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源太勘当 京鹿子娘道成寺 切られ与三 四月歌舞伎座・昼の部 歌舞伎 2005-04-09 [歌舞伎アーカイブス]

 「源太勘当」は実は27年前に生まれて初めて観た歌舞伎なんです。お正月に貰ったお年玉で身分不相応に1等席を当日売りで買ったら、前から5列目のど真ん中が買えてしまって…。緊張してとうとう終演まで座席に金縛り状態だったのです。だから天使にとっては青春の演目。この芝居には青春の香りが満ちているのです。

  勘太郎は、馬鹿な弟のせいで中村屋の御曹司としての期待を一身に背負ったようで悲壮感さえただよっていますが熱い演技を披露してくれました。海老蔵は同じ御曹司でもノビノビ系ですから、生真面目な勘太郎と好対照で、かえってバランスがよかったみたいです。久しぶりに青春という言葉の意味を噛み締めてしまいました。

  同じく27年前の四月、歌右衛門の娘道成寺を観るために、食費を切り詰めて何度歌舞伎座の3階席に通ったことか…。ゼネストの時なんか歩いて歌舞伎座まで行きました。ガラガラの客席でも入魂の踊りを見せてくれて歌右衛門…。ああ、懐かしいなあ。この演目も青春の思い出なのです。

  当代の娘道成寺の踊り手といえば、玉三郎ですが、八頭身の現代的なプロポーションの彼女が心の奥底に秘めた情念をメラメラと燃やす古風な女性を描いているように思うのです。勘三郎は、顔が大きく胴長短足という歌舞伎役者にふさわしいプロポーション(最後の世代かも)でアッケラカンと現代風の女性のように踊るのが面白かったです。やはり頭の中には六代目菊五郎があるのでしょうね。

 後半は、なんだかスポーツを見ているみたいでしたがこれこそ勘三郎の目指す娘道成寺でしょう。鈴太鼓なんかバンバン壊すほどもっと大暴れして欲しいと思いました。嫉妬の感情なんて押戻しになってから鬼女の姿でストレートに表現すればいいのです。何にも考えずに猛烈なスピードで踊ってくれれば…。

  團十郎の押戻し、立派でした。本当に歌舞伎には貴重な存在ですね。これ東京では二十三年ぶりの押戻しだったとか、次回はいつになることやら…。もう観れないかと思うと
居ても立ってもいられなくなるのでなんとか幕見で見るつもり。

 「切られ与三」仁左衛門と玉三郎の最強コンビに左團次のこうもり安だから悪かろうはずはないのですが…。源氏店からはいささか退屈してしまいました。そんな訳で番頭を演じた松之助ばっかり観てました。名台詞がちりばめられている名狂言ですから楽しめるはずなんだけれど何故?っていう感じでした。

見染めに出ていた勘三郎の鳶頭の衣裳が素敵だったと思います。裏地がとっても洒落ていました。最後は二人が寄り添う型で幕でした。この方が観客に親切ですよね。いつもなんか尻切れトンボっていう感じですから。段四郎の台詞で幕ってわけにもいかないでしょうが彼も悪くなかったです。

2005-04-09 23:10
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