福音とは何か [エッセイ]
今日は復活祭=イースターでした。
このところ、ずっと重石のように心にのしかかっていたものは、認知症になってしまって介護施設に入所させた84歳になる父親のこと。子供の頃には、暴力をふるわれ、ずっと許せないと思い続け、距離を置いてきた父親。介護施設に面会に行くのもためらわれた。きっと、介護施設に入れたことを恨み呪っているに違いないからだ。
洗礼を受けたからには、父親を心の中で遠ざけたままにすることはできない。複雑な思いを抱いたまま介護施設を独りで訪れた。天使の事を父親は誰かわからないようだったが話かけてみた。
「ここはどう?どんな感じ?」
「幸せだよ。幸福」
父親から発せられた言葉は、思いもよらない言葉だった。一体どうして「幸せ」「幸福」といった言葉が出てきたのか。そして、それが天使にとってどれほど救いの言葉になったことか。毎朝、父親のために祈り続けていたことが実現した瞬間だったのだ。ハレルヤ。
あなたの父母を敬え。そうすればあなたは、あなたの神、主が与えられる土地に長く生きることができる。
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