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摂州合邦辻 2月文楽公演・第1部  国立劇場小劇場 [文楽]

恒例の3部制の2月文楽公演。第1部は『摂州合邦辻』より、「万代池の段」と「合邦庵室の段」の上演である。地味な演目、地味な出演者のせいか客席の入りは7割程度と、最近の文楽公演では珍しく空席が目立っていた。

上演時間は3時間、物語も「万代池の段」がつくことによって分かりやすくなっているはずだが、物語の荒唐無稽さ観客が興味をしめさなかったのかもしれない。こうした演目を観てこそ、危機にある文楽を応援したことになると思うのだが、所詮第1部を見逃しても平気なのは、その程度のファンだったのだといっておこう。

これからの文楽を担っていく人々の出演で話題性には乏しいかもしれないし、同じ料金を払うなら蓑助の出る第2部という気持ちもわからないではないが、とにかく文楽は瀬戸際なのである。今の代で文楽を衰退させてしまってはいけないのは、技芸員も観客も同じなはずである。

そうした熱い想いが、観客にも出演者にあったとしても、それが舞台成果に簡単に結びついていかないのが舞台の難しいところである。三輪大夫、南都大夫、相子大夫、希大夫、津國大夫らが掛け合いで出演する「万代池の段」は何ら印象に残るものがなかった。続く「合邦庵室の段」は咲甫大夫、津駒大夫、咲大夫も無難というにとどまっていた。これは観客は正直な判断をしたというべきなのかもしれない。

寒い時期に3部制で上演する意味は薄れてきたように思う。初期の頃は、近松名作集といった感じで3部制が取り入れられたのだと思うが、2部制ではいけない理由が見出すことができない。内容の充実、料金にみあった満足感を得るといったら2部制での上演が、今の文楽にはふさわしい気がする。

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