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サロメ 新国立劇場 [オペラ]2008-02-12 [オペラ アーカイブス]

 午後2時開演の公演最終日。開幕まで窓際に腰かけてズッと空を眺めていた。外は寒いが、空は透き通っていて、少しずつ春の気配が感じられて見飽きなかった。

 もう何度目かのサロメである。バイエルン州立歌劇場発のものだけあって、新しすぎず、かといって古すぎず。いろいろ考えられていた演出だと改めて気がつく。出演者にブルーマンがいたとは…。ナラボートと小姓が同性愛関係で、最後には小姓がサロメに敵討ちという構図というのもよく判った。全体的に妖しい色調。妖しい動きの登場人物が満載で飽きさせない。

 新国立劇場に初登場の指揮者、トーマス・レスナーと東京交響楽団は手堅くまとめて、官能には遠いのだが終幕に向けてドンドン盛り上げていくなど、尻上がりに好調となり、久しぶりに興奮させられた。歌手も粒よりで成功の一因となった。サロメを歌ったナターリア・ウチャコワは、少々太目の体型ながら七つのヴェールの踊りも無難にこなして満足。ヨハナーンのジョン・ヴェーグナーも高潔な人物を的確に表現して、多くの観客の拍手を集めていた。ヘロデのヴォルフガング・シュミット、ヘロディアスの小山由美、ナラボートの水口聡もバランスのとれた配役で高水準だったと思う。

 カーテンコールでは、全公演を終えた安堵感からか、あるいはこの役が初役だった自分の歌唱と演技に納得できたのかナターリア・ウシャコワがノリノリで、何度も何度も舞台前に進んできたが、前に出すぎて照明が顔に当たってないのはご愛敬だった。

【指 揮】トーマス・レスナー
【演 出】アウグスト・エファーディング
【美術・衣裳】ヨルク・ツィンマーマン
【再演演出】三浦 安浩
【舞台監督】大澤 裕

【芸術監督】若杉 弘

【サロメ】ナターリア・ウシャコワ
【ヘロデ】ヴォルフガング・シュミット
【ヘロディアス】小山 由美
【ヨハナーン】ジョン・ヴェーグナー
【ナラボート】水口 聡
【ヘロディアスの小姓】山下 牧子
【5人のユダヤ人 1】中嶋 克彦
【5人のユダヤ人 2】布施 雅也
【5人のユダヤ人 3】松浦 健
【5人のユダヤ人 4】小貫 岩夫
【5人のユダヤ人 5】大澤 建
【2人のナザレ人 1】青戸 知
【2人のナザレ人 2】青柳 素晴
【2人の兵士 1】大塚 博章
【2人の兵士 2】斉木 健詞
【カッパドキア人】藤山 仁志
【奴隷】鈴木 愛美

【管弦楽】東京交響楽団


2008-02-12 00:17
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