畑中良輔著 『日本歌曲をめぐる人々』を読んで [音楽]
昨日発売となった畑中先生の『日本歌曲をめぐる人々』が届いたので、早速読み始めて一気に読破した。うかつにも、「日本歌曲<友>の会」発行の『歌』という会誌に10年にわたり寄稿していた「日本歌曲・考」と題された連載があったのを全然知らなかった。執筆していたのは、天使が先生と親しくなった時期と重なっていたのに。
先生の最後のご本になるであろう『日本歌曲をめぐる人々』は、先生のお誕生日を前にして僥倖にめぐりあったというところだろうか。解説を書かれている塚田佳男先生は、天使の学生時代に合唱団を指導されていた方で、畑中先生との御縁といい、不思議な想いでいる。
さて『日本歌曲をめぐる人々』では、次の人々が登場する。
永井郁子
山田耕筰
橋本國彦
團伊玖麿
中田喜直
平井康三郎
石桁眞礼生
栗本尊子
関屋敏子
エピローグ
上記以外にもさまざまな人が登場し、日本歌曲の題名が紹介されていく。読む進むうちに、どうしても聴いてみたくなるが、2月12日(火)の紀尾井ホールの演奏家では聴く事ができるだろうか。
さて、記憶に残るような記述があったので採録しておく。
永井郁子の項で
歌うほうも聴くほうも、何のことやらわからないままに、「芸術的なひととき」というありがたい時期を過ごしていた時代(それは今もなお!)への疑問は永井自身、全国を廻って痛感しただろう。
これは、歌曲に限らず、あらゆる芸術に当てはまるかもしれない。
そして山田耕筰のオペラ『香妃』のことについてふれられている。1981年の全曲日本初演を天使は観ているのだが、舞台裏ではさまざまなことが起きていたようである。また新国立劇場の開幕を飾った「健 TAKERU」の話も興味深い。
そのほか、山田耕筰のエロ話とか、「おーい、何してんだ。中田のチンポコくわえるのか?」といったドキッとするようなエピソードもあって面白く読めた。是非読まれることをお勧めしたい。
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