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ワルキューレとドン・カルロ 今日は一日 MET レヴァイン&カウフマン漬けのはずだったのに… [オペラ]

今日は朝、車で東京へ。キャンペーン価格で1日1000円というNHKホール近くの駐車場へ車を停めて新宿へ。夜のメトロポリタン・オペラの『ドン・カルロ』が23時近くまでかかりそうだというので、帰りの足が心配になり車ででかけたという訳である。カーテンコールが終わったのが22時51分だったので車ででかけて大正解だった。

まずは新宿ピカデリーでMETライブビューイング『ワルキューレ』。せっかくMETが来日中なので、指揮者のレヴァインや大スター歌手のカウフマンをワーグナーとヴェルディで一日で楽しむという計画だったのだが…。5月14日に公演されたライブビューイング直後に二人の来日が中止になり、あえなく計画は狂ってしまった。それでも、特典映像に登場したオケの楽員がオーケストラピットに入っていたりと、来日中でなければ味わえない出来事がいくつかあって、まあ楽しめた一日に。本当は負け惜しみも少々。

METライブビューイングは10時開映で15時20分終了という長丁場。予想通り観客は熟年の皆様が中心。せっかく一番大きな劇場での上映だったがさすがに空席が目立った。『ドン・カルロ』の方も空席が目立っていたので良い勝負だったかも。

METの観客はワーグナーなのに、幕が閉まり始めると拍手をして余韻をぶち壊す「馬鹿な観客」が多数発生していたが、NHKホールも負けず劣らず馬鹿が大発生。さすがに最後の最後には幕が閉まるまで拍手はおこらなかったが、オペラの出来の悪さに唖然としたからかもしれない。

『ワルキューレ』は今シーズンの最後を飾る演目だけあって充実の内容。すべての歌手が素晴らしくて文句のつけようがない。新演出も空中に浮いて自在に回転する24枚の厚板に投影される映像と照明のおかげで、魔術のような変幻自在な世界をつくることに大成功。ああ、このレヴァインとカウフマンが来てくれていたら…。

『ドン・カルロ』は1980年代に新演出された古いプロダクションを持ってきた。いくらMETでも演出が古すぎて白ける。レヴァインとボロディナの病気による降板、カウフマンの来日中止、フリットリのミミへのコンバートと、始まる前から呪われた公演となってしまって気の毒。

代役は好演して当たり前、悪ければ酷評という運命が待ち受けているのだが、今回はフリットリの代役とはいえ、METでは新演出ながら同じ役で舞台に立っているはずのマリーナ・ポプラフスカヤが大ブレーキ。中音部はともかく高声になると途端に艶がなくなり苦しい発声に…。素人でもわかる不出来にがっかり。

韓国人のテノールであるヨンフン・リーは、O脚気味で立ち姿が美しくないのだが、声はMETでも好評だったというだけあってまずまず。これがMETの通常公演であれば文句ないのだが、空前の豪華配役と大宣伝、しかも一か月前のジークムントのカウフマンが素晴らしかったのを観た直後だっただけに落胆は大きかった。
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