座三階人情ばなし

  • 作者: 山川 静夫
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/09/29
  • メディア: 単行本



nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:演劇

劇場の天使 ~歌舞伎座で食す~ [エッセイ]2009-10-07 [エッセイ アーカイブス]

 
吉兆歌舞伎座店 神無月の松花堂 これで6300円はお値打ち。ご飯は白いご飯も用意してあって、おかわりができた。

歌舞伎座の下手側の2階。化粧室の奧に「吉兆」がある。入口近くの看板に料理写真がある。確か三津五郎が襲名した年かその前の年のお正月のメニューである。何故、そんなことを知っているかというと、かつては、「吉兆」の歌舞伎座店が開店して以来、毎月行っていたからである。今の天使からは、考えられない贅沢をしていたみたいである。

 天使は、長らく劇場へ独りで出かける習慣がなかった。最愛の彼といつも一緒だったからだ。彼には歌舞伎を観るときには信条があって、歌舞伎にとって1等席のお客は経済的な支え、3階席のお客は精神的な支えというのが考え。同じ歌舞伎を観るのでも、国立劇場は税金でまかなっている劇場なので当然と必ず1等席。でも歌舞伎座は絶対に3階席と決めていた。売切で買えなかった時と、節分で豆まきがあるとき以外は、1等席に座らなかった。

 彼の論理では、だから食事は「吉兆」でということになるらしい。けっしてケチじゃないんだというのを見せたいのだろうと思った。こちらはご馳走してもらうので文句が言えた筋合いではないのだが、なんだか気取った雰囲気に馴染めないなと思っていたのだが…。実は歌舞伎よりも楽しみだったりした。

 さすがに「吉兆」は美味しかった。ご飯と煮物は絶品だったように思う。手のかけ方が違うのだなあと素人にも判るような良い仕事ぶりである。さすがに最愛の彼が亡くなってからは自分から行こうとは思わなかった。同じ金額で食事をするなら、せめて1時間以上かけて、ゆっくりとしたいからである。やはり休憩時間の食事には無理があると思う。

 ということで、現在は主にお弁当。三越の地下で買う「升本」のお弁当が一番多いかもしれない。南蛮漬けという調味料?と亀戸大根たまり漬けが必ず入っていて、ワサビシートで滅菌?している心遣いが嬉しかったりする。もっとも、江戸風で味付けが濃すぎて、高血圧ぎみの天使には、少々塩分が多いかもしれない。一緒にお酒を飲む人には、いいのかもしれないが。

定番のすみだ川あさり飯 税込1290円がお気に入り。

口取 : 玉子焼き・鰈香味焼・鴨ロース・帆立煮・鶏つくね・木くらげ煮・おあがり・中華クラゲ・蓮ウコン

野菜煮物 : 里芋・人参・筍・椎茸・蓮・蒟蒻・インゲン

御飯 : あさり飯

こだわりの逸品 : 亀戸大根たまり漬け・南蛮漬け

歌舞伎座にもお弁当が売っていて、晴海通りをはさんで弁松や日の出すしがあるが、関西に行くと開幕前に劇場正面でお弁当の予約承り係が何人も並んでいる風景にでっくわす。東京ではみかけない珍しい風景である。松竹座だと劇場近くの丸万寿司の穴子の箱寿司を買い求めることが多いかも。

そして歌舞伎座のスイーツといえば、1階の西側売店で実演販売している大黒堂の人形焼きが好き。実演販売では、3階のめでたい焼きという鯛焼きもあるが、先輩格の人形焼きの王座はゆるがない。

食べ物で遊ぶのはいけないと思っても、人形の顔に圧力を加えて百面相をさせたり、人形と人形をキスさせてみたりと、やりたい放題だった。楽しかったなあ。

今はどちらにしても遠い思い出である。歌舞伎座の建物と一緒に、そんな思い出も消えてしまいそうである。

2009-10-07 20:46
nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:グルメ・料理
前の10件 | 次の10件 エッセイ アーカイブス ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。