SSブログ

剛毅な詩情があふれる朝日新聞劇評 [歌舞伎]

毎回、毎回、珍妙な独特な表現で天使を悶絶させてくれる朝日新聞の天野道映氏の歌舞伎座評。

今月は最初の3行が彼の言いたかったことらしい。

「先人から託された歌舞伎という宝物の真実を正しく追い求める人びとが美しい」

その美しい人の第一は幸四郎らしい。

「幸四郎の関兵衛に初代白鸚の面影がある。武骨な味がいい」

そして菊之助。

「そのしなやかさ、間のよさ、小町姫の温かなまなざし、小町桜の精の寂しさは、七代目梅幸、六代目歌右衛門、当代玉三郎のよさを併せ持っている。清新な舞台は伝統への敬意の中から生まれ出る」

さらに錦之助。いまさら当たり前のことで、何が言いたいのか?

「錦之助の宗貞は戦後歌舞伎の明けの明星で、夭逝した四代目時蔵を思い出させる。錦之助はその次男」

菊五郎はこんな感じ。

「「毛谷村」初役の六助は、芸の年輪を重ねた者のみが持つ心にしみる笑顔で客を魅了する」

もっと凄いのは

「歌六の工藤、又五郎の近江、錦之助の八幡らによる「吉例寿曽我」は若手の諸役まで、伝統に奉仕する姿が清々しい」

さて今月の白眉、吉右衛門の熊谷。これ以上の熊谷がこれから観られるだろうか。その吉右衛門をどのように評しているのだろうか。「剛毅な詩情」とは何が言いたい?相変わらずの意味不明な言葉の数々。

「夜「陣門・組打」で吉右衛門の熊谷は、味方を欺き、平敦盛の身代わりとして、我が子小次郎を斬る。吉右衛門に剛毅な詩情があふれている」

最後に幸四郎の『筆屋幸兵衛』。これまた、何を言いたいのか。

「終幕に語られる作者黙阿弥の表面上のメッセージは、四民平等の世を明るく生きよ、子は未来の宝物だから大切にせよということである。だが幸兵衛の発狂はそういう近代化に対する鋭い批判を含んでいる。幸四郎の人品の良さがそのことに気付かせる」

結局何もない。中身のない劇評。上演中に本当に観ていたのかどうか怪しい。居眠りでもしていたのではと疑いたくなる。まあ、来月も期待しております。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。