アマテラス 赤坂ACTシアター [演劇]
歌舞伎座の休場期間中に、新橋演舞場、国立劇場といった東京の大舞台に歌舞伎俳優として立たなかった玉三郎。大幹部がこぞって3ヶ月にわたり出演した杮茸落公演も六月公演には登場しなかった玉三郎。誰もがさよなら公演と同じく團十郎と玉三郎が揃って『助六』に出てくれることを望んでいたはずなのに。海老蔵が代役に立ったとはいえ、玉三郎があえて揚巻で出ないならば歌舞伎座の立女形とはいえない。何のための人間国宝だったのか。六月の歌舞伎座を休んだ理由が『アマテラス』の稽古のためだったというのだろうか。
驚いたことに9月は福岡・博多座で、10月は京都・南座で1ヶ月公演が予定されている。年内は東京に登場する可能性があるのは11月と12月だけということになる。結局12月の『仮名手本忠臣蔵』で、お軽を演じるということになったのだが…。本当にこれでいいのだろうか。歌舞伎以外の舞台に熱心とはいえ『アマテラス』の舞台のレベルの低さに呆れ果てた。何も観るべきものが無かった舞台、それに盛大な拍手喝采を送り続ける観客。あまりの不愉快さにカーテンコールの途中で劇場から逃走した。
鼓童の太鼓と玉三郎が共演する意義が最後まで見出せなかった舞台である。残念ながら玉三郎は全く美しくなくて、むしろ醜悪でさえあった。振り付けとも演技とも思えない横移動を繰返すばかりで、全く何も伝わってこない。それに音楽をつける？鼓童も遠慮があるのか、本来あるであろう太鼓の演奏の楽しさが伝わってこなかった。
結局、第2幕の冒頭の鼓童単独での演奏が素晴しかっただけ。アメノウズメの元宝塚歌劇団男役スター愛音羽麗にいたっては、ひどい振り付けの上に、なんとか正確に振りを覚えましたというレベルで、玉三郎も含めて「本当に踊っていて楽しい？」と聞きたくなるほど何も伝わってこないのである。バレエにしろ、日本舞踊にしろ、踊り手がさらなる高みを目指そうという気がなければ、観客を感動させることなどできないのである。玉三郎を観ることに喜びを感じることのできる観客ならともかく、本物の感動に出会いたいと劇場へ足を運んだ観客にとっては迷惑この上ない舞台だった。
そんなにお嫌いならご覧にならなければ良いのに。二人道成寺も酷評でしたね。
by ringo (2013-07-28 13:06)
はじめまして。
本日アマテラスを観たのですが、ほとんど舞台の世界に浸る事はできませんでした。アメノウズメのダンス（舞とは言えませんでした）も衣装もインド舞踊かと思えるほどで感心はしませんでした。
再演なので自分が慣れたせいもあるかもしれませんが、今回のアマテラスは良い舞台とは言い難いと思いました。
舞台が自分にとって素晴らしいか、つまらないかは舞台を観なければわかりません。劇評が良い点しか書かないのは新聞だけで十分だと思います。
by みっきー (2013-07-28 23:45)
アマテラス再演を知って涙が出るほど嬉しかった私にとって、今回の舞台は残念なものでした。
6年前に劇場中を埋め尽くした、あの圧倒的なオーラは今回、どうしたというのでしょう。
振り付け師がよくなかったようにも思いますが、それも含めて玉三郎の舞台表現なのですから、ファンにとっては少し残念なものでした。魂を揺さぶられたあの伝説の舞台の再演ではなかった。。
ただ、醜悪は言い過ぎでは？
二人道成寺も酷評されたそうですが、（失礼ながらまだ拝読していません）あの二人道成寺のどこをそんなに良くないと思われたのか、もともと玉三郎に求めるレベルが高い方なのでしょうか。
私は玉三郎原理主義を公言する、玉三郎を観るだけで幸せというタイプのファンですが、それでも、今回のカーテンコールは興醒めでした。
歌舞伎座に出ずっぱりにならなければ立女形でないとは思いませんし、玉三郎が人間国宝たり得たのは歌舞伎以外の芸術活動にも力を注いだからだと思います。七之助を自宅に通わせるなどして若手の育成に尽力する姿勢は、歌舞伎座に出ずっぱりだった歌右衛門さんより人間国宝の名に恥じないとも思います。
でも、それでも。今回のアマテラスだけは、私は首を傾げざるを得ませんでした。
by お名前（必須） (2013-07-30 20:49)
ごめんなさい！上記コメントは「福笑い」が書きました。名前を入力しそこねて、失礼しました。
by 福笑い (2013-07-30 21:04)
福笑いさんの所にコメントしたかったのですが。
二人道成寺、天使さんは菊之を絶賛されてましたが玉三郎には酷評されてました。今度は醜悪とまで。
菊之助さんは玉三郎に学んだのではないでしょうか。
アマテラス、南座の初演観て良かったのですが赤坂では観ておりませんから何とも言えませんがそこまでだめだめの玉三郎のアマテラスご覧になられたのが不思議です。。歌舞伎以外はだめ、歌舞伎座に出ないと歌舞伎役者はだめなのでしょうか。出たくても出られない時期がありました。
by hitomi (2013-08-01 22:36)