SSブログ

カルメン 3Dオペラ [オペラ]



解説: ロンドンのロイヤル・オペラ・ハウスで2010年に上映された、ジョルジュ・ビゼー作曲の名作オペラ「カルメン」の3D版。世界五大歌劇場のひとつであるオペラ・ハウスで花開く、愛と嫉妬(しっと)と裏切りのストーリーを5台の3Dカメラをフルに活用して映し出す。奔放なカルメンをクリスティン・ライス、ドン・ホセをブライアン・ヒメルが熱演。臨場感あふれる映像で映し出される、激しく命を焼き尽くす究極の愛憎劇に見ほれる。

劇場向け3D技術において世界トップクラスを誇る米リアルD社と、英国ロイヤル・オペラ・ハウスの共同制作によって、『カルメン 3Dオペラ』へと姿を変えた。

世界初の3Dオペラとなる本作は、定点カメラ撮影だけでなく舞台上にも入り込み、臨場感にこだわった作品だ。3Dならではの映像効果で、観客は役者と一緒に舞台に立っているような感覚を味わえる。カルメン役にはクリスティン・ライス、ホセ役にはブライアン・ヒメルを迎え、ジュリアン・ネイピアがメガホンを取る。上映時間はなんと176分(途中20分の休憩あり)という長丁場だが、その分どっぷりと“初体験オペラ”を堪能できそうだ。

あらすじ: 1820年代のスペインの町セビリア、情熱的なジプシー女性カルメン(クリスティン・ライス)はタバコ工場で働いていた。ある日、ほかの女工たち相手に派手な大立ち回りを演じた彼女は捕らえられるが、兵士のドン・ホセ(ブライアン・ヒメル)を誘惑してまんまと逃げ出す。だが、ドン・ホセはカルメンを逃がした罪で投獄されてしまい……。

映画館でオペラの上演といえば、METのライブビューイングが有名だが、大都市での1日1回上映に限られていた。なんとロイヤル・オペラの舞台が3Dで収録され、天使の住む街のお隣のシネコンにやってきた。しかも最も収容人員の大きな劇場で1日4回上映という無謀な挑戦。料金は3000円とMETより安いが、千葉のド田舎でこの値段は…。20時40分の開始で23時50分終了という長丁場も災いしてか観客6名のみという惨敗。たぶん最初にして最後の3Dオペラの上演だと思う。METは日本以外はライブにこだわるのと違い、3D上映が前提なので、舞台上にカメラが上がって撮影など、擬似ライブでの収録のようだった。

さてロイヤル・オペラの「カルメン」といえば、四半世紀前の来日公演でのアグネス・バルツァのカルメンとホセ・カレーラスのドン・ホセという黄金コンビでの上演が思い出される。それに比べると知名度の点では、小粒なのは否めないが、演劇の国らしく演技力に優れた演出だったように思う。序曲が終ると、幕が上がって手錠をはめられたホセが絞首刑の執行人に引かれていくという場面から始まるなど演劇的。

4面舞台の設備のないロイヤル・オペラらしく、紅色の壁面を組み合わせた舞台装置。第1幕は水の張られた大きな樋?にリンゴの木。第2幕は長いテーブル、第3幕は天幕といった象徴的な装置が加えられて舞台に変化をもたせるという狙いのようだった。

カルメンは妖艶さでドン・ホセを迷わせるという演出で、そのものズバリSEXを連想させる演技がつけえられていて強烈。第1幕ではロープで縛られたカルメンが逆にホセを椅子に縛りつけてしまう。しかもホセの股間に足を押し付けて、激しい欲望の渦巻く舞台になった。第2幕でも性愛は大きなテーマのようで、SEXを連想させる演技が続いた。幕切れでは、スニガが軍服やズボンを脱がされ椅子に縛り付けられて幕になったりと演出も面白く見た。

全体を通して動物も多く出演。第2幕ではエスカミーリョが馬に乗って登場、第4幕ではカルメンも馬に乗って登場したりした。音楽はライブでの一発勝負ではないので、いろいろと加工されたような印象だった。というわけで歌手陣には大きな穴もなく安心して聴いていられた。

ただ3Dで上映する必要があったかどうか…。今回はレチタティーボではなく、台詞でつないでいく版だった。もっとも映画では音楽がカットされていて、第3幕への前奏曲はなくエンドロールで中途半端に流される。第4幕の冒頭もスッパリとなくなっていた。20分も休憩をとるなら、完全版で上映でもよかったのではないだろうか。

Conductor
Constantinos Carydis

Director
Francesca Zambello

Designer
Tanya McCallin

Lighting
Paule Constable

Choreography
Arthur Pita

Fight Director
Natalie Dakin

Director
Julian Napier



Carmen
Christine Rice

Don José
Bryan Hymel

Escamillo
Aris Argiris

Micaëla
Maija Kovalevska

Moralès
Dawid Kimberg

Zuniga
Nicolas Courjal

Frasquita
Elena Xanthoudakis

Mercédès
Paula Murrihy

Le Dancaïre
Adrian Clarke

Le Remendado
Harry Nicoll

Royal Opera Chorus

Orchestra of the Royal Opera House
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。