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2009年 劇場の天使賞 中村富十郎、鷹之資、愛子 [エッセイ]2010-01-01 [エッセイ アーカイブス]

 大晦日の忙しさの合間にテレビで紅白歌合戦をチラッチラッと観た。なんでも紅白にはジャニーズ枠というのがあるらしく、今回はその制約を破って、嵐が出演するのが目玉だったのだとか。後で聴いたら矢沢英吉も出たそうな…。聴きたかった。元旦は、いつものように天使の街の有名な寺院へ初詣。例年以上の人出の多さに驚くやらあきれるやら…。天気がよかったのと不景気のせいなのかもしれないが夕方になっても満員電車なみの人混みとは驚きである。

 紅白は途中のニュースで中断後の後半の冒頭だけを観る。なぜか紅白歌合戦のテーマ曲というのがあって「歌の力」というのを久石譲が作曲、指揮して多くの歌手が歌い継いだ。曲自体が良いとも思えないのだが、SMAPが歌い出しに失敗して???という作曲者の表情が可笑しかったのと、アンジェラ・アキが抜群に上手かったのが印象的。その後に出てきた、例のスーザン・ボイル。ボイルに英語で話しかけて全然通じなかったのは、彼女が英国なまり?の英語を使う人だから?とにかく笑えた。スーザン・ボイルは正直すぎるし、カメラの方を全然意識していない受け答えも素人みたいだった。

 彼女は、まだまだプロとアマチュアの中間という感じで、完璧な歌唱とは言い難い面もあるのだが、それ以前に彼女の歌には、プロ以上の純粋なハートがあって、心打たれた。すれっからし?の天使の頬に、何故か涙が頬を伝っていたなんて…。これはもう驚くしかない、しかもテレビなのに。スーザン・ボイルって何者?さんざん例のコンテストの映像は観ているはずなのに…。紅白でこんなに泣いて観たのは初めてである。

 その後は、忙しさに舞い戻り、再びテレビをチラッと観たのは、マイケル・ジャクソンの追悼コーナーだった。またしてもSMAP!マイケル・ジャクソンと同じ振付家の振付けだというのに、キムタクとマイケルの何という差?あらためてマイケル・ジャクソンの偉大さを教えてもらったようなものである。というところで、2009年の劇場の天使賞は「マイケル・ジャクソン」で決まり!とならないのが劇場の天使賞である。

 やはり歌舞伎の舞台から、中村富十郎の矢車会の舞台での感動を「劇場の天使賞」としたい。もちろん2009年を通じて、80歳になる中村富十郎が次々に繰り出した名舞台が大きな力になるが、その80歳の父親を奮起させる原動力となった、最愛の二人の子供、鷹之資、愛子の存在も大きいのは間違いがない。

 この子達のためにも、という想いが今の富十郎を支えている。二人の為にも、「一分一秒でも長く生きて、自分の芸を伝えていかねば」という決意がヒシヒシと伝わってくるのである。その想いに答えるべく、矢車会での義経、仔獅子を演じて素晴らしかった鷹之資。「一休禅師」で恐るべき色気を持った子役ぶりを初舞台で披露した愛子。この三人を2009年の劇場の天使賞といたします。

 どうぞ本年もよろしくお願いいたします。

2010-01-01 19:02
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