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大江戸りびんぐでっど  ネタバレ大会!其の壱 [歌舞伎]2009-12-19 [歌舞伎アーカイブス]

 初日にグダグダだった歌舞伎座の『大江戸りびんぐでっど』…。さすがに百戦錬磨の歌舞伎役者揃いだけあって、どんな酷い本であっても、それなるに見せてしまう技術があるらしく、公演も後半となると多少は観られる芝居に進化したように思う。やはり初日は公開有料舞台稽古だったようだ。あえて、この芝居のテーマらしいものを探してみると、平凡な日常に慣れきってしまって、文字通り「生きる屍」となってしまっている人間に対し、自己批判を求めているといったところだろうか。

 「生ける屍」=ゾンビは、実は観客なのかもしれないとも思った。問題意識を持って観ないと、この芝居は単なる悪ふざけのレベルである。賛辞を寄せるにせよ、不満を表明するにせよ、最も問題なのは何も感じないことである。それは現代日本の色々な場面に現れているのだが、最も身近な例では歌舞伎座の客席ではないだろうか。きっとクドカンは、高い入場料を払いながら、寝てしまう数多の観客の姿を驚きをもって眺めたに違いない。天使のお隣に座ったお嬢様は、それこそ椅子の背もたれに頭をつけ、天井を向いて口をあけ堂々と寝ていた。しかも全部の演目で、ここぞと思う場面で寝ているのだからがっかりである。う~ん、歌舞伎座の客席は、まさしくゾンビだらけなのかも…。

 さて、宮藤官九郎と勘三郎の顔合わせということで敬遠された方や途中退席された方、最後まで見たけれど何がなんだか…という方のために「大ネタバレ大会」です。まだ、ご覧になっていない方は、くれぐれもお読みになりませんように。

 
 オープニング 芝の浜

主な配役

半助 くさや兄…染五郎
くさや弟…亀蔵
くさや売りの娘 お葉・・・七之助

 定式幕が引かれ、柝の音、浪音など純歌舞伎様式での幕開きかと思ったら、スピーカーから三味線と笛の新曲?が流れてきた。くさや売りのお葉は懸命に新島名物くさやを売るものの、くさすぎて相手にされない。下手にはくさや汁の入ったツボ。上手には網に干された?くさやの干物。何故か等身大の着ぐるみで染五郎と亀蔵。言葉遊びの小ネタ満載。

「さむいよ」「くさいよ」
「ていうかくさすぎ」
「私、きれい」
「もう少し評価されても」
「くさや! そんな屋号ないし」
などなど、瞬間的には面白いのだが、歌舞伎座から出て5分歩くと忘れるレベルのものばかり。

くさや汁は、お葉の死んだ亭主の形見ということがわかる。

亀蔵のくさや弟は「泣いてなんかいないやい」と、くさやの半身から、イルカに変身。「もう少し生きてみたくなった」とかなんとか捨て台詞で海に飛び込みイルカの遠見のジャンプなど。

染五郎のくさや兄は、カメレオンに変身。ここでも、すぐに忘れてしまう言葉遊びがいろいろ。

「はで始まる男」「「半助」「呼び捨てか」

「南国の爬虫類にのって追ってきました」「ゲッ、まじで」とか・・・。

実はくさや兄は、お葉に片思いしていたくさや職人の半助だったことが判明。一方的な片思いらしく、お葉はうんざりの態。なぜ半助がくさやになったり、カメレオンになれるのかは、後半のドンデン返しの伏線?だったのかもしれない。そのこと自体、あまり意味がないので、ここは目くじら立てずにスルーするのが正解。かくして舞台は回って・・・。
(つづく)

2009-12-19 00:36
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