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チケット完売!新橋演舞場 七月大歌舞伎 二代目猿翁 四代目猿之助 九代目中車襲名披露 五代目團子初舞台 [歌舞伎]

6月12日に発売された新橋演舞場での7月分の襲名披露公演は、予想はされていたものの昼の部、夜の部ともに発売と同時に完売。それまで残席のあったはずの6月の夜の部『ヤマトタケル』もまたたく間に完売してしまった。7月の夜の部は歌舞伎会会員の特典で早々に買い求めていたものの、昼の部の『ヤマトタケル』は、6月の残席状況から判断して平日なら12日の一般発売後でも買えるはずという甘い読みは見事にハズれて、とうとう買い損ねてしまった。

かつての新橋演舞場なら消防法を無視し、1階席の最後列のさらに後ろに補助席を並べるどころか、すべての縦通路にも補助席を出すという無謀なことをしていたのだが、さすがに今はそうした違法行為はしていないようだ。全席完売という公演自体が少ないこともあるのだろうが、今月の昼の部に関しては、2階席下手側ドア近くの後方の通路に6席だけ補助席を出しているようである。ただ、それが当日券として出ているのか、あるいは事故席あるいは関係者席として用意しているのかは判断できない。初日には開演10分前ぐらいに当日券売り場で点呼をしていたので、当日券としての発売があったのかもしれないが確認できていない。

かつての歌舞伎座には、花道の外側の最後方部分に2席だけ座席があった。そこは席番がなくて関係者向けの座席らしく、どうしても観たい人が突然現れた場合のみ利用されていたようである。そこは座席表にも掲載されていないので知る人ぞ知る席だった。そうした席はNHKホールにもあって、2階席のL側とR側に0番という座席表に出ていない席があるはずである。新橋演舞場の補助席もそうした類の席なのかもしれない。

今度の新しい歌舞伎座にも幕見席が設置されるようだが、今の新橋演舞場にはそれがない。本当に観たい、長時間の行列もいとわないという情熱と根性さえあれば、歌舞伎座は誰にも開かれた劇場だったが、新橋演舞場にはそうした配慮はない。これから7月の千秋楽までチケットを買い求めに窓口を訪れてもむなしく帰る人が何人もでるのだろうなと思うと心が痛む。

先日も幕間に劇場の外へ出ると、タクシーを劇場正面に乗り付けた老紳士がいた。大きな荷物を抱えていたので、地方から上京してきた風だった。直ぐに前売券売り場に入っていったが、窓口の係員と何事か話込んでいたが、結局チケットは買い求めずに外にでてきてしまった。明らかに失望の表情が浮かんでいて、買おうと思っていたチケットが手に入らなかったようである。あまりの落胆ぶりに、よほど自分のチケットをタダで上げてしまおうと声をかけようと思ったが、チケットの転売は禁止されているので思いとどまった。もちろん金銭の授受など、毛頭考えていないのだが、タダで差し上げるにしてもそれほ良い席でもないしと、声をかけるのがためらわれたのである。

どうしても観たいと思ったならば、オークションで落札という手もあるが、今回のような人気公演になると、チケットの代金が2倍以上なんていうのも珍しくないし、そもそも希望の日時のチケットが出品されるかどうかも分からないし、確実に落札できるという保証はない。しかもチケットの券面には「インターネット・オークション等でご購入されたチケットでのご入場は、お断りさせていただく場合があります」と書かれているので、万が一にも入場拒否ということにはならないだろうが、やはり正規のルートでの購入が望ましい。

最後の望みは、好評につき日延べ、追加公演の実施ということだろうが、8月の初日までの日数や共通の出演者のスケジュールを考えると「追加公演」の実現は難しそうだし、あったとしても『ヤマトタケル』だけになる可能性が高そうである。それにしても猿之助襲名だけでも大きなイベントなのに、香川照之の市川中車襲名、さらに猿翁の久しぶりの歌舞伎公演への出演と話題に事欠かないだけに、チケットが入手困難になるのは当然だったのである。しかも、今月はいずれの演目も舞台成果が上々で、感動的な舞台に仕上がっていただけに、来月も期待が大きくなるのは無理のないことである。そうなると妬み嫉みが…。そういう世界らしいので、澤瀉屋一門がより強い絆で結ばれることを祈りたい。
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