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火のようにさみしい姉がいて シスカンパニー Bunkamuraシアターコクーン [演劇]

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清水邦夫の作品で初演が1978年12月の紀伊國屋ホールで木冬社第3回公演。配役は山崎努が男、松本典子が男の妻、岸田今日子が中ノ郷の女。演出は秋浜悟史。

再演は1996年12月で紀伊國屋サザンシアターの開場記念公演で清水邦夫自身の演出。配役は蟹江敬三が男、樫山文枝が男の妻、松本典子が中ノ郷の女。

そして18年ぶりの再演の舞台は蜷川幸雄の演出。楽屋と北陸の理髪店を重層的に見せ、移動する鏡の壁面が登場したりと、蜷川らしいなかなかの力技の舞台だった。

物語は下のあらすじの通りだが、主人公の男優が演じていたオテロとデズデモーナの夫婦関係が重なり、宮沢りえが演じる妻との間に埋めがたい亀裂が生じる展開。その二人をとことんいたぶる女・イヤーゴ的な存在が大竹しのぶで、狂気をはらんだ演技が彼女ならではで楽しめる。

その半面、大竹しのぶと宮沢りえの初舞台共演ということで期待された演技合戦も第二幕は意外と盛り上がらずに終わったように思う。なかなか演技が噛み合わず停滞する場面も少々。それでも、最後の見せ場?に観客を導いていく力量は彼らならではのものだと思った。

観客の平均年齢はかなり高め。そうした観客の青春時代に上演された作品であるのと、大竹しのぶと宮沢りえの初顔合わせが話題を呼んだせいだろうと思う。宮沢りえは母親を亡くした直後だったので、健気に舞台を務める姿と、悲劇的な結末を迎える妻の姿が重なって哀れに思えた。

新橋耐子や立石涼子が老け役を嬉々として演じていたのが印象的。ある意味、お婆さんが主役のようなところもあるからだ。


会場:Bunkamuraシアターコクーン
2014年9月27日(土) 13時開演

シスカンパニー
火のようにさみしい姉がいて


演出:蜷川幸雄
演出補:井上尊晶
美術:中越 司
照明:服部 基
音響:高橋克司
衣装:前田文子
ヘアメイク:宮内宏明
舞台監督:小林清隆
プロデューサー:北村明子
企画・製作:シス・カンパニー

出演:大竹しのぶ(中ノ郷の女)
    宮沢りえ(男の妻)
    段田安則(男)
    山崎一(みをたらし)
    平 岳大(スキー帽)
    満島真之介(青年)
    西尾まり(見習)
    中山祐一朗(ゆ)
    市川夏江(しんでん)
    立石涼子(べにや)
    新橋耐子(さんざいみさ)
    さいたまゴールドシアター

【あらすじ】

ある俳優(段田安則)とその妻(宮沢りえ)が20年ぶりに雪国の故郷に戻ってくる。
仕事にも人生にも行き詰まった夫婦の“転地療養”らしいのだが、道を尋ねるために立ち寄った理髪店で、誤って鏡の前にあったシャボンのカップを割ってしまう。
次の瞬間、男の姉と名乗る女主人(大竹しのぶ)や、得体の知れぬ客たちが次々に現れ、強引に男の過去に踏み込み、そして……。  


第1幕 13:00~13:50

休憩  20分

第2幕 14:10~15:15
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