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イントゥ・ザ・ウッズ [映画]









日本でも新国立劇場で宮本亜門演出で2004年と2006年に上演されたスティーブン・ソンドハイムのミュージカルの映画化である。すこしでも、このミュージカルあるいは作者について知っているならば、ディズニーとの取り合わせに大いに違和感を抱いたはずである。けっしてディズニー好きなファミリー向けの内容ではない。舞台版の第1幕では童話の登場人物が全てハッピーエンドになるので、そこで帰ってしまったお客もいたとか。後半の辛口の展開は、確かにお子様向きではない。不倫や殺人などもあり、ちょっとディズニーテイストとは明らかに違うからである。

舞台版を評したブログInto the Woods考察を是非読んでいただきたい。

2011年3月11日の東日本大震災と、それに続く福島の原発事故を経験してしまった日本人にとって、映画の後半は痛切に響かないだろうか?登場人物の弱さを自分に置き換えてみてみたらどうだろう。世界初演時はもちろん、日本初演時にも予想できなかった事態に遭遇し、多くのものを失った今だからこと胸に迫ってくる内容である。「 I wish」というのがキーワードで、一番大切なものは最後に歌われる。これで勇気を貰わない日本人がいるだろうか。どんな困難に出会っても立ち上がれという強いメッセージを感じた。エンドロールも最後まで観るのが今回は正解。

ディスニーのおかげで、メッセージ性の強いスティーブン・ソンドハイムの作品を多くの人に知ってもらえるきっかけになったなら嬉しいことである。『美女と野獣』、『ライオン・キング』、『リトル・マーメード』、『アラジン』などアニメ映画がミュージカル化され、日本でも劇団四季が上演しているが、舞台版のミュージカルがディズニーの映画になるとは愉快な出来事である。そういえば、スティーブン・ソンドハイムの代表作『リトル・ナイト・ミュージック』を日本初演したのも劇団四季だった。

解説

赤ずきん、シンデレラといったおとぎ話の主人公たちのその後を描いたブロードウェイの人気ミュージカルを、ディズニーが実写映画化。「シカゴ」「NINE」のロブ・マーシャル監督がメガホンをとり、魔女役にメリル・ストリープ、赤ずきんのオオカミ役にジョニー・デップら豪華スターが共演した。魔女にかけられた呪いのせいで子どもに恵まれなかったパン屋の夫婦は、子どもを授かりたければ「赤いずきん」「黄色い髪」「白い牛」「黄金の靴」の4つのアイテムを森から持ち帰れと魔女に命じられ、森へ向かう。時を同じくして、赤ずきんやラプンツェル、ジャック、シンデレラたちもそれぞれの願いをかなえるために森へとやってくるが……。「ウエスト・サイド物語」なども手がけたスティーブン・ソンドハイムが、原作ミュージカル同様に作詞・作曲を担当した。

スタッフ
監督ロブ・マーシャル
原作ミュージカルスティーブン・ソンドハイム
  ジェームズ・ラパイン
脚本ジェームズ・ラパイン
撮影ディオン・ビーブ
美術デニス・ガスナー
衣装コリーン・アトウッド
編集ワイアット・スミス
作詞スティーブン・ソンドハイム
作曲スティーブン・ソンドハイム
音楽監修ポール・ジェミニャーニ
   マイク・ハイアム
音楽プロデュース マイク・ハイアム

キャスト
メリル・ストリープ  魔女
エミリー・ブラント パン屋の妻
ジェームズ・コーデン パン屋の主人
アナ・ケンドリック  シンデレラ
クリス・パイン  シンデレラの王子
トレイシー・ウルマン  ジャックの母親
クリスティーン・バランスキー  シンデレラの継母
ジョニー・デップ  赤ずきんのオオカミ
ダニエル・ハトルストーン  ジャック
リラ・クロフォード  赤ずきん
マッケンジー・マウジー  ラプンツェル
ビリー・マグヌッセン  ラプンツェルの王子
ルーシー・パンチ ルシンダ
タミー・ブランチャード フロリンダ
フランシス・デ・ラ・トゥーア 巨人
サイモン・ラッセル・ビール パン屋の主人の父親
リチャード・グローバー シンデレラの王子の家来
アネット・クロスビー 赤ずきんのおばあちゃん


2006年 5月19日(金)~6月6日(火) 新国立劇場中劇場
【キャスト】
魔女・・・・・・・・・・・・・・・諏訪マリー
パン屋・・・・・・・・・・・・・・小堺一機
パン屋の妻・・・・・・・・・・・・高畑淳子
ジャックの母・・・・・・・・・・・天地総子(2004年藤田弓子)
シンデレラ・・・・・・・・・・・・シルビア・グラブ
シンデレラの王子・狼・・・・・・・藤本隆宏
赤ずきんちゃん・・・・・・・・・・宮本せいら(2004年SAYAKA)
ジャック・・・・・・・・・・・・・矢崎 広(2004年上山竜司)
ラプンツェル・・・・・・・・・・・早川久美子(2004年吉岡小鼓音)
ラプンツェルの王子・・・・・・・・広田勇二
シンデレラの母・巨人・おばあさん・荒井洸子
ナレーター・謎の男・・・・・・・・鈴木慎平
執事・・・・・・・・・・・・・・・大森博史
シンデレラの継母・・・・・・・・・藤田淑子
フロリンダ・・・・・・・・・・・・花山佳子(2004年仁科有理)
ルシンダ・・・・・・・・・・・・・鈴木純子(2004年山崎ちか)
シンデレラの父・・・・・・・・・・二瓶鮫一
白雪姫・・・・・・・・・・・・・・山田麻由
眠れる森の美女・・・・・・・・・・飯野めぐみ(2004年飯野愛)


【スタッフ】
作詞・作曲・・・・・・・・・スティーブン・ソンドハイム
台本・・・・・・・・・・・・ジェイムズ・ラパイン
演出・振付・・・・・・・・・宮本亜門
翻訳・・・・・・・・・・・・橋本邦彦
音楽監督・・・・・・・・・・山下康介
美術・・・・・・・・・・・・礒沼陽子
照明・・・・・・・・・・・・中川隆一
音響・・・・・・・・・・・・大坪正仁
衣裳・・・・・・・・・・・・朝月真次郎
ヘアメイク・・・・・・・・・馮啓孝
歌唱指導・・・・・・・・・・楊淑美
              山口正義
演出助手・・・・・・・・・・北村直子
舞台監督・・・・・・・・・・瀬崎将孝

芸術監督・・・・・・・・・・栗山民也
制作・・・・・・・・・・・・新国立劇場
協賛・・・・・・・・・・・・キリンビール株式会社


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