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ジーザス・クライスト= スーパースター 劇団四季  自由劇場 2015年 [ミュージカル]



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浅利慶太の演出で最高傑作といえば間違いなく『ジーザス・クライスト= スーパースター』であると思う。日本初演時の前衛演出から、多少映画版の影響を受けたような気もするが、金森馨のスーパーリアリズムの舞台装置を得て、当時の若手俳優が全力で演じ歌い踊った。コード付きのハンドマイクを持った俳優が歌うというのも、キリストが活躍した時代に現代的なマイクやロックが登場するのも効果的だった。

かつては外部の日生劇場、サンシャイン劇場、西武劇場(今のパルコ劇場)と大・中・小劇場で上演されたが、今はストレートプレイ専門に建てられた自由劇場での上演が固定化したようだ。大劇場でも上演できる規模の舞台装置を調整した運び込むとはいえ、自由劇場に置かれた舞台は迫力満点で、ある意味主役はこの舞台装置ではないかと思えてくる。音響は台詞や歌の繊細さをも表現するためなのか控えめなもので、ロックミュージカルの迫力を期待すると裏切られるレベル。まあライブコンサートではないので許せるレベルではあった。

演出家の浅利慶太が退団させられた?からか、中盤に大きな緩みが見られてガッカリさせられた。恐い演出家の目がなくなって一気に品質が下がった感じ。といかく主役のジーザス・クライストの神永東吾の存在感が希薄で歌声はきれいでも迫力不足。それはどの俳優にもいえて、有名なナンバーも盛り上がらないし、ただただ俳優達が舞台装置の上を転げ回っていた印象。

それでも、ジーザスが十字架を担いで、十字架に架けられる場面はクリスチャンをも納得させる感動的な場面だった。聖書的ではないなどと野暮なっことを言う気はさらさらないが、何度も繰返されるカーテンコールの最中に、ジーザス役の神永東吾が両手を頭につけるおどけたポーズ。懐かしい?「笑っていいとも」を思い出したが、果たしていくらカーテンコールで気が緩んだとはいえ、舞台上でやっていいことと悪いことの区別もつかないらしい。せっかくの感動も吹き飛んで腹立たしいばかりだった。浅利慶太がいたら絶対に許さない行為だったろうが、今回の舞台の出来を象徴する出来事だった。

昔はよかったなあと懐かしく思い出してしまうオールドファンには、なんでもスタンディングオベーションしてしまう今の観客の感性にはついていけない感じ。密かに楽しみにしているのはヘロデ王の場面なのだが、市村正親、もんたよしのりといった個性的な面々に比べると今回は綺麗に歌っている意外に何も無かったように思った。

作詞ティム・ライス
作曲アンドリュー・ロイド= ウェバー
初演日本語版 演出浅利慶太
訳詞岩谷時子
美術金森 馨.
振付山田 卓
照明沢田祐二

演出スーパーバイザー磯津ひろみ
スーパーバイザー助手中村 伝
美術監修土屋茂昭
指揮渋谷森久
レコーディングエンジニア森 知明

ジーザス・クライスト:神永東吾
イスカリオテのユダ:芝 清道
マグダラのマリア:観月さら
カヤパ(大司教):高井 治
アンナス(カヤパの義父):吉賀陶馬ワイス
司祭1:佐藤圭一
司祭2:清水大星
司祭3:真田 司
シモン(使徒):佐久間 仁
ペテロ(使徒):飯田達郎
ピラト(ローマの総督):青井緑平
ヘロデ王:北澤裕輔

【男性アンサンブル】
脇坂真人
久保亮輔
光田健一
小野功司
ツェザリモゼレフスキー
玉木隆寛
戸高圭介
山下純輝
阿部よしつぐ
中村 伝
塩山 力
中田雄太

【女性アンサンブル】
山本詠美子
岸田実保
吉良淑乃
市川友貴
山本紗衣
園田真名美
松尾千歳
奥平光紀
井上希美
柴田厚子
服部ゆう
黒柳安奈
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